米クアルコムは3月17日、4nmプロセスのスマートフォン用SoC(System on a Chip)「Snapdragon 7+ Gen 2 Mobile Platform」(SM7475-AB)を発表した。同チップを搭載する最初の市販端末は3月中に登場するという。
Snapdragon 7シリーズは、ハイエンド向けのSnapdragon 8シリーズと一般的なミドルレンジモデルに採用されるSnapdragon 6シリーズの中間にあたるミッドハイレンジ/アッパーミドルレンジ向けのスマートフォン用SoC。
先代にあたるSnapdragon 7 Gen 1(2022年5月発表)を搭載した市販端末は世界的にもごく少数で、3月17日現在、日本市場に投入されている機種は存在しないが、早くも次世代が発表された。なお、命名規則は8シリーズ(Snapdragon 8 Gen 1→8+ Gen 1→8 Gen 2の順に登場)と同様だが、今のところプラスのつかないSnapdragon 7 Gen 2は現れていない。
オクタコア構成の64bit Kyro CPUを搭載し、内訳は最大クロック2.91GHzのプライムコア(Cortex-X2)が1基、2.49GHzのパフォーマンスコアが3基、1.8GHzのエフィシェンシーコアが4基。Snapdragon 7 Gen 1と比べてCPU性能は50%以上高まるという。
Adreno GPUは前世代の2倍の性能と謳い、可変レートシェーディング(VRS)などによりゲーム体験も強化する。また、システム全体として電力効率を最大13%改善する。メモリはLPDDR5(最大16GB/3,200MHz)、ストレージはUFS 3.1に対応する。
Snapdragon X62 5GモデムをSoCに統合し、下り最大4.4Gbpsの5G通信に対応。これにはSub6に加えてミリ波の帯域やSA方式も含むほか、8シリーズ以外では初となる5G/4GデュアルSIMデュアルアクティブ(DSDA)に対応する。また、Wi-Fi 6EやBluetooth 5.3も利用できる。
その他の特長としては、低照度撮影モードや最大200MPの高画素センサーをサポートする18bitトリプルISP、前世代の2倍高速かつワットパフォーマンスを40%改善したAI処理用プロセッサー、4K 60HzまたはQHD+ 120Hzの高解像度・高リフレッシュレート構成への対応など、8シリーズに迫る内容となっている。