いつもなぜか悲観的になってしまい、そんな考え方から脱却したいと思ったことはありませんか。または、身近に悲観的な人がいて、どうしてそのように考えてしまうのか、疑問に思ったことのある人もいるでしょう。

本記事では、悲観的な人について、その考え方の傾向や特徴、悲観的な考えになってしまう原因を解説します。悲観的でネガティブな思考の直し方や、メリット・デメリットもまとめました。

  • 悲観的な人とは

    悲観的な人の特徴やメリット・デメリット、直し方などを紹介します

悲観的な人とは? 考え方の癖、傾向を解説

「悲観的」の意味は、「先行きに望みがない」と考える傾向や、望みが持てない様子のことです。「悲観的な人」は、未来に期待せず、常に諦めを抱いています。

悲観的な人が物事に対してどのように考えるのか、まずは具体例を見てみましょう。

最悪の事態を想像する

悲観的な人は、予測ができない未来に対して、悪い状況を想像しがちです。

本来、まだ起こっていないことは、どのようになるか分かりません。それなのに悪い事態を想像して思い悩んでしまうのです。

失敗しても仕方ないと最初からあきらめる

悲観的な人は、初めから失敗する想定をしておくことで、繊細な心を守ろうとする人が多いようです。

失敗したときには「最初から失敗すると思っていた」と言い訳をすることで、自分の心を守るのです。

自分には無理だと思い込んでいる

悲観的な人は自分に自信がないため、頼まれ事や期待をされても、「自分にはどうせ無理」と考える傾向にあります。

たとえ他人から評価をされても「気を使っているだけ」「本当は自分には能力がない」などと、その評価を信じられません。

全てを自分の責任と捉えてしまう

悲観的な人には、過剰な責任感を持つ傾向もあります。うまくいかなかったときに、「自分のせいだ」と思い込むのです。

起こったトラブルの原因が全て自分にあるように感じてしまい、自分を責めて、ひどく落ち込んでしまうことがあります。

悲観的な人の特徴とは

ここからは具体的に、悲観的な人によく見られる特徴を見ていきましょう。

笑顔が無い、テンションが低い

悲観的な人は、悲観的な考えがつい顔に出てしまい、笑顔が無く暗い表情をしていることが多いです。

また、皆で盛り上がるような場面でもテンションが低いため、場の雰囲気を悪化させてしまうことがあります。

言動がネガティブ

悲観的な人は、ネガティブ、つまり否定的で消極的な言動をしがちです。「どうせうまくいかないだろう」と、物事を全て悪い方向に考えてしまうため、ネガティブな言動をしがちになるのです。

成功体験が少ないために自分に自信が持てず、消極的な言動に終始してしまいます。そのため、周囲からは一緒にいて疲れると思われることが多いです。

心配性である

悲観的な人の多くは心配性です。常に悪い結果を想定してしまうため、一つの心配事が解決しても、次々に新たな心配事が出てきます。

心配事が発生すると次の行動にも尻込みしてしまうため、消極的になることにもつながります。

他と自分を比較してしまう

悲観的な人は、他者を過剰に気にしている傾向にあります。常に他者と自分を比較し、自分が劣っている点ばかり注目して劣等感を抱きがちです。

自分の優れた点には目が向かず、マイナス面ばかりにフォーカスする傾向があります。

新たなチャレンジに踏み出せない

悲観的な人は自分に自信が持てないため、極度に失敗を恐れる傾向にあります。そのため、新たなチャレンジが不得手です。

失敗したくない気持ちが強く「失敗する可能性があるならやらない」とスタート前から諦めてしまいます。

被害妄想が強い

悲観的な人の多くは、周囲からの評価に敏感です。周囲からの評価を知りたい気持ちが強い一方、自分に自信が無いために、「皆が自分の悪口を言っているのでは」という被害妄想を抱きがちです。

その被害妄想によってさらに悲観的になってしまいます。

過去のつらい経験を乗り越えられていない

悲観的な人は、過去のつらい経験、トラウマを乗り越えられていないというケースもあります。

過去と同じつらいことが起こるのではないかという不安感から、自分の世界に閉じこもってしまうのです。また過去のつらい思い出や後悔を常に抱えているために、表情が暗くなりネガティブな言動になりがちです。

悲観的な思考になってしまう原因

  • 悲観的な思考になる原因

    悲観的な考えになる原因は何なのでしょうか?

