お笑い芸人の出川哲朗が、フジテレビの若手ディレクター3人とそれぞれタッグを組み、3本の新企画に挑むバラエティ特番『出川のアニキ!』が、きょう31日(24:55~ ※関東ローカル)に放送される。
デビューから38年、“リアクション芸人”や“子どもたちの人気者”など様々な顔を見せる現在のポジションを確立した背景には、数々の番組制作者との出会いがあった。今回の番組にも、そんな出会いの場となることを期待しながら、若いディレクターたちにアドバイスを送った――。
■“アメとムチ”を使い分けたディレクター
数々のバラエティ番組に出演してきた出川に、これまで出会った中で印象深い制作者を聞いてみると、まず挙げたのは、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』のフジテレビ・吉田正樹氏(現・ワタナベエンターテインメント会長)だ。
「もうめちゃくちゃしごかれて、飲み会のときは必ず横で正座してたし、よく番組の反省会でクラブで飲んでて、向こうに日テレの土屋(敏男)さんがいたら『お前が土屋か~』って言う恐ろしい人だった(笑)。でも吉田さんは、“アメとムチ”が非常に上手な人だったんですよ。コントのときはいつもダメ出しされて怒られてましたけど、体を張るコーナーだと『やっぱ天才だね、哲っちゃんは』『こんな面白いやつないよ』って言ってくれるんです」
それでも強く印象に残るのは、やはり怒られた思い出。「本当にいろいろ注意されましたね。『ダチョウ(倶楽部)さんが最後に言う一言は、営業で苦労してきたからこそ出てくる魂の一言だけど、お前なんてウッチャンナンチャンの友達で出てきたから魂の一言がないんだ』とか言われて、その頃は本当に腹立ったけど、何年か経つと言ってる意味が分かるんです。だから吉田さんには非常にお世話になりました」と感謝した。
■「ディレクターさんの編集次第でどうにでもなっちゃう」
『世界の果てまでイッテQ!』の日本テレビ・古立善之氏については、「編集もテロップも、もう天才です」とした上で、「『はじめてのおつかい』の企画を最初に聞いたとき、『あれは子どもが行くから面白いわけで、こんなおっさんがやって誰が見るんですか!』って心の中で思ったんだけど、『イッテQ』を代表するコーナーになりましたよね」と、面白さへの嗅覚を称賛。“抱かれたくない男”から、何社ものCMキャラクターを務める“好感度芸人”へと変貌する原動力となった。
『アメトーーク!』のテレビ朝日・加地倫三氏には、「『出川さんのリアクションが面白いのは分かったから、もうそこはいいんです。出川さんのプライベートが実は面白いから、そこを撮っていきたい』と言って、普段の僕とか、言い間違いとか、それまでのテレビだったら絶対カットされるようなところを使い始めたんですよ」と、芸人としての新たな魅力を引き出された。
そうした制作者は各局にいるそうで、「TBSだったら『水曜日のダウンタウン』の藤井(健太郎)さんとか、テレ東の『充電旅(出川哲朗の充電させてもらえませんか?)』の平山(大吾)さんもそうだし、本当に優秀なディレクターと仕事をさせてもらってるんです。だから、僕らは“優秀なディレクターと出会う旅”をしてるだけだから、いかにいろんな人と仕事をして、優秀な人に引っかかるかどうかが大事なんです」と強調。
その上で、「本当にディレクターさんの編集次第でどうにでもなっちゃう。僕なんて特にこんな芸風だから、編集でどれだけ助けられてるか分からないです」と、改めて感謝した。