声優・三森すずこのアーティストデビュー10周年を記念して、ベストアルバム『RPB』と『Music Video Collection』が、2023年4月5日(水)に同時リリースされる。
2013年4月に1stシングル「会いたいよ...会いたいよ!」をリリースして以来、声優としてはもちろん、精力的にアーティスト活動を重ねてきた三森すずこ。その10周年を記念するベストアルバムは、自身の楽曲を「Red~情熱的、エネルギッシュ、パッション~」「Pink~ラブリー、ハッピー、キュート~」「Blue~リラックス、クール、アオハル~」といった3つのカラーにカテゴライズ。それぞれのカラーにあった楽曲が、ファン投票によって選抜され、収録されている。
それぞれカラーで新曲が1曲ずつ収録されるほか、【きゃにめ盤】には特典として、2021年8月14日に神奈川県民ホールにて開催された「Mimori Suzuko Live 2021『Midsummer Funfair』」の模様を収録したBlu-rayが付属する。
三森すずこの10周年を余すところなく楽しめるベストアルバム『RPB』、そして、これまでのMusic Videoを網羅した『Music Video Collection』の発売を前に、三森すずこが語ったメッセージを紹介しよう。
●三森すずこが語る10周年記念ベスト『RPB』
――デビュー10周年を迎えるにあたっての心境はいかがですか?
早かったと思いきや、意外とじっくり過ごした感じです。初めてチームみもりんのプロデューサーの皆さんとお会いして、「ここから三森すずこのソロプロジェクトが始まります」という会議をした日が、すごく遠い昔のような気がします。なぜそんなに長い時間に感じるのかと考えたら、μ'sやミルキィホームズがファイナルを迎えたり、コロナがあったり、自分自身にもいろいろな変化があったり……毎年、自分の身に大きな変化があったので、この10年間はすごくじっくりと過ぎていったような気がします。
――アーティスト活動以外でもさまざまな変化があったわけですね
本当にトピックスの多い10年間でした。10周年を迎えるにあたり、自分の過去の曲を聴き直したりしたのですが、思い出す風景が毎回毎回違っていて。このときはこうだったなとか、あのときは忙しかったなとか。そうやって振り返ってみて、あらためて10周年を迎えられて良かった、ここまで走ってくることができて良かったと思います。
――10年間続けるというのは大変なことだと思います
最初にプロデューサーの皆さんが、「三森すずこのソロプロジェクトは10年続くプロジェクトにしたい」と言ってくださったのですが、そのときは10年なんて遥か遠いことのように思っていたんです。だから、少し不安もあったのですが、みんなで約束した目標をここでひとまず達成できたという喜びがあります。もちろん、ここで終わりではなくて、あくまでも通過点としての10年。遠い道のりでしたけど(笑)。
――そんな10周年を記念したベストアルバム『RPB』が4月5日にリリースされますが、Red、Pink、Blueの3色に分けるというコンセプトは面白いですね
色で分けるというのは会議で決まったのですが、私自身も会議の日までにいろいろと考えたんです。ベストアルバムはどんなテーマで、どんなタイトルにしたらいいだろうって。ファンのみんなにどうやって感謝を伝えるか。10年をひとつの言葉にまとめるとどうなるのか。全然答えが出なくて、けっこう迷走していました。そんな中で、スタッフさんと相談しながら、私の曲には色んな温度感を持った曲が多いというお話になりました。そこで出てきたRed、Pink、Blueの頭文字を取った『RPB』というタイトルは、シンプルだけど、すごく良いなって思いました。そして、ファンのみんなに投票してもらうことで、ファンのみんなと作るベストアルバムになったら、きっとみんなにとっても思い出になると思うし、私自身もみんながどんなイメージで曲を聴いてくれていたのかを知ることができる。単純に色の頭文字を取っただけのタイトルですが、すごく気に入っています。
――ファン投票の結果は、順当だと思いましたか?それとも意外でしたか?
意外な曲がけっこうありました。「ユニバーページ」はPinkだと思っていたのですが、みんなはRedだと思っていたみたいで。おそらく、ライブで聴くときは、ウルトラオレンジとかを振って、かなりエネルギッシュに楽しんだ思い出があるから、みんなの中ではエネルギッシュで情熱的なRedだったのかもしれません。「Xenotopia」も、青い衣装を着ていたイメージが強かったので、絶対にBlueだと思っていたのですが、みんなにとってはRedでした。これもライブで燃えたイメージがあったからかなって。自分の視点とちょっと違う角度の答えが返ってきたので、面白い結果だと思いました。
――それぞれの曲にそれぞれの思い入れがあると思いますが、あえて1曲ずつ、10年の活動の中で転機になったような曲があれば教えてください
Redだと、やはり「ユニバーページ」です。初めてアニメのヒロインと主題歌を同時に担当させてもらった曲で、意気込みもすごかったですし、フェスなどでも歌わせてもらったので、あまり三森すずこの曲を知らない人にも知って頂いている曲のひとつになっていて、その意味でも、私を代表する曲のひとつです。「ユニバーページ」との出会いは自分にとっても大きかったと思います。Pinkは……「恋はイリュージョン」ですね。自分のライブでは欠かせない曲のひとつですが、この曲では初めて作詞に挑戦しています。いつも何気なく歌っていたけど、作詞ってこんなに難しいんだ、作詞家さんはこういう事を考えて書いてくれていたんだ、ということをあらためて考えさせられた曲です。
――作詞をするのは好きですか?