「悲観的だ」という自覚がある人は、なぜ悲観的な考えになってしまうのか、その原因を知ることで、悲観的な考えから脱却できる可能性があります。

また、身近に悲観的な考えを持つ人がいる場合、その気持ちを理解することは、コミュニケーションを円滑にすることにつながるでしょう。

自分に対して自信がない

自分に自信が持てず、自己肯定感が非常に低い場合に、人は悲観的な考えを持ってしまいがちです。

自分に自信がないと、本来持っている自分の長所を認められません。たとえ人から褒められても、素直に受け取れずに、ネガティブに捉えてしまいます。

成功体験が少ない

成功体験が少ないと「うまくいかないことが当たり前」という悲観的な思考を持つようになりがちです。

成功するイメージを持っていないため、一度の失敗で諦めてしまう、もしくはそもそも挑戦しない選択をしがちです。また、成功の達成感や喜びの経験にも乏しいため、挑戦へのモチベーションが上がりづらいです。

挑戦しないと成功体験を増やせないため、さらに悲観的な思考になるという悪循環に陥ってしまいます。

失敗することを極端に恐れている

挑戦に失敗はつきものです。しかし失敗することを極度に恐れていると、チャレンジへのハードルが高く、挑戦することに二の足を踏んでしまいます。

「失敗を乗り越えての成功」を体験していないため、多少の失敗でもすぐに諦めてしまいます。失敗を恐れて「どうせ失敗するからやらない方がいい」と悲観的になってしまいます。

挫折経験が忘れられず成功のイメージが持てない

過去の挫折経験も、悲観的になる原因の一つとして考えられます。

挫折経験を引きずってしまい、物事を悪く考える癖がついてしまうのです。過去のチャレンジが失敗に終わったことから自信を消失し、「また今回も失敗するだろう」と考えて悲観的になってしまいます。

悲観的であることのデメリット・短所

  • 悲観的になることのデメリット

    悲観的になることのデメリットを把握しましょう

悲観的だと、実生活でどのようなデメリットがあるでしょうか。

交友関係が狭くなってしまう

悲観的な考えだと、表情が暗く声も小さくなりがちです。周囲からは「暗い人」「近づきにくい人」という印象を持たれてしまいます。

また、ネガティブな言動も人を遠ざける原因になり、交友関係が狭くなってしまいます。

実行力が低く、チャレンジに踏み出せない

悲観的な考えだと、失敗を恐れて行動までの時間が掛かりすぎてしまいます。自己肯定感が低く、成功体験が少ないために、実行の決断がなかなかできません。

たとえ多くの情報を集めても、失敗しない確証が持てるわけではなく、ただ時間が過ぎるだけです。行動をしないとチャンスや評価を逃すことにもつながってしまいます。

人を頼り、力をうまく借りることができない

悲観的な考えだと、人に迷惑を掛けることや、依頼を拒絶されることを過剰に恐れてしまいます。頼るのが苦手で、人の力を上手に借りられません。

結果的にピンチに陥ったり、取り返しのつかない状況に追い込まれたりします。

身の回りのすべてがストレスの原因になる

悲観的な考えを持っていると、身の回りの細かいことが気になってしまい、必要以上に不安を感じてしまいます。

不安が抑えられずに余計な行動や極端な行動をとり、さらにストレスがかかる原因になります。

悲観的であることのメリット・長所

  • 悲観的になることのメリット

    悲観的になることにはメリットもあります

一般的に悲観的になることは良くないことだと思われがちです。しかし悲観的になることにはメリットもあります。

大きなミスをしづらく、たとえミスしてもパニックに陥らない

悲観的になる最大のメリットは、大きなミスをしにくいという点ででしょう。

仕事においても、見切り発車ではなく、想定される問題を解決してから進めます。このため予想と大きく異なる結果になることは少なく、周囲に迷惑をかけることも少なくなります。

