「ルルド」ブランドのマッサージクッションなどで知られるアテックスが、2023年春夏新製品発表会を3月23日に開催。最近同社が力を入れているフェムテック関連の新製品など、発売に先駆けお披露目された3つの新アイテムを体験してきました。

“座るだけ”で便秘をやわらげるクッション

  • 4月14日Makuakeで先行発売の「アテックスルルド フェムオンテック 暖クッション(AX-HK114)」(19,800円)

「アテックスルルド フェムオンテック 暖クッション」は、座るだけで慢性便秘をやわらげるシートクッション。1日のうち多くの時間を占めている座位行動に着目し、マット型の電位治療器をクッション型にすることで、デスクワークやリラックスタイムなど、座りながら慢性便秘の対策を行えるようにしたとのことです。Makuakeでの先行販売を4月14日から開始し、一般発売は夏頃を予定しています。

「電位治療」とは、マイナス電位を発生させてその中に身体を置くことで、頭痛や肩こり、不眠症、慢性便秘の緩解の効果効能が期待できるもので、厚生労働省からも医療機器として認可されています。アテックスではこれまでにも家庭用電位治療器を手がけ、累計販売台数40万台を販売しており、新しいスタイルの電位治療器としてクッション型の新製品を開発しました。

  • フェムオンテック 暖クッション開発担当のアテックス 佐藤奈津貴氏

  • -360Vの電圧を発生させる電位シートを内蔵

本体サイズは幅460×奥行370×高さ80mm、重量約800gで、椅子やソファに通常のシートクッションとして設置できます。素材は高反発ウレタンを採用。前後に軽く傾斜のある立体成型のため、座ると前傾姿勢になり、自然と背筋が伸びて正しい姿勢をサポートしてくれます。

座ったときのフィット感もよく、適度なサポート力と体重の分散力もあり、座り心地も快適です。

  • 高反発ウレタンを採用したシートクッション。肌ざわりがよく、程よいフィット感が心地いい

  • わずかに前に傾いた形状。姿勢を正しく保つための立体成型が施されている

ヒーター機能も備えており、冬場はもちろんのこと、夏場もクーラーが効いたオフィスなどで身体の冷えを防ぐのに最適。ヒーターの温度を強(約45℃)・弱(約41℃)の2段階で選べるのもうれしい仕様です。

消費電力は、11.5W(ヒーター10.5W)。電位治療は約6時間、ヒーターは約1時間のタイマーオフ機能も備えており、消し忘れを防いでくれるのも安心です。

ハンドマッサージャーに手のサイズ調整機能を新搭載

2017年から展開しているハンドケアマッサージ器を展開しているアテックス。2022年8月時点でシリーズ累計販売台数が70万台を突破している人気の製品。

4月15日発売の「アテックストール ハンドケア リュクス」は、2020年にフラッグシップモデルとして発売された「ハンドケアリュクス(AX-HPT214)」の新モデル。

  • 4月15日発売の「アテックストール ハンドケア リュクス(AX-HP314)」(19,800円)

  • ハンドケア リュクス開発担当のアテックス 伊藤洋祐氏

ユーザーからの声を反映し、手のサイズに合わせたもみ玉の高さの調整機能を追加。従来の3段階のエア強度の調整に加えて、もみの強さを2段階で設定できるようにも進化しています。

「手が大きい人はマッサージが強く感じ、逆に手が小さい人は弱く感じてしまうのではないか」というユーザーの声が開発のきっかけとなり、製品の中に手を入れて余った空間の高さを内部のエアバッグで調整できるように改良されています。

全身用のマッサージ器でも高機能なものは体型に合わせて調整する機能が搭載されていますが、確かに手のサイズも人によって異なります。実際に試してみたところ、従来よりもフィット感があり、心地よさがアップしていると感じました。

  • 手の大きさや厚さは男女で大きく異なるため、新モデルは幅広いユーザーに心地よく使えるように改良した

  • 手を入れたとき手のひらに当たる、下部のもみ玉をエアバッグで上下させることで高さを調整。もみの強さも変えられるようになった

コースは全体・指集中の2通り。もみの強さを強弱2段階、エアの強さを3段階、ヒーターの温度を3段階(約37℃、40℃、45℃)から選ぶことができ、全部で48通りのハンドマッサージが可能です。従来は手のひらの中心部に備わっていたヒーターは指の付け根付近に帯状になり、速暖性が6倍にアップしているとのこと。

  • マッサージコースは「全体」と「指先集中」の2種類

  • ヒーターの位置と形状が変わり、速暖性が6倍にアップ

  • コース、もみの強さ、エアの強さ、ヒーターの組み合わせで、48通りのマッサージが可能に

消費電力は24W(ヒーター6.5W)で、約10分後に自動でオフになるタイマー機能も備えています。

本体サイズは幅170×奥行220×高さ135mm、 重量約1.3kg。従来からのダークグレーに加えて新色のベージュもラインナップ。机や家具などのインテリアにもなじみやすい木目を取り入れた新デザインを採用しており、インテリアに合わせて選びやすくなったと思います。

