絵本作家が小学4年生のときに描いた大量の「架空の鉄道駅舎」がTwitterで話題を呼んでいます。子どもの想像力と集中力に驚かされる!

  • 膨大な量の架空の鉄道駅舎が…(kota_drawより)

  • 時刻表。とんでもない詳細さ(kota_drawより)

絵本作家のこたさん(@kota_draw)が「狂気的なものが出てきました……」とのコメントと共に投稿した、架空の鉄道駅舎のイラスト。画像を見ると、「新箱船空港線・美汐本線」や「豊美本線」などありそうでないリアルな設定が詳細に書かれています。

「剣岩(つるぎいわ)駅」の駅舎の前には大きな剣の像があったり、「甘桃(かんとう)駅」の前には桃のオブジェが設置されていたりとユニークなものもありますし、「師走代(しわすよ)駅」や「子松(ねまつ)駅」なんかはリアルに実在しそうなデザインだったりしてバリエーションもかなりのもの。これを小4がすべて描いたとは、すごすぎる……。

  • (kota_drawより)

  • 駅スタンプ(kota_drawより)

投稿には、「ロマンの塊ですね!」「こんな夢中になれること欲しい」「小学4年生で!?」など、多くのコメントが寄せられています。編集部では、こたさんを取材しました。

絵描き教室に通った経験はなく…

ーー小学4年生とは思えないほどのクオリティーですが、こちらを書こうと思ったきっかけを教えてください。

もともと幼少期のころから鉄道が好きで、その延長線にこの作品があります。きっかけは、小学3年生のときに社会科の授業が始まったことです。鉄道好きの自分は中でも地理分野にハマってしまい、学校で配られた地図帳を眺めているうちに自分が考えた空想上の地図を描き始めるようになりました。その空想地図がどんどん発展していき、空想路線図、空想時刻表、そして空想駅舎に至りました。

ーーお気に入りの駅舎を教えてください。

甘桃駅や芽生駅といった、駅舎にちょっとしたユーモアを取り入れている駅です。クスッと笑ってしまいました。

ーー画力や創造力が素晴らしいという声もたくさん寄せられています!

絵描き教室に通った経験はなく、小学生時代の習い事は水泳とバドミントンだけでした。むしろ趣味の絵は教えられながら描くのが嫌だったので、自分でひたすら描いていました。師匠はいないのですが、祖父が画家だったことは大きく影響していると思います。直接絵を教わったことはないのですが、祖父は自分に絵はがきを描いて送ってくれたり、画集を見せてくれたりしました。

ーー今も絵本作家として魅力的な作品を描かれています。「好き」を続けてこられた理由を教えてください。

家族のおかげだとハッキリ言えます。自分の家族は自分が絵を描くことを一度も止めようとしなかったし、絵に対して口出しもしませんでした。今思うと毎日家であんなに細かい絵ばかり一人で描いていたら少し心配になるはずですが……。美大へ行きたいと言ったときも全力で応援してくれました。また、絵本作家になった今も活動を応援してくれています。

ーー素敵なご家族ですね。投稿に大きな反響がございますが、率直な感想をお聞かせください。

予想以上の反響で本当にビックリしています。まずビックリしたのは「私も昔同じようなことしてた!」という声がたくさんあったことです。ただ、駅舎や駅スタンプまで作っていた人は一人もいなかったので、当時の自分の徹底ぶりにはわれながら脱帽しました。あんまり自分のことを褒めるのもしたくないのですが、過去の自分を別人として見ると素直に尊敬できる部分があります。


こんなに夢中になれることがあるって本当に素敵なことですよね。こたさんは、3月21日から初の個展『こた展 〜現役美大生絵本作家が描く空想の世界〜』を開催。気になった人はぜひ足を運んでみてください。