5大ファッション・ウィークの1つ、「Rakuten Fashion Week TOKYO」の最終日にあたる3月18日、ドコモがファッションレーベル「RequaL≡(リコール)」とコラボしたファッションショー「TOKYO ARUKI SMARTPHONE COLLECTION(東京歩きスマホコレクション)」を開催しました。

歩きスマホ防止の啓発を図ったこのコレクション、はたしてどんなファッションが登場したのでしょうか。

  • フィナーレ

    ドコモとリコールがコラボした「東京歩きスマホコレクション」のフィナーレ

  • 雨の会場

    渋谷ストリーム前の屋外の稲荷橋広場で開催。当日はあいにくの雨天でした

ドコモ×リコールのコラボで生まれた「東京歩きスマホコレクション」

近年、歩きスマホは社会問題となり、人や物にぶつかったり、段差に気付かず転倒したりと、毎年、救急搬送される人が後を絶ちません。中には歩きスマホが原因による死亡事故も発生。

そんな歩きスマホ問題に対して、各ケータイキャリアでは様々な対策を実施。ドコモでもホームページや広告、ケータイ安全教室などによる啓発活動を継続的に行ってきました。今回の「東京歩きスマホコレクション」もその一環で、「歩きスマホ防止」を啓発することが目的。ドコモがファッションショーを企画・実施するのは初めての取り組みとなります。

  • デザイナー土井哲也氏、NTTドコモ吉岡稜平氏

    囲み取材で今回のイベントについて語るリコールのデザイナーである土居哲也氏(右)と、NTTドコモの広報担当 吉岡稜平氏(左奥)

「歩きスマホ問題について若い人を含めて啓発したいと思った時に、ファッションという新たな切り口にチャレンジしてみようと思いました。そこでファッションを通じて社会課題にアプローチしているリコールの土居哲也さんにお声がけしました」と、ドコモ 広報の吉岡稜平氏。

これに対してリコールのデザイナーである土居哲也氏は、「奇抜なファッションを見ると、歩きスマホをしていても、立ち止まって目をとめるのではないかというストーリーから、いかに注意喚起をルックで作っていけるかを考えました。歩きスマホについて考え直すという作業をみなさんひとりひとりが行えば、歩きスマホは解決に向かっていくと思います」と語りました。

リコールのブランドコンセプトは、「Re:時の単位:equal=常に=等しく(≡)」という意味で、人間像や社会性を取り入れた、構築的なフォルムとダイナミックなデザインが特徴。今回の「東京歩きスマホコレクション」でも、インパクトのあるコレクションが展開されました。

歩きスマホをイメージしたルックが自分とスマホの関係性について考えるきっかけに

ファッションショーの会場は、渋谷駅に直結する渋谷ストリーム前の稲荷橋広場。「歩きスマホをテーマにコレクションを展開するに当たって、まず室内じゃない、屋外がいいと思ってました。この屋外イベントスペースはまさに渋谷のエキサイティングなイメージで、歩きスマホをする環境にもマッチしたので選びました」と土居氏。

「今シーズンに関してはオートクチュールと日常着というものを特に意識した」というコレクションは、トラディショナルなジャケットをカジュアルダウンしたラインを展開。ビッグなネクタイ風マフラー、個性的なフォルムのハット、ボタンを模したバッグなど、小物についても目をとめるデザインが多く登場しました。

  • 大きなマフラーのスタイリング
  • 個性的なハット
  • スマホショルダーとボタン風のバッグをダメージニットに合わせて
  • ネクタイ生地に中綿を詰めた大きなマフラー、ハットの個性的なフォルムに目がとまります。ダメージニットのスタイリングでは、ボタンを模したバッグとスマホショルダーがワンポイント

  • ハットとスマホショルダーの赤が目を引く
  • スマホショルダーとブランケット風デザインの組み合わせ
  • ダメージパーカーのグレイ、ハットとスマホショルダーの赤のコントラストが目を引きます。ブランケット風のファッションにもスマホショルダーを合わせています

中でも数人のモデルが下げていたスマホショルダーが印象的。「それは、歩きスマホを見つめ直すきっかけとなる。」というコレクションのテーマを思わせるアイテムとなりました。

そしてコレクションのラストには、歩きスマホの人物像を想起させる4つのルックが登場。街ゆく人たちを映し出した、実際にスマホを見ながら歩くモデルの間を絶妙にすり抜けながらランウェイするという演出が繰り広げられました。

  • 街中を歩きスマホのモデルが歩き回るという演出

    街ゆく人たちを映し出した“歩きスマホモデル”がランウェイを歩き回る演出

「SNSに夢中になっていたり、仕事のメールや電話をしていたり、地図を見ながらうろうろしたりといった、歩きスマホをする人物像をファッションにうつしこみ、ランウェイ全体で歩きスマホ問題を想起できないかという相談を土居さんにしました。今回の取り組みを通してみなさんに歩きスマホ防止が広がれば、啓発活動のチャレンジングな取り組みになると思います」と吉岡氏。

歩きスマホの人物像を想起させる4つのルックについては、次のような意味があるそうです。

TSUNAGARI LOOK

  • TSUNAGARI LOOK

    まさに「いいね」の形のTSUNAGARI LOOK

人と直接会うことが減り、よりいっそう画面上でのつながりを重視する現代人を表したルック。目の前の歩行者より、スマホ上でつながりのある相手の反応に気を取られている様子を、「いいね」に埋もれてしまった姿で表現。

CONTENTS LOOK

  • CONTENTS LOOK

    アプリアイコンを思わせるCONTENTS LOOK

世の中の流れに取り残されまいと、つい歩きながら情報を追ってしまう現代人を表したルック。次々にアプリを開いてしまい意識が奪われている状態を、様々なアプリアイコンを模したデザインで表現。

BUSYNESS LOOK

  • BUSYNESS LOOK

    マルチタスクをイメージしたBUSYNESS LOOK

  • BUSYNESS LOOK 後ろ姿

    後ろ姿もインパクト抜群

忙しさから、周りの人への配慮を失ってしまった現代人を表したルック。何かと効率が求められる、いわば「マルチタスク社会」に生きる人々の姿を、たくさんの手が生えたデザインで表現。

MAIGO LOOK

  • MAIGO LOOK

    地図に翻弄されるMAIGO LOOK

道に迷わないようにと、周りの人そっちのけでスマホの中の現在地しか見ていない現代人を表したルック。マップのピンや停止ボタンをモチーフに、自分を中心とした行動をとってしまう姿を表現。


今回の「東京歩きスマホコレクション」には、人気バンドAwesome City ClubのPORIN氏も登場。「若者に影響力のある人をキャスティングして、認知度を上げていきたいと思い、今回、PORINちゃんに来てもらいました」と、土居氏はモデルのキャスティングについても考慮したことを話しました。

  • PORIN

    Awesome City ClubのPORIN氏もランウェイに登場

ドコモは「東京歩きスマホコレクション」の特設サイトも用意し、今回のコレクションの動画を配信すると共に、歩きスマホの意外な真実についても伝えています。このサイトやファッションを見ることで、歩きスマホについて考えるきっかけになるのではないでしょうか。