3月23日は、世界気象機関(WMO)が定めた“世界気象デー”。これに合わせ、NTTドコモでは3月22日から3月29日まで、両国の温浴施設「両国湯屋 江戸遊」にてサウナ体験『海とつながるサウナ PRODUCED BY DOCOMO』を開催中です。関係者は「サウナに入りながら、サンゴやペンギンなど全6種類の海の生き物が感じる”暑さ”を体感してもらい、環境問題に思いをはせていただけたら」としています。
ドコモの「カーボンニュートラル宣言」
NTTドコモでは、自社の事業活動における温室効果ガスの排出量を2030年までに実質ゼロにする「カーボンニュートラル宣言」を発表しています。今回のサウナ体験は、そんな取り組みの一環として実施されるもの。地球温暖化により海水温が上昇したことで、イタチザメ、エンペラーペンギン、真珠貝、サンゴ、ウミガメ、ホッキョクグマはどれほどの暑さを感じているのでしょう?人間の体温レベルに直して疑似体験してもらいましょう……というのがイベントの趣旨です。期間中、両国湯屋 江戸遊には「海とつながるサウナ」のポップアップが掲出されます。
4階の女湯には、ミストサウナに真珠貝の説明が用意されました。美しい真珠をつくるアコヤガイですが、温暖化によって成長が妨げられたり、大量死が起こっています、でもどんなに暑くてもアコヤガイはこのサウナのように自由に出入りすることはできません――。かわいいイラストの横に、そんなドキッとするメッセージが書かれています。
同じく4階の女湯にあるフィンランドサウナは「サンゴとつながるサウナ」となりました。海水温が2~3度上がるだけで、サンゴにとっては“サウナ状態”になるんだそう。そんな説明が分かりやすくまとめられた映像を、高温のサウナに入りながら視聴することができます。
同様に2階の男湯には、中温サウナにイタチザメ、フィンランドサウナにエンペラーペンギンの説明を用意。そして5階では「ウミガメとつながる岩盤浴」「ホッキョクグマとつながる岩盤浴」に入ることができます。
仕掛け人のひとり、NTTドコモ ブランドコミュニケーション部の川中嶋勇雅氏は、今回の企画がスタートした経緯について「地球温暖化の問題についてはこれまでも様々な議論がされてきましたが、人間にとっては、なかなか“身近な問題”として実体験できませんでした。そこで海の生き物の立場で考えられないか、というアイデアにつながったんです」と振り返ります。これに、監修者として携わった筑波大学生命環境系の西田梢氏も「一般の方に比較的カジュアルなやりかたで環境問題について実体験してもらえる企画です。来館されたかたの反応に期待しています」と評価。
西田氏によれば、地球の表面積の約7割を占める海が熱を吸収することで、地球温暖化の進行を遅らせてはいるものの、その影響で直近100年で海水温が1度も上昇してしまった、とのこと。そして「2022年には石垣島の周辺において水温が30度を超える日が1か月以上続き(平年なら28度前後)、サンゴ礁の大規模な白化現象が起きました」といった日本の周辺で起きている事例も紹介しました。
川中嶋氏は「サウナ体験『海とつながるサウナ』は、SDGsの17の持続可能な開発目標の1つである、【目標14. 海の豊かさを守ろう】にもつながります。サウナに入っている間、たとえば『サンゴが感じている暑さって、こんな感じなんだ』という風に、海の生き物にも思いをはせてもらえたら。地球温暖化について考える、小さなきっかけにしてもらえたら嬉しいです」と話していました。