作詞をすること自体は自分の中でリフレッシュできる気持ちもあって、すごく楽しいのですが、難しさも感じています。ボキャブラリーを求められるのですが、今はなかなかインプットする時間が取れなくて……。 今後も作詞をさせていただくチャンスがあれば、すごく嬉しいですし、運命を感じて積極的にさせて頂きたいなと思っているのですが、ちゃんと応えられるかが心配で、もっとインプットを増やして、自分の中のストックをもっともっと作らないといけないなと思っています!
――最近ではharmoeやDIALOGUE+に詞を提供したりもしていますよね
harmoeの二人のことはよく知っているので、思った以上にスムーズに書けたのですが、やはり自分以外のアーティストの方の楽曲に歌詞をあてるのは、また違った難しさがありました。自分の曲であれば自分が歌っているイメージでそのまま歌詞に落としこめるのですが、歌詞を提供させて頂くとなると、歌い手の方によって、自分のイメージとはまた違った印象になることもあるじゃないですか。そういう意味では、第三者の視点が更に増えるのもあって、自分に書くのとは違った緊張感があります。
――それでは話を戻して、Blueの中で思い出深い曲は?
Blueだと「アレコレ」はけっこう挑戦した曲です。それまでの曲はメロディラインがしっかりとあって、譜面に沿って正確に歌うということが大半だったのですが、「アレコレ」は“語り”という新しいフィールドに踏み出した曲でした。どのように歌えばこの曲は可愛くなるのか?雰囲気が出るのか?すごく難しかったのですが、MVもすごく可愛い世界観で作れたので、新しい三森すずこの一歩になった曲ではないかと思っています。
――それでは、『RPB』には収録される新曲についてお伺いします。まず、Redに収録される「ね、そうでしょう!?」は、作詞が畑亜貴さん、作曲が山田高広さんという「Snow halation」のコンビですね
「Snow halation」が大好きだったので、いつかヤマダマンに自分の曲も書いてほしいと思っていて、今回、満を持して書いていただきました(笑)。すごく美しいメロディに、畑亜貴さんの前向きなメッセージ。この10年、常にいい調子ではなかったですし、なかなかファンのみんなと会えない時期もありました。そういった時期を乗り越えて、ここから先、また一緒に歩き出そうというメッセージが、今の状況にすごくフィットしていて、とても素敵な歌詞だと思いました。隣にいるファンのみんなに話しかけているような感じもして、歌っていてすごく感情移入がしやすかったです。
――Pinkに収録される「大きな愛で君を抱きしめよう」は、作詞が畑亜貴さん、作曲が太田雅友さんという「会いたいよ...会いたいよ!」のコンビですね
デビュー曲を書いていただいたお2人の曲ということもあって、レコーディングのとき、「会いたいよ...会いたいよ!」を録ったときの情景が蘇ってきました。すごく緊張していたことや、プロデューサーの皆さんに「キュンとするような感じで歌ってください」とか、「もっと可愛く歌ってください」とか、そういったオーダーを受けながら必死に頑張っていたことを思い出しました。今回、「キュンとした感じで歌ってください」とか、「もっと声を可愛くしてください」みたいなことは言われませんでしたが、なぜか頭の中では、10年前のプロデューサーがオーダーしてくるんですよ(笑)。10年が経って、見守ってくれているスタッフの皆さんもけっこう変わったりしていますが、10年前にもいたスタッフさんが変わらずいてくれたりして、何かすごい歴史を感じるレコーディングになりました。自分の胸の中で「会いたいよ...会いたいよ!」と思っていたのが、10年を経て、「大きな愛で君を抱きしめよう」って、何だかすごく規模が大きくなっていますよね(笑)。これがどこまで広がっていくのか、スケールの大きさを感じました。
――「好きだ!好きだ!」という歌詞も印象的です
すごくライブで盛り上がりそうなので、早く声出しOKのライブで歌いたいです。
――Blueに収録される「鈴がなる日」は、作詞が中村彼方さん、作曲がfhánaの佐藤純一さんですが、佐藤さんは初めてですか?
