2023年3月25日より、静岡市清水文化会館マリナート1階ギャラリーにて開催されている『生誕50周年記念 THE仮面ライダー展』で静岡スペシャルアンバサダーに就任した磯村勇斗(『仮面ライダーゴースト』の仮面ライダーネクロム/アラン役)が同日、オープニングセレモニーに登壇。故郷で催された仮面ライダーのビッグイベントを観覧した喜びや、50年もの長きにわたって人々を魅了してきたヒーロー・仮面ライダーへのあこがれ、そして自分を俳優としてたくましく育てあげた『仮面ライダーゴースト』という作品への強い思いを語った。

  • 左から仮面ライダー1号、磯村勇斗、仮面ライダーギーツ

『生誕50周年記念 THE仮面ライダー展』は、70年代に爆発的な「変身ヒーローブーム」を巻き起こし、国産テレビヒーロー史に残る大ヒット作となった『仮面ライダー』(1971~1973年)から、現在好評放送中の『仮面ライダーギーツ』(2022年~)まで、50年以上の長い歴史を持つ「仮面ライダー」シリーズ各作品からヒーロースーツや小道具、関連商品などを一か所に集め、人々が愛した仮面ライダーの普遍的な魅力を今一度かみしめてもらおうという大規模展示イベントのことである。これまで名古屋、福岡、札幌、東京で開催され、幅広い世代の仮面ライダーファンを楽しませており、このたび静岡会場が5度目となる。

静岡スペシャルアンバサダーに就任したのは、現在数々の映画・テレビドラマで活躍を続ける人気俳優・磯村勇斗。静岡県沼津市出身の磯村は『仮面ライダーゴースト』(2015~2016年)で仮面ライダーゴースト/天空寺タケル(演:西銘駿)、仮面ライダースペクター/深海マコト(演:山本涼介)の仲間・仮面ライダーネクロム/アランを演じ、子どもから大人まで幅広い視聴者からの人気を得た。

この日はあいにくの雨模様で、予定していた野外ステージでのイベントは中止。屋内(清水テルサ7F)に会場が移され、抽選に当たった幸運な仮面ライダーファン100名が見守る中、磯村が登壇した。

客席からの熱い視線を浴びつつ、磯村は「仮面ライダー50周年記念イベントのアンバサダーとして、地元・静岡を訪れることができたのは嬉しいです」と現在の心境を語り、瞳をキラキラと輝かせた。

セレモニー直前、一足早く『THE仮面ライダー展』会場をめぐってきたという磯村は「仮面ライダー1号からギーツまで、全ライダーがこの場に結集しているのが凄いです。平成シリーズはそれぞれの作品が独立したブースになっていて、詳しい人物相関図や撮影で使われたベルトや小道具などが近くで観られるのがいい」と、仮面ライダー各作品の名場面映像や相関図、作品解説、小道具&キャプションを駆使して1作品ごとの「仮面ライダーの思い出」を呼び覚ましてもらおうと企画された本展の核心をつくかのような感想を述べた。

磯村がアラン役で出演した『仮面ライダーゴースト』のブースについては「当時着ていたアランの私服も展示されていました。この場で話すのは恥ずかしいんですけど、Tシャツとかはよく汚れるので、何度も洗った末に“毛玉”が出来ていました。正真正銘、撮影で使用した本物だということがわかります。そんなところもリアリティだと思って、よく観察して楽しんでください」と、懐かしいアランの衣装と再会したときの思いを語った。また、本展静岡会場のネクロム&アランコーナーでは、磯村の直筆サインのほか、よく注意して探さないと見落としてしまうくらい小さな文字で、磯村によるミニコメントが記されているという。磯村は「当時の衣装や変身アイテム(メガウルオウダー)に関する“グチ”を書きましたので、ぜひ見つけてください」と、客席のファンたちに優しく呼びかけた。

磯村は「仮面ライダー」シリーズの現場について「新人俳優が基礎を全て学べる場所」と称し、自身がその後多彩なジャンルのテレビドラマや映画に出演するにあたり、基礎となる部分を教えてもらったことがとても大切だと語り「芝居、アクション、アフレコ、そしてこのようなイベントでしゃべるトーク術など、細かいところまで俳優にとって必要なものを身につけた大切な時間でした」と話して、『仮面ライダーゴースト』の撮影スタッフたちとの強い絆を感じさせた。また、撮影の苦労話を尋ねられると「フミ婆(演:大方斐紗子)がくれた緑のニットは水を吸うと重くなり、撮影中に重みで脱げてくるのが困ったところでした。そうするとセクシーになっちゃうので(笑)。脱げないようにはどうしたらいいか、工夫を重ねた」と、意外な衣装面での苦労を明かしていた。

『仮面ライダーゴースト』終了から7年が経とうとしている昨今、毎年ぞくぞく現れる「後輩」仮面ライダーの俳優が活躍していることについての思いを訊かれた磯村は「僕の後に仮面ライダーを演じた若手俳優と、ドラマの現場でご一緒するときがあるんです。そんなときは『君、ライダーやってたよね』みたいに話しかけたりして、ライダー仲間と共通の話題で盛り上がることができます。それが、ライダーをやっていてよかったと感じる瞬間です」と、共演する後輩俳優と「仮面ライダーつながり」で意気投合する場面があったことを話した。

