三菱自動車工業は2023年度内の投入を予定している新型ピックアップトラック「トライトン」のコンセプトカー「MITSUBISHI XRT Concept」を「第44回バンコク国際モーターショー2023」(4月2日まで)に参考出品している。
三菱が世界戦略車を全面改良
ピックアップトラックのトライトンはタイのレムチャバン工場で生産し、世界約150カ国へ輸出している同社の世界戦略車。約9年ぶりの全面改良で6代目となる新型トライトンは2023年度内にタイで発売した後、アセアンやオセアニアなどに順次展開を拡大していく。
今回の「MITSUBISHI XRT Concept」は新型トライトンのコンセプトカーだ。存在感のある精悍な表情と厚みのあるフードからつながる水平基調で力強いシルエットのスタイリングをベースに、前後オーバーフェンダーやマッドテレインタイヤなどを装着し、過酷なラリーを走破する力強さ、大地を疾走する躍動感を与えたという。
ボディ全体を噴き出す溶岩のエネルギーを内包する岩石をモチーフにした力強いカモフラージュ・パターンとした。サイドにはラリーアートのブランドアイコンである10本線のグラフィックを配し、同社の走りにかける情熱を表現している。
同社が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」は、新型トライトンの改造クロスカントリー車両(T1仕様)で「アジアクロスカントリーラリー2023」に参戦し、大会2連覇を目指す意向。総監督は2002〜2003年のダカールラリーで2連覇した同社の増岡浩氏が引き続き務め、エンジニアが事前テストやラリー本番に帯同してサポートする。同社は「ラリーを通じて得たノウハウを市販車にフィードバックし、どんな天候や路面でも安心して楽しめる三菱自動車らしいクルマづくりを推進する」としている。
三菱自動車の加藤隆雄社長は「2023年度はトライトンの全面改良や新型コンパクトSUVの投入など、アセアン事業を加速させていく重要な年です。新型トライトンは世界中で厳しい耐久試験を実施するとともにラリーでの知見もいかされており、順調に仕上がっています。これらの新型車の投入を軸にさらなる成長に向けて邁進してまいりますので、これからの三菱自動車にどうぞご期待ください」とコメントしている。