佐藤さんは、『レヴュースタァライト』の曲を書いていただいていたのですが、ソロでは初めてです。歌詞も中村彼方さんなので、スタァライトコンビの曲になっています。初めてデモを聴いたとき、涙が溢れてきて……。祝福感がすごいし、10周年おめでとうというメロディがすごい。そして、彼方さんの歌詞もすごくて。彼方さんは同世代で、プライベートでも交流があったりするのですが、私の今の気持を代弁してくれているような歌詞になっていて、すごく胸に刺さり、余計に涙が止まらなくて。彼方さんからのメッセージをすごく感じました。この曲にはコーラスとかハモリがたくさん入っているのですが、実は彼方さんにも参加していただいています(笑)。
――『RPB』がリリースされる4月5日には、MV集『Mimori Suzuko Music Video Collection』もリリースされます
21曲も入っていて、すごくボリューミーです!ほかのアーティストさんのMVを観るのも好きなのですが、自分のMVを撮るのも大好きで、特に、みもりんチームのみんなと一日中、一緒にいられるのが楽しい。MVの撮影は、早朝から深夜まで掛かるのですが、一日中ずっと楽しいんです。だから、思い出もたくさん詰まっていて、あらためてMVを観ると、いろいろな出来事が思い出されて、めちゃくちゃ楽しかったです。
――その中でも特に思い出深い出来事は?
「サキワフハナ」のMVを香川で撮影したとき、休憩中にうどんを食べに行ったことですね。『結城友奈は勇者である』のイベントの前日に香川でロケをしたのですが、ほかの勇者部の子たちから「今、このうどん屋に来て食べてるよ」みたいなLINEが来るんですよ。それで「キーッ! 私も食べに行きたい!」となっちゃって(笑)。なので、休憩中に無理を言って連れて行ってもらいました。ほかにもたくさん思い出があって、「エガオノキミヘ」の撮影はすごく暑くて、セミがジージー鳴いていたなとか、逆に「Xenotopia」はめちゃくちゃ寒くて、ホッカイロを貼りまくったなとか……いろいろありましたね。
――たこ焼きを食べたりもしてましたよね
「会いたいよ...会いたいよ!」の時ですね!MVの撮影スタッフさんの中に元たこ焼き屋さんの方がいらっしゃって、撮影中に焼いてもらって(笑)。MVの撮影は本当に楽しいです。今回のMV集には、一曲一曲を振り返って、一言コメントみたいなものを手書きで書いていますので、それもぜひチェックしてみてください。
――MV集を観るにあたって注目してほしいポイントはありますか?
時代時代で変わっていく私の前髪ですね。どんどんシースルー前髪になっていくので(笑)。髪型やメイクはやはり時代を感じさせます。その意味では、単純に、私自身がどんどん変わってく様子を観てもらっても楽しめるのではないかと思います。
――6月24日には「みもパ!10周年スペシャル」が開催されます
ゲストさんを呼んだりして、楽しい会にしたいと思っています。みもりんのカバーカラオケなど、「みもパ」でしか聴けないスペシャルなライブコーナーがあったり、ゲームコーナーがあったり、より私を近くで感じることができるイベントになると思いますので、ぜひ遊びに来てください。ライブだと“キメキメみもりん”なのですが、「みもパ」では“脱力系みもりん”に会えますので。ぜひ(笑)。
■「みもパ!10周年スペシャル」開催概要
【日程】2023年6月24日(土)
<昼の部>開場:13時00分/開演:13時30分
<夜の部>開場:16時00分/開演:16時30分
【会場】山野ホール
【イベント内容】トーク、ミニライブ
【価格】3,333円(税込)
※『RPB』と『Music Video Collection』に封入されるチラシ記載のシリアルナンバーで申し込み可能
――10周年は通過点というお話もありましたが、今後やってみたいことはありますか?
ここ数年はなかなかファンのみんなと直接触れ合うことができなかったので、みんなともっと近くで会える機会を作りたいと思っています。オンラインお渡し会などはありましたが、やはりオンラインではなく、直接みんなに会いたいです。あと、ツアーをやって、なかなか東京までは来られないファンのみんなにも会いに行きたいですし、美味しいものを食べに行きたいですし……。
――それは仕事ですか?
美味しいものを食べて元気を出すという仕事です(笑)!あとは、みんなにまだまだみもりんの歌はいいなと思ってもらえるように、日々、こつこつと練習していきたいなと。
――それでは最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします
10周年を迎えることができたのは、ファンのみんながいてくれたからこそ、ここまで走ってこられたのだと思います。10年間の途中に三森すずこを見つけて、応援してくれている人もたくさんいらっしゃると思いますが、みんなが好きになってくれた瞬間のみもりん、そのトキメキをずっと持続できるように、私自身ももっともっと魅力的なアーティストであり、女性でいられるように頑張りたいと思っていますし、これからもみんなと一緒に楽しい時間を過ごせるように願っています。「本当に応援ありがとうございます」と、大きな愛でみんなを抱きしめたいです!
――ありがとうございました
声優・三森すずこのアーティストデビュー10周年を記念したベストアルバム『RPB』、そして『Music Video Collection』は、2023年4月5日(水)に同時リリース。各詳細は公式サイトにて。