ここで、本セレモニーのサプライズゲスト、仮面ライダー1号と仮面ライダーギーツがさっそうとかけつけた。登場前に2人の「変身」効果音がかかり、臨場感はMAXに高まっていた。

磯村をはさむ形で原点の1号、そして最新ライダーのギーツがそれぞれ得意のポーズを決めた。

2人のライダーを間近で観た磯村は興奮気味に「いや~、2人ともカッコいいですね! 昭和40年代に生まれた最初の仮面ライダーから、令和の世を生きる仮面ライダーを観ると、50年の間にヒーローのスタイルが “進化”してきたんだなと感じました。まったくフォルムの違う2人の仮面ライダーに、僕がはさまれている感覚がうれしいです」と、少年に戻ったかのようなワクワク感に満ちた笑顔をのぞかせた。

マスコミ向けフォトセッションが行われたあと、マイクを手にした磯村は『THE仮面ライダー展』について「仮面ライダーが大好きな人も、これから仮面ライダーを好きになってくれそうな人も、どんどんお誘い合わせて静岡に来ていただきたいです。みんなで仮面ライダー50年の進化を感じて、僕たちと一緒に盛り上げていければと思います」と、仮面ライダーが大好きなら満足できること間違いなしの本イベントを、まだ仮面ライダーのことを詳しく知らない人にも観てもらいたいと熱く語った。

開催初日のイベントとして、東京ドームシティプリズムホール「Wヒーロー夏祭り」で毎夏活躍している「ステージトークがやけにイケる芸達者ショッカー戦闘員」=「ちりがみ博士」が登場し、仮面ライダー1号、仮面ライダーギーツと一緒に『THE仮面ライダー展』入り口でグリーティングを行い、静岡会場にかけつけたファンとの交流を楽しんでいた。

ここからは、3月25日から催された『THE仮面ライダー展』静岡会場の注目ポイントを少しだけご披露しよう。各会場のエントランスゾーンと同じく、今回の静岡会場でもファンを出迎えるのは仮面ライダーの原点というべき「本郷ライダー」の勇姿である。今回はライダーの“後ろ”に回っての撮影もできるため、東京会場とはまた違った構図の写真を得ることができる。ライダーの愛車サイクロン号も、今回の展示にあたってくすみ・汚れを補正し、見栄えをよくする工夫がなされているという。

本展メインタイトルロゴをバックに雄々しく立っているのは、仮面ライダー新1号と映画『仮面ライダーTHE NEXT』の仮面ライダー1号、そして映画『仮面ライダー1号』の仮面ライダー1号。すぐ奥にある、仮面ライダー/本郷猛を演じた藤岡弘、の重厚な巻頭あいさつ動画はもう『THE仮面ライダー展』の「顔」として、多くの人たちに強烈なインパクトを与え続けている。

『THE仮面ライダー展』静岡会場では、今回初めて展示されることになった小道具類も存在するので、まったくあなどれない。写真は、『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』をはじめ、テレビシリーズにも登場した「仮面ライダーオーガ」の変身ベルトや武器、そしてそれに対抗するためのファイズの新アイテムなどが観られる。

『THE仮面ライダー展』でのマコトとアランの衣装展示は、静岡会場が初となる。ゴーストへの変身を強く意識したタケル(のマネキン)の「腕のポージング」にも注目!

仮面ライダーの大人気を受け、カルビーから発売されて大ヒットとなった「仮面ライダースナック」のおまけ「ライダーカード」をはじめとする昭和シリーズアイテムコーナー。写真をよく観ると、当時のライダースナックが入った「パッケージ」が2袋、新しく展示されている。新作映画『シン・仮面ライダー』の入場者特典になった「シン仮面ライダーカード」は、ここにある「仮面ライダーカード」の良質なパロディアイテムだといえる。

仮面ライダーの命を狙い、世界征服を企む秘密結社「ショッカー」のアジトをイメージしたフォトスポット。中央にある世界地図が描かれた「自動ドア」は開閉しない。

平成~令和仮面ライダーの展示は、それぞれの作品世界に合わせて背景セットを作り、個性を際立たせている。写真は喫茶店ナシタをイメージした『仮面ライダービルド』の展示。

現在好評上映中の映画『シン・仮面ライダー』立像。他にも『仮面ライダーアマゾンズ』『仮面ライダーTHE NEXT』『仮面ライダーBLACK SUN』といった異色の仮面ライダーシリーズや、『真・仮面ライダー 序章』(ビデオオリジナル作品)『仮面ライダーZO』(1993年東映スーパーヒーローフェア)『仮面ライダーJ』(1994年東映スーパーヒーローフェア)といった単発作品で活躍したライダーも展示されている。ぜひ、貴方と共に生きた仮面ライダーの勇姿を確かめるため、静岡会場へ足を運んでもらいたい。

『生誕50周年記念 THE仮面ライダー展』静岡会場(静岡市清水文化会館マリアート1階)は2023年3月25日から5月7日まで開催。次回は大阪・ひらかたパークイベントホールでの開催(7月15日~9月3日)が予定されている。

(C)石森プロ・東映