マイナビは3月24日、「転職動向調査2023年版」を発表した。同調査は2022年12月16日~20日、現在正社員として働いており、2022年に転職した20~50代の男女1,500名を対象に、インターネットで実施した。
2022年の20~50代正社員の転職率は7.6%で、前回の7.0%から上昇した。2016年以降で最も高い水準となり、転職活動が積極的に行われていたことがわかる。男女別にみると、特に20~40代男性は、過去7年間で最も高い転職率となった。
転職活動を始めた理由を聞くと、「給与が低かった」(12.5%)が最も多く、「職場の人間関係が悪かった」(9.3%)、「仕事内容に不満があった」(6.6%)と続いた。「給与が低かった」は2021年から2.7pt増加しており、物価上昇により現状の給与への不満が高まったことが要因として考えられる。
入社を決めた理由を尋ねたところ、最も多い回答は「給与が良い」(15.4%)だった。次いで「休日や残業時間が適正範囲内で生活にゆとりができる」(9.8%)、「希望の勤務地である」(9.2%)となっている。2021年までは「勤務地」「休日・残業」などの勤務環境がより強い決め手となっていたが、それよりも「給与」が優先されている。
転職後の年収の変化について尋ねた。年収が上がった割合は全体のうち39.5%で、2019年以降増加した。性年代別では男性20代、30代が約半数の割合で上がっており、職種別では「クリエイター・エンジニア職」で増加した割合が高かった。
今後リスキリングが必要になりそうな職種について聞くと、「管理・事務」(25.1%)が最も多く、次いで「医療・福祉」(21.0%)、「営業」(18.7%)という順になった。
実際に「管理・事務」職種を経験または希望している人が、今後必要だと考えられる能力は「情報セキュリティ能力」(26.0%)で、「ビジネス課題設定・解説する能力」(24.5%)、「ビッグデータの分析・処理能力」(21.4%)となった。職種問わず、ビジネス課題を設定・解決する能力が必要となると考えている人が多いことがわかった。
自身の経験・希望職種で必要になると答えた能力で、実際にリスキリングをしたかを聞くと、73.0%が「ブロックチェーンを扱う能力」と答えた。その他の能力においても約半数がリスキリングを行ったと回答している。また、「今後行いたいと思っている」人も多く、経験がある人・今後行いたい人合わせて8割以上がリスキリングに前向きな姿勢を見せている。