スマートフォンのカメラ性能のベンチマークを測定する「DXOmark」が世界一位のカメラと認めたスマートフォン、HONORの「Magic5 Pro」が海外で発表されました。HONORは元々ファーウェイのサブブランドでしたが、現在は独立したメーカーとして海外展開を進めています。いったいどんな製品なのか、発表会が行われたスペイン・バルセロナのMWC 2023の会場で実機を触ってみました。
HONOR Magic5 Proの発表会は2022年2月27日、スペイン・バルセロナで開催されたMWC 2023の会期中に行われました。新興メーカーながらも最高のカメラ性能を誇る製品を作り上げたとあって、CEOのGeorge Zhao氏は自身ありげに新製品を披露しました。HONORは新興メーカーですが発表会会場は立ち席も出るほど盛況で、世界中のメディアが新製品に注目していました。
Magic5 Proはチップセットに現時点で最高性能を誇るクアルコムのSnapdragon 8 Gen 2を搭載。ディスプレイは6.81インチの2,848×1,312ピクセルで、1,200万画素のフロントカメラは深度測定機能を搭載しています。バッテリーは5,100mAhですが、中国向けモデルは新素材となるシリコンカーボンバッテリーを採用し、同じサイズながら5,450mAhと容量が大きくなっています。急速充電は66Wで、ワイヤレス充電も50Wと高速。USBケーブルあり、なしどちらでもあっという間に充電してくれます。
Magic5 ProのDXOMarkのスコアは152。2位のファーウェイ「Mate 50 Pro」が148、3位のGoogle「Pixel 7 Pro」は147です。なおPixel 7 Proと同スコアの4位はHONORの昨年のモデル「Magic4 Ultimate」。HONORのスマートフォンのカメラ性能はすでに業界で高い評価を受けているのです。
3つのメインカメラはすべて5,000万画素。広角、超広角、3.5倍望遠の3つとも高画質となっており、ワイドから望遠までどの画角でも美しい写真を撮影できます。
カメラ部分は背面より出っ張っていますが、なめらかな曲線でデザインされており美しい見た目に仕上げられています。この曲線はバルセロナのサグラダ・ファミリアを手掛けたことで有名なアントニ・ガウディにインスパイアされ、「ガウディーカーブ」と名付けられています。
MWC 2023のHONORのブースに展示してあったMagic5 Proを少しだけ触ってみましたが、どの倍率で写しても細かい部分の描写はしっかりしており、屋外でじっくりと撮影テストをしてみたいと感じました。カメラのテストはフロントカメラを使ったセルフィーを含め、またの機会にぜひ試してみたいと思います。
発表会の直後に暗い会場を撮影してみましたが、全体的に不自然なく明るい補正がされ、またライトの光の部分もにじみやつぶれが目立たず、暗いシーンでも誰もが失敗なく写真が撮影できるのではないでしょうか。
デジタルでは100倍までに対応。実用性を考えると30倍程度まででしょうが、100倍で撮った月面写真の作例等を見ると、シーンによっては十分使える絵が撮れそうです。
本体サイズ/質量は162.9×76.7×8.8mm/219g。滑り止め効果もあるマットな背面仕上げと相まって持ちやすく、またシックな色合いは「大人のスマホ」といったイメージもあります。カメラ性能が高いのはもちろんですが、スマートフォンとして一通り使ってみたところ、動作にストレスを感じることはありませんでした。
HONORのスマートフォンが日本で発売される予定はしばらく無いでしょう。しかし高性能なカメラスマートフォンを作るだけの実力をHONORは持っており、いずれAppleやサムスンを脅かす存在になるかもしれません。今後もHONORの新製品が出てきたら紹介していきたいと思っています。