JR東日本千葉支社は18日、京葉線新習志野~海浜幕張間の新駅、幕張豊砂駅が開業したことを記念し、幕張豊砂駅開業式典を執り行った。
開業式典は幕張豊砂駅の駅舎横にて行われた。天候はあいにくの雨模様だったが、式典の始まる前から多くの人が集まり、待機していた。開式を待っている間に、臨時特急「水戸偕楽園蘇我」として運行していたE653系(国鉄色)も幕張豊砂駅を通過していき、その車内にも、駅のにぎわいに目を向ける乗客の姿がうかがえた。
開式にあたり、主催者を代表してJR東日本代表取締役社長の深澤祐二氏が挨拶した。事業の最初から参加していたこともあり、この日、東京駅から京葉線でここまで来たことに「感無量でございました」と深澤社長。幕張豊砂駅の概要や、近隣の施設へのアクセスについて説明した。
「JRE MALL」にて千葉市が出展していた、開業前に行われたアルファベットの取付け体験、駅探訪ツアー、そして3月18日から期間限定で行われる「幕張豊砂駅開業まつり」にも触れた上で、「この町がさらに発展することを祈念いたします」と深澤社長は語った。
続いて千葉県知事の熊谷俊人氏、千葉市長の神谷俊一氏、イオン取締役・代表執行役社長の吉田昭夫氏が順に登壇した。千葉県の熊谷知事は、開業前の幕張豊砂駅を内覧した際の印象を「開放的で、やさしい風合いの駅舎」と評価した。
幕張新都心は、千葉県が国際交流拠点として整備を進めてきたが、イオンモール幕張新都心の開業(2013年)でさらに来場者が増えたという。熊谷知事は、「今回の新駅の開業によって、一層幕張新都心を訪れ、過ごす方が増えることを千葉県としても期待しております」と述べた。
千葉市の神谷市長は、開業に合わせて行った駅前広場の整備、コロナ禍からのにぎわいの回復、さらに「幕張豊砂駅開業まつり」にも触れた上で、「まずは多くの皆様に幕張豊砂駅を訪れていただきたい。これを契機として、人中心のやさしいまちづくり、多くの皆様が歩いて楽しめる幕張豊砂駅周辺のまちづくりに取り組んでいきたい」と語った。
イオンの吉田社長からは、幕張豊砂駅の開業によって新たなまちづくりがスタートし、そこに関われることに対する期待の声が上がった。とくに今回の幕張豊砂駅開業で、海浜幕張駅から幕張メッセ、ZOZOマリンスタジアム、イオンモール幕張新都心を経て幕張豊砂駅までの経路がつながる。それを踏まえ、吉田社長は「各施設業者様と連携を深めて、地域の魅力をより高めていかなければならないと決意したところです」と表明した。
参列者の挨拶が終わった後、テープカットに。司会の「どうぞ!」の合図で、深澤社長、熊谷知事ら参列者がテープにハサミを入れると、会場から拍手が上がった。
開業式典はこれで終了となったが、イオン環境財団による桜の植樹セレモニーもあわせて開催。熊谷知事、神谷市長ら関係者が、スコップで桜の木に土をかぶせることで植樹が行われた。今回植えられた品種は、神代曙桜、寒緋桜、河津桜、十月桜の4種類。吉田社長によれば、桜の開花を機に、幕張豊砂駅の開業を思い出してもらい、街とともに成長する桜の下に人々の集まれる場所を作るという目的があるとのこと。
幕張豊砂駅開業式典と植樹セレモニーが終了した後、駅前とイオンモール幕張新都心の各モールで「幕張豊砂駅開業まつり」が開催された。このイベントは千葉県、千葉市、イオンモール、JR東日本千葉支社、千葉ステーションビル(駅ビル「ペリエ」を運営)が共同で開催。幕張豊砂駅にて千葉県内事業者によるマルシェ「ちばのいち」が行われ、フォトスポット・フラワースポットも設置された。改札の横にスタンプ台が置かれ、スタンプラリーに挑戦する参加者の姿も見られた。
きっぷ券売機にも待機列ができていた。スタンプの待機列よりもはるかに長く、長時間並ばないときっぷ購入・残高チャージができない状況になっていた。歩くのが辛くなければ、隣の海浜幕張駅まで歩いてから京葉線・武蔵野線に乗車しても良いかもしれない。
ちなみに、筆者も帰りに改札内を見て回ったところ、ホームの各部や電車の入線を撮影するファン、フォトスポットや駅名標で記念撮影する親子などでにぎわっていた。
イオンモール内でも演奏・パフォーマンスなどが行われ、こちらも盛況だった。ただし、雨天のため一部企画が中止になったとのこと。「幕張豊砂駅開業まつり」は4月16日まで開催。詳細なイベント開催情報はイオンモール幕張新都心の公式サイトで確認できる。なお、イオンモール幕張新都心は4月21日に第1期リニューアルオープンを予定しているとのことだった。