小説投稿サイト「エブリスタ」で人気となり、コミカライズ化された作品を実写ドラマ化したParaviオリジナルドラマ『悪魔はそこに居る』。本作で、嫉妬や憎悪、狂気など、さまざまな感情をぶつけ合ういとこの詩と美園を演じたのが、吉谷彩子と石井杏奈だ。愛憎極まる2人の関係を演じ切った吉谷と石井が、作品に対する思いや、それぞれの印象を語り合った。
――さまざまな感情がうごめくカロリー消費が大きな作品ですが、対峙してみてどんな印象を持ちましたか?
吉谷:杏奈ちゃんはずっとニコニコしていて、現場で目が合うだけで笑っちゃうような朗らか方でした。劇中では、結構大変なシーンがあるのですが、本番ギリギリまで、共通の趣味の話をするなど、役柄の関係とは全く違う印象でした。私が演じた詩は受けの芝居が多かったので、杏奈ちゃんがしっかりと決めてくれていたので、とてもやりやすかったです。
石井:吉谷さんはとても優しくて明るくて、撮影中ずっとニコニコされていました。結構ハードなシーンが多く、時間もなかったのですが、ナチュラルハイになるタイミングが同じで(笑)。途中、美園が詩を傷つけてしまうシーンがあるのですが、吉谷さんがとても優しい方だったので、心が痛くなってしまって……。それぐらい優しくて素敵な方だったなと思いました。
吉谷:杏奈ちゃんは怒らなければいけないシーンが多かったのですが、確かに本番では素晴らしいのですが、テストのときとかは怒っていても目がウルっとしていることがあって「すごく優しい子なんだな」って思っていました。
――詩は思ったことを言えず内に秘めるようなキャラクター、美園は詩に対してかなり強く感情をぶつけるような役でしたが、それぞれ似ているなと思う部分と、違うなと感じたところは?
吉谷:杏奈ちゃんは、まったく違いますね。もう真逆。だからこそ美園という役を演じるのは相当大変だなと思いました。
石井:詩はすごく周りを見て、自分よりも人のことを考えるような女の子。そういった詩が出している波長やトーンは、吉谷さんにもあるかなと思っていました。自分が忙しくてもスタイリストさんやメイクさんなどスタッフさんへの心配りもされていて、すごいなと思っていました。
――難役だと思いますが、相手に助けられたなと思う部分は?
吉谷:かなりタイトなスケジュールで基本的に全部が本番だったんです。特に後半は感情がグッと出てくるシーンが多かったのですが、杏奈ちゃんが「ガッ」って来てくれたので、悲しさとか悔しさとかがスッと出すことができました。すごく助かりました。
石井:後半、美園が詩に執着することで、詩が離れていってしまうシーンがあったのですが、そのとき吉谷さんの声を聞いただけで、ものすごく感情的になれたんです。本当にこれまでの詩との思い出が走馬灯のように蘇ってきて、リアルなお芝居をすることができました。
吉谷:テストがほとんどなかったので、本番一発でのお芝居で、本当にリアルな表情がお互いに出せたのかなと思いました。2人のシーンはすごく生々しくなっていると思います。