PC用ゲームプラットフォームのSteamに、ゲームをクリアすると、実際に確定申告ができる美少女デートシミュレーターゲーム「Tax Heaven 3000」(タックスヘブン3000)が登場するも、早々に公開停止となってしまった。かなり興味深いゲームでネットでも話題になったのだが、ヒロインがプレイヤーの個人情報などを聞きだそうとすることが問題視された模様。
「Tax Heaven 3000」は、米国ニューヨーク州・ブルックリンを拠点とするアート集団・MSCHFの作品で、米国の2022年の個人所得税申告書を実際に作成できるビジュアルノベルデートシミュレーターゲーム。特別な人に出会い確定申告をするのが夢だというキャラクター・アイリスと一緒に、愛を探しながら控除項目を探すというもの。商品紹介ページでは、「Waifu(俺の嫁)とロマンスしながら、確定申告をしましょう」と説明されている。
扶養家族のいない独身者に適しているとし、勤労所得税額控除(Earned Income Tax Credit)や、機会税額控除(American Opportunity Credit)などの受給資格を確認できるという。また、マルチエンディングも用意されているのだとか。
MSCHFは、「TurboTaxのような企業の税務申告サービスは、(大規模なロビー活動によって)捕食的で寄生的なボトルネックとなっており、普通の人が通れないように税務申告プロセスを意図的に複雑にしています。彼らは私たちに毒を飲ませ、私たちが薬を買うように仕向けるのです!」と指摘している。
ただ本作は、ゲームを進行していく中で、アイリスと何度もデートを重ねてお互いを知る。ここでアイリスから、個人所得税申告書を作成するために必要なSSN(社会保障番号)や住所、収入の詳細などの個人情報を聞かれるのだ。それが原因かどうかは明言されていないが、Steamストアに商品ページが公開されてから、早々に公開停止となってしまったようだ。
ページが削除される前にMSCHFは、「Steamは本作をプラットフォームから削除する。TurboTaxが小切手を送ったのかもしれませんが、私たちは知りません」とコメントしている。
本作は現在、公式サイトやインディゲームを中心とした販売サイト「itch.io」を通して、4月4日から無料配信を予定している。無料版のほか、アイリスの抱き枕などが同梱されるコレクターズ・エディションも販売されるようだ。
ネット上では「これ、日本用作ってくれんかねえ。弥生とかe-TAXとかつまんないw」「国税庁はこういうの作れ」「おもろいなぁ、こういうゲームどんどん増えてほしいよなぁ」などの声が寄せられた。