  • 新色のベージュ(左)は、木目調を採り入れたナチュラルなデザイン。既存色のダークグレー(右)とあわせ2色展開に

歩行力をサポートする「寝るだけ」エクササイズ器具

足を載せてゆらゆら運動をすることで「歩く力」をサポートできる健康器具。いわゆる“金魚運動”とも呼ばれている運動器具ですが、これまでマッサージクッションをはじめ、さまざまな健康器具を数多く手掛けてきたアテックスが、加齢に伴い低下しがちな歩行力をサポートする器具として開発した製品です。

  • 4月20日発売の「アテックスルルド ゆらゆら健康器(AX-FY919)」(29,800円)

  • ゆらゆら健康器開発担当のアテックス 王愛君氏

アテックスの王氏によると、人は歩くために前後に足を動かす動作には慣れているものの、左右方向に動かす動作には不慣れとのこと。ゆらゆら健康器に足を載せることで円弧を描きながら左右・上下に方向へ足を揺らし、日ごろ伸ばしていない筋肉にアプローチして伸縮させることで、寝そべった状態でもラクに歩行力を維持するのをサポートしてくれます。

付属の回転ボードをお尻の下に敷いて一緒に使うことでお尻と床の摩擦をなくし、回転によって上半身へ揺れを増幅させて伝えることができるのも特徴です。

  • 付属の回転ボードを組み合わせて使うことで揺れの効果を上半身に増幅して伝え、より効果を高められる

スイング速度は、1分間あたり約100回・約115回・約125回・約140回・約160回の5段階で調節可能。付属のリモコンで寝たまま操作できます。

実際に試してみたところ、寝たままの状態ということもあり、最速のレベル5でもハードに感じることはありませんでした。テレビ視聴などのついでに“ながら”運動もできそうなほどラクなので継続しやすそう。自覚している以上に全身が揺さぶられているせいか、使用後にはほどよい疲労感がありました。

日ごろ行っていない運動のせいか、翌朝には軽い筋肉痛も感じられ、毎日続けることで運動不足の解消と足腰の筋力強化につながりそうです。

ちなみに、アテックスが20~60代の男女20人に行った使用前後の検証試験では、歩行速度・歩幅・歩数の各項目で有意性がある効果が示されたとのこと。また、下肢の水分量が認められ、下肢の水分が上半身に移動したことにより、ふくらはぎ周径囲が約6mmダウンしたほか、前屈の柔軟性や側屈の可動域の改善が見られたそうです。

  • 検証結果のデータ。歩行速度、歩幅、歩数いずれの項目も数値がアップして、効果が示されたという

  • 使用前後での足腰の柔軟性の比較

  • 使用前後で下肢の水分量も減少。下肢の水分が上半身に移動したことにより、ふくらはぎも細くなったとのこと

本体サイズは幅345×奥行330×高さ270mm、重量約4.5kg。回転ボードのサイズは直径300×高さ45mm。カバーは取り外して洗うことができ、本体の背面には移動用のハンドルを装備。消費電力は25Wで、約20分で自動でオフになるタイマー機能も備えます。

社名とブランドを統合して再編成

なお、今回の発表会では、ブランドリニューアルについての説明も行われました。

  • ブランドに関する発表を行った、アテックスの西森靖記氏

1992年創業のアテックスは、これまで「ルルド」を中心に、エクササイズの「ルルドスタイル」、美容の「ルルドボーテ」、モノトーンデザインの「モノルルド」など6つのブランドを展開をしてきました。

2023年3月発売の製品以降はこれらを統合。カジュアルで普段使いできる健康・美容ブランド「アテックス ルルド」、インテリア性と高機能を両立するハイブランド「アテックス トール」、ベッドから入眠機器までカバーする快眠分野は「アテックスベッド」といった3つのブランドに変更し、順次、新ブランドで展開していきます。

  • 新ブランド体制

社名である「アテックス」と製品コンセプトをより明確に打ち出し、ブランドの迅速な浸透とブランド価値の向上を図ることが狙い。ブランドを整理したことでポイントが絞られ、消費者にとっては選びやすくなると思いました。

ちなみに、筆者が今回発表された製品の中で一番気になったのはフェムオンテック 暖クッション。姿勢をサポートするクッションとして普通に快適で、電位治療機能のみならずヒーター機能も搭載するなど、女性特有の悩みに応えるためによく考えられた製品だと思います。便秘解消効果は長期利用が前提のため、継続的に試して効果を検証してみたいところ。発売が待ち遠しいです。