アントレは3月16日、2022年度の「脱サラ経営者に関する実態調査」の結果を発表した。今回は、独立時期や独立前後に関する意識などについてまとめた。調査期間は2022年12月19日~22日、調査対象は過去に企業勤めの経験がある20代から60代までの経営者(脱サラ経営者)、有効回答は553人。
独立時期について質問したところ、「ちょうど良かった」が69.3%(前年度71.5%)、「早すぎた」が11.4%(同9.8%)、「遅すぎた」が19.4%(同18.7%)となった。
独立検討時に困ったことを聞くと、「特に困ったことや問題点はない」が37.4%と最も多く前年度比も3.9ポイント増加。他方、「自分に独立があっているか不明」は同5.0ポイント減の12.9%、「自分に経営能力があるか分からない」は同1.4ポイント減の21.9%となった。同調査では「独立挑戦の難易度が下がっている様子から、独立にさきがけた準備が順調だったと推測できる」としている。
独立を決意した理由は、1位「もっと自分の自由になる仕事がしたい」(28.0%)、2位「気持ちにゆとりがある仕事がしたい」(21.9%)、3位「会社での仕事に限界」(18.2%)となった。
独立後の気持ちの変化を尋ねると、「働き方を自分で決められるのは楽しい」が66.9%でトップ。次いで「仕事が楽しい」が63.8%と続き、独立前の不満が解消されている前向きな様子が浮き彫りになった。一方、「将来への不安は大きい」とした割合も47.8%を占め、今後について不安を感じている人も多いことが分かった。
会社員または前職に戻りたいと思うかとの問いには、53.8%が「戻りたくない」と回答。開業年数別にみると、「会社員に戻りたい(思うことがあるも含む)」と考えるピークは開業2~3年未満で48.8%に上ると同時に、「戻りたくない」の割合もどの開業年数より低い30.2%にとどまった。3年を超えると事業が安定する傾向がみられ、「戻りたい」は17.0%まで減少した。