KDDIとアイサンテクノロジーは3月21日、自動運転車からドローンを離着させるラストワンマイルの物流実証に成功した。
人口減少に伴って労働力不足が深刻化する将来を見据え、複合的な輸送手段を用いて、陸路のみでの輸送が困難な場所でも無人配送サービスを実現するための取り組み。今回の実証は長野県塩尻市の中山間地域で行われ、ドローンを積んだトレーラーを配送先付近まで自動運転車で牽引し、最後はドローンを発進させて空路で荷物を届けるという内容。KDDIスマートドローン、KDDI総合研究所、ティアフォーの3社も協力した。
配送の効率化のためにあり得る「ドローン離陸後に別行動で自動運転車が移動する」「行きとは違う自動運転車にドローンを帰還させる」といったケースを想定し、自動運転車とドローンを協調制御できる統合管理プラットフォームを構築した点が特徴。
また、車上の限られたスペースで着陸できるよう、ドローンの目視外飛行と着陸指示にはKDDIが提供するPPP-RTK方式の高精度位置測位サービスを活用し、cm単位で自機位置を把握できる仕様とした。
必ずしも携帯電話網の圏内とは限らない中山間地域での飛行となるため、ドローンにはセルラー通信と衛星通信の両方を利用できる通信モジュールを搭載。飛行中にネットワークが切り替わってもプラットフォームとの接続性を保ったまま自動飛行を続けられることも確認された。