仕事関係の相手や職場にいる、なぜか苦手な人。苦手な人はできれば作らない方がいいですが、現実ではなかなか難しいものです。
本記事では、苦手な人とうまく付き合っていくためにはどう対処すればいいのかや、そもそも苦手な人が生まれる理由、共通する特徴などを紹介します。
職場の苦手な人との付き合い方・対処法とは
特に職場や仕事関係の付き合いで苦手な人がいる場合は、苦手だからといって簡単に離れられるわけではありませんね。
そこで苦手な人とでも上手に付き合う方法や、対処法を紹介します。
相手のペースに流されない
まず第一に、苦手な人のペースに流されないことが大切です。苦手意識のある人と会話をすると、相手のペースに飲み込まれ、ついいつもと違う行動をとったり、思っていることと違うことを言ったりしてしまいがちです。
また苦手な人と接することや意識することによる緊張感・萎縮から、仕事のパフォーマンスが落ちてしまう可能性があります。それは自分にとっても、会社にとっても残念なことです。
苦手な人のペースや発言に惑わされず、否定すべきときや断るべきときは毅然とした態度で対応しましょう。難しいかもしれませんが、常に冷静に、自分自身を保つよう心掛けることが大切です。
相手の良い点を探す
一度「苦手だな」と思うと、その人の悪い点ばかりが目に付くようになりがちです。しかし、思い切って良い点を探し出すつもりで相手を観察したり、接してみたりしてはいかがでしょうか。
いつもと違う視点で相手を見ることによって、苦手な人でも良いところが見つかるかもしれません。
また、今まで「苦手な点」「悪い点」と思っていた箇所も、考え方や立場を変えれば良い点になる場合もあります。例えば、「どうでもいいような細かい間違いを見つけては、嫌みを言ってくる」と思っていた場合も、考え方を変えれば「細かいところまで丁寧にチェックしてくれる」「知らんぷりせずにきちんと注意してくれる」「妥協せずに常により良いものを目指している」といった具合に言い換えることができます。
また、苦手な人だからといって、避けてばかりだと関係が悪化する可能性があります。苦手意識を捨て、挨拶など小さいことからでいいのでコミュニケーションを増やしてみることで、相互理解できる可能性もあるかもしれません。
苦手な人を客観視して、相手から学んでみる
苦手な人と接するときには、相手を客観視してみるのもいいでしょう。苦手な人の言動や態度を客観的に見てみることで、冷静な視点で相手を分析できます。そうすることによって、ただ漠然と相手を苦手だと思っていた気持ちだけでなく、なぜ自分が相手を苦手と感じるのか、詳細な理由を発見できるかもしれません。
苦手に思う詳細な理由を見つけることによって、相手を反面教師にすることができます。いつか自分が相手と同じような立場になったときに、「こういうことはしないようにしよう」と意識することができるでしょう。
将来の自分にとって良い経験になると思い、苦手な人から学ぶつもりで接してみましょう。
相手を変えようとするのではなく、自分の考え方を変える
苦手な人の思考や言動を変えるのは難しいことです。相手を変えようと行動することによって、いつも以上に自分が疲れてしまうこともあるでしょう。またその行為自体が新たな問題を生み出してしまう可能性もあります。
「苦手な人とは職場での付き合いだけ」「気にしないようにしよう」というように、自身の考えを割り切ることも一つの方法です。
それでも無理なら距離を置く
もし相手を理解する努力や、自分の考え方を変えようとしてみてもダメだった場合は、適度な距離感を保ち、お互いに干渉しないように徹することも一つの手かもしれませんね。
無用な問題を起こさないためにも、あからさまに距離を置くのではなく、自然に距離を保つのがいいでしょう。
また、相手との関わりを物理的に減らせるよう、上司に相談して席替えをしてもらったり、チームを変えてもらったりということも考えられます。その際には、ただのわがままだと思われないよう、どうして相手と距離を置きたいのか、なぜ苦手だと思うのかを、論理的に説明できるようにしておきましょう。
職場で「苦手な人」だと思われやすい人の特徴とは? 苦手意識を抱かせる理由
そもそも、「この人、なんだか苦手だな…」と思う場合には、相手に共通した特徴がある場合が多いものです。
苦手意識を持たれやすい人の特徴や、なぜ苦手意識を抱いてしまうのかを把握しておくと、そういった人と会ったときに、深入りしないようあらかじめ注意できるかもしれません。
自分の非や能力の低さを決して認めない
「苦手な人」だと思われやすい人に共通する要素の一つとして、「自分の非や能力の低さを認めない」という特徴があるでしょう。
「自分は間違っていない」との思い込みが強く、周りからの異なる意見や助言を受け入れられない人が多い傾向です。また自分の考えを周囲に押し付けてしまうので、周りからは苦手と判断されるのでしょう。
相手次第で態度を変える
付き合いをする相手次第で態度を変えることも、「苦手な人」と判断される原因になるかもしれません。苦手な人だと周囲から思われる人物は、自分にとっての損得で相手に接する態度を変えるケースがあります。また目下や弱い相手には強い態度で、目上や強い相手には下手に出るという場合もあるでしょう。
「この間、私にはこう言って案を突っぱねたのに、あの人が同じことを言ったらすんなり受け入れた…」など、理不尽で差別的な言動が、苦手意識を生む可能性があります。