また、普段から悪い事態を想定しているため、本当にミスやトラブルが起きてもパニックを起こさないというメリットがあります。

人間関係を壊すトラブルを起こしにくい

悲観的な人は、物事だけでなく人との関わり方も慎重です。このため人間関係を壊すようなトラブルを起こしにくいでしょう。

相手がこちらの言葉を受け取った際の心情もよく考えているため、失言を避けられます。

自分を守ることに長けている

悲観的な人は、常に悪い事態を避けることを考えており、自分を守ることに長(た)けているとも言えます。

普段のストレスはたまりやすい一方、大きなストレスは上手に避けられるでしょう。常に慎重な行動をとり、重大な問題の発生を抑えるためです。

「悲観的な人」でいることに疲れたら…悲観的な考えを改善するコツ

  • 悲観的な考えを改善する方法

    悲観的な考えを直したい場合はどうすればいいのでしょうか?

悲観的な考えには、前述のように良い面もあります。しかし多くの人は、悲観的な考えを改善してポジティブになりたいと考えるのではないでしょうか。

悲観的な考えを改善するコツをご紹介します。

ネガティブな言葉を口にしない

「言霊」という言葉があるように、人が発する言葉は自分の行動に影響を与えるといわれています。マイナスの言葉を繰り返し口にすることで、行動も消極的になりがちです。

悲観的な考えを改善するためには、まずポジティブな発言、つまり肯定的で積極的な発言を増やして、前向きに行動できるようになりましょう。

成功体験を増やす

悲観的な考えになる理由の一つに「自信が持てない」ことがあります。

自分に自信をつけるためには、成功体験を増やすことが有効とされています。まずは小さな目標からスタートするといいでしょう。

また、失敗しても気にせずに挑戦を続けることで、成功体験を増やせます。

楽観的で前向きな友人と一緒に過ごしてみる

悲観的な考えを改善するためには、楽観的で前向きな友人と一緒に過ごしてみる方法も有効でしょう。

楽観的な人は好奇心旺盛、何事にも肯定的で、自分に対しても自信があり、失敗しても気持ちの切り替えが早いという特徴があります。

楽観的な人から、「悪い所よりも良い所を見る」「自分らしさを大切にする」「過去にとらわれない」といった楽観性を学んでみましょう。ポジティブな影響を受けることで、自分も前向きな気持ちになれるはずです。

友人や先輩に相談する

悲観的な考えを改善するためには、信頼できる友人や先輩に相談するのもいいでしょう。一人で考えていると、同じことで悩み続けてしまいます。

信頼できる人に相談することで、自分の状況を、第三者の視点から考えてもらえます。自分では思いつかないようなアイデアや考え方を聞けて、悲観的な考えを改善できるでしょう。

尊敬する親しい人に自分の長所を聞く

自己肯定感の低い悲観的な人は、自分の欠点ばかりに目を向けて、落ち込んでしまいがちです。

自分の長所に目を向けるために、尊敬する親しい人に自身の長所を聞いてみましょう。長所を聞くときは、自分が尊敬できる人に聞くことがポイントです。その言葉を信じられると思える人に評価してもらいましょう。

多少聞きにくいことも真正面からきちんと尋ねれば、誠実な答えが返ってくるはずです。悲観的な考えを改善するためにチャレンジしてみましょう。

周囲からの評価・視線を気にしすぎない

周囲からの評価を過剰に気にしていると、失敗を恐れて悲観的になってしまいます。

自分が思うほどには、周囲はこちらを見ていないものです。厳しい目を向けていることもほとんどありません。悲観的な考えを改善するためには、周囲からの評価・視線を気にして失敗を恐れることをやめましょう。

悲観的な考えから脱却しよう

今回は、悲観的な人の特徴や悲観的になる原因、悲観的な考えを改善する方法などをご紹介しました。

悲観的な考えを持つことにはメリットもありますが、一般的にはデメリットの方が大きいため、改善したいと考える人も多いでしょう。

悲観的な考えから脱却するために、まずは「悲観的な考えを持つ自分」を落ち着いて観察してみましょう。