4月3日にスタートする連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、神木隆之介演じる主人公・槙野万太郎の妻となるヒロイン・寿恵子役を務める浜辺美波にインタビュー。朝ドラヒロインに抱いていた思いや本作の魅力、女優業への思いなど話を聞いた。
連続テレビ小説(朝ドラ)第108作となる本作は、高知県出身の植物学者・牧野富太郎さんをモデルとしたオリジナルストーリー。幕末から明治、大正、昭和と激動の時代に、愛する植物のために一途に情熱的に突き進んだ主人公・槙野万太郎(神木隆之介)とその妻・寿恵子(浜辺美波)の波乱万丈な生涯を描く。
2015年の『まれ』以来2度目の朝ドラ出演でヒロインを務める浜辺。芸能界に入った当初から、両親や祖父母から「朝ドラのヒロインをやってほしい」と言われていたそうで、決まったときは喜びも大きく、また、映画『屍人荘の殺人』(2019)で共演した、「敬愛する大先輩」と称する神木との再共演にも喜びを感じたという。
「祖父母が年齢を重ねていき、何か恩返しをしたいと思っていた時期にお話をいただき、しかも神木さんが主演で、お花も大好きなので植物学の話ということで、巡り合わせがすごく恵まれているなと、決まったときは手が震える感覚がありました。うれしさなど、いろんな感情が湧き起こって、その夜は眠れなかったです」
両親も祖父母も、ヒロインに決定したと知ったときは「かなり喜んでいました」とうれしそうに振り返る。
「連続テレビ小説は特に祖父母世代には絶対的な人気を誇っていて、祖父母がだんだん年を重ねていく中で『ヒロインをやってほしい』というのがかなり切実になっていたので、言葉以上に喜んでくれました」
期待を背負っていたものの、『まれ』出演後、朝ドラヒロインのオーディションに挑戦したのは一度だけだったという。
「序盤の序盤で落ちたと思います。そのときにもしかすると私はタイプが少し違うのかなと思い、(朝ドラヒロインを)目指すのをやめてしまったんです。嫌いになったのではなく、私は違うのかなと思い、別の道で頑張ろうって」
自分では縁がないと思っていた朝ドラヒロインだったからこそ、オファーを受けたときは「本当にうれしかった」と言い、「親孝行ができる、祖父母に恩返しができると思いましたし、地元の人々はルーティンの中に連続テレビ小説が組み込まれていて、いろんな方から『出てよ』と言われていたのでよかったです」と笑顔を見せる。
また、長田育恵氏が手掛ける脚本を読み、第1週から涙するほど引き込まれたと明かす。
「第1週は万太郎さんの幼少時代のお話なのですが、万太郎さんの無邪気な感覚とお母さんとの思い出にぽろっと泣いてしまいました。それくらい長田さんの脚本は引き込まれるような人間味と愛してしまうような人間性が万太郎さんに出ていて、第1週からこんな心を持っていかれるんだと驚きました」
自身の撮影が始まってから、さらに脚本の魅力を実感しているようで、「撮影していてやりにくいと思うことが本当になくて。長田さんとお会いしたときに、言葉遣いにも配慮や愛のある方だなと感じたのですが、それが存分に詰まった、温かくもあり、スピード感もあって、本当にハッピーになるお話だなと思いました」と語る。
演じる寿恵子の魅力については「強さ」を第一に挙げ、「しんどい展開もあり苦労していく中でも、万太郎さんの人柄もありますが、楽しみながら支えていく余裕があり、いろいろ考えて乗り越えていく工夫ができる強さはうらやましいものがあります」とリスペクト。「十何回も引っ越しをしていて、採取したものたちをリヤカーいっぱいに詰めて運んでいくのもすごく大変だったと思いますが、幸せだったと思います」と愛おしそうに話した。