韓国最大手のセルフ写真館コンセプトのプリント写真(韓国プリ)ブランド「Photoism」が、日本で第1号直営店を渋谷センター街にグランドオープンした。
2022年10月14日から16日の3日間、東京有明アリーナで開催されたK-POPイベントKCON 2022 JAPANでは、3日間で約6,400人がPhotoismのセルプリ撮影を体験し、期間中は行列が出来たほど。また、10月に渋谷モディにオープンしたポップアップストアでもセルプリの市場性を検証している。
90年代に世界で大ヒットした日本のプリクラは、この数十年間独自の進化を重ね、今の形となっている。美白効果と顔補正、落書き機能が非常に強めとなっており、本人確認もできないケースもある状態までに進化してきた。
一方、韓国の若者の間では、そうし既存のプリクラ疲れからの客離れが進み、プリント写真はオワコンとして扱われていた。韓国では友達、家族同士で写真館でのスタジオ撮影を楽しむ習慣があるが、それをフォトブースにし、簡素化にしたサービスがZ世代を中心大人気だ。加工や修正ではなく、元々被写体が持っていた魅力を高画質で表現することにフォーカスし、「盛らないプリント写真」、「セルフ写真館コンセプトのプリント写真」(#セルプリ)、「4カット写真」といった名で新しい若者の遊び文化として注目を集めながら20年ぶりにプリント写真ブームを巻き起こしている。
こういったセルプリが韓国国内で大流行する中で、最大手になったのがPhotoismというサービス。設立から約3年間で380店舗を超える店舗ネットワークを構築し、韓国ではセルプリ以外にもセルフ写真館、AI画像分析、飲食店、アパレル事業など、様々な領域でZ世代の感性を活かしたビジネスを展開している。
渋谷モディのポップアップストアでは、Photoismオリジナルフォトフレームで超高画質のプリント写真を撮影できるようにし、K-POPアーティストや日本のアーティストとツーショット写真が撮影できるアーティストフレームも展開。
ポップアップストアをオープンして3日後には、このコラボ企画の噂がSNS上に広がり、平日にも関わらず、渋谷モディのオープン前から約500人が並び、1日分の撮影枠が販売開始60秒前後で完売することが続いたという。
そうした既存のプリント写真とは異なるPhotoism の最小限の加工やカラフルな色合い、オリジナルフレームは、新しい「文化」としてSNS上で人気を徐々に集めだしている。
「被写体のより自然な瞬間を写真へ収めるPhotoismのサービスが、日本お客様にとって平凡な日常の瞬間を特別なひとこまに変えられる意味として受け入れられたらと思います。そうなると、韓国での成功事例を日本で再現することも十分可能でしょう。」とキム・ミンソク代表はコメントしている。
今回、内装や設計から施工までも韓国本社が直接手がけた渋谷センター街店は、Photoismのアイデンティティーを象徴的に示すフラッグシップストアに。4月中旬には、原宿竹下通りに直営2号店のオープンを控え、年内に日本全国30ヵ所の直営店のオープンを計画している。