特に職場や仕事の付き合いの関係では、上下関係がはっきりしていることも多いので、態度の差が顕著に表れるかもしれません。
相手の事情・状況を考えない
相手の事情や状況を考えずに自己中心的な行動をする人物も、「苦手な人」と分類される場合があります。
例えば自分がわからないことや手伝ってほしいことがある場合でも、相手が今どのような状態なのかを先に考えてから行動するのが大人のマナーといえます。
相手への思いやりや優しさがなく自分勝手な主張ばかりを押し付けてくる人は、大多数の人にとって「苦手な人」と認識されることでしょう。
自分勝手な評価基準で他人をねたむ
相手の境遇やポジションをねたむことが多い人物も、「苦手な人」と認識されがちです。なぜならば他人をねたむ理由は自分勝手な思い込みであることが多く、また周囲の人には理解できない理由であることがしばしばあるためです。
人を自分勝手な評価でねたむ人は、素直に他人の実力を認めるのが難しいのかもしれません。その結果として、「苦手な人」と認識されることが多くなります。
ネガティブな話が多い
「苦手な人」だと思われやすい人には、ネガティブな話ばかりをする人も含まれるでしょう。
常にネガティブな話をしている人は、聞き役の苦痛もわからずに自分勝手に話を続けるのが特徴です。「でも~」や、「だけど~」などという、後ろに否定的な意味が続く言葉が口癖になっている人も多いでしょう。
ネガティブな愚痴や悩みなどは、他人に話すと本人は楽になりますが、聞き役は疲れたり気分が沈んだりしてしまうものです。
また、アイデアに対し、代替案なく否定的な意見ばかりを述べる人も苦手意識を持たれがちです。
逆に、ポジティブな話題や言葉が多く、反対意見を述べる場合も建設的なアドバイスができる人は、多くの人から好かれるでしょう。
時間や規則を守らない
ルールを軽んじている、協調性がなく人の和を乱す人物も、「苦手な人」だと思われることが多いでしょう。
仕事の付き合いや職場では、守らなければいけないさまざまなルールがあります。またそういったルール以外でも、人との付き合いをする上では考慮すべき最低限のマナーがあります。
時間を守らなかったり、約束をほごにしたりなど、みんなが守っていることを自分勝手に破る人は、自分は特別だと勘違いしている可能性があります。そういった「上から目線」の気持ちが言動ににじみ出ることによって、さらに嫌われてしまうこともあるでしょう。
相手の価値観を理解しようとしない
「苦手な人」だと認識される人の中には、価値観の相違を受容できない人も多いのかもしれません。
一般的に多くの人は、相手との価値観の相違に気付いても、相手を否定したりシャットアウトしたりするのではなく、「そういう考え方もあるんですね」と、単なる価値観の相違として割り切り、共存します。
しかし「苦手な人」だと思われがちな人は、相手が自分の価値観と違う場合にそれを理解しようとするのではなく、単純に理解できない相手として判断し、拒絶したり、冷たくあしらったりするのです。このような場合は歩み寄りが難しく、両者の溝が深まってしまいます。
理不尽な要求や言動が多い
理不尽な要求や言動が多いケースでも、「苦手な人」と判断されることがあります。
論理的でない要求ばかりをする人は、「わがままな人」「話が通じない人」「面倒くさい人」「意思の疎通ができない人」などと思われ、苦手意識を持たれてしまいます。
悪いレッテルを貼られることで、さらにコミュニケーションの悪化が進むかもしれません。
自分がやるべきことをせず人に押し付ける
「苦手な人」だと思われやすい人には、自分がやるべきことを人に押し付けても平気な人も挙げられるでしょう。
もちろん仕事において、持ちつ持たれつの考え方は大切です。自分がどうしても手一杯のときや、知見がない場合に、周りの人に頼ることは悪いことではありません。
しかし、ただ単に面倒くさいから、やりたくないからなどの理由で、自分の仕事を他人に押し付ける人は、嫌われても当然でしょう。
また、自分の責任を他人に転嫁する人も、信用を無くし、多くの人から「苦手な人」だと認識されるようになるでしょう。
相手がこちらを嫌っている
周囲から「苦手な人」だと思われやすい人の中には、その人自身が周囲を嫌っているからという場合もあります。
嫌いだ、苦手だと感じている気持ちは、無意識に言葉や態度、表情などに出てしまうものです。それが相手に伝わり、相手にも苦手意識が生まれているのかもしれません。
お互いに「苦手な人だ」と思うことで緊張感を持ってしまい、そのことがさらなる悪循環を生み出している可能性もあります。
苦手な人との接し方で大切なのは、相手ではなく自分の考え方を変えること
苦手な人との付き合い方や対処法、また「苦手な人」だと感じる人物にはどのような共通点があるのかについて紹介しました。
苦手な人はできるだけ少ないのが理想ですが、現実ではなかなか難しいものですよね。特に職場の場合は、苦手だと思っても関係性を続けなければならず、苦労している人も多いでしょう。
苦手な人がいる場合、たとえそれが100%相手に悪い点があるからだとしても、相手に改善を求めるのは難しいものです。上記の対処法を参考に、自分の言動や考え方を変えることによって、関係性を変えていきましょう。
ただしそれでもうまくいかない場合は無理をせずに、適度な距離を見つけることも一つの方法であることを覚えておくといいかもしれません。