ブラウンといえばシェーバーで有名なドイツの家電メーカー。日本では「ブラウン ハウスホールド」というブランド名でも、デロンギ・ジャパンがハンドブレンダーをはじめとした調理家電を発売しています。
そんなブラウンブランドから、3月29日に「ブラウン マルチサーブ コーヒーメーカー(KF9170SI)」(以下、マルチサーブ)が発売されます。日本国内ではブラウン初となる本格コーヒーメーカーです。メディア向けの内覧会で試飲してきました。価格はオープン、推定市場価格は38,280円前後とやや高級寄りの製品です。
日本でECBC認証を取得した数少ないコーヒーメーカー
マルチサーブのドリップ量は125mL~1,250mL(※)までと幅広く、カップやマグに直接でもドリップできます。多くのコーヒーメーカーは、給水したタンクが空になるまでコーヒーをドリップする仕様のため、2杯分のコーヒーをドリップしたい場合はタンクの「2杯分」の目盛りを目安に給水する必要があります。
一方のマルチサーブは、タンクからポンプで水の量を制御。設定したコーヒーの量に合わせて正確にドリップするので失敗が少なく、手間も少ない点が特徴です。
※:使用する水の量。実際にドリップされるコーヒーはコーヒーの粉やフィルターへの吸水分だけ少なくなります
注目したいのは、ECBC(ヨーロッパ コーヒー ブリューイング センター)認証の取得。一定の構造基準を満たし、さらに機関が設定した抽出基準をクリアしたコーヒーメーカーにのみ与えられる認証です。
温度の安定性に関する基準はとくに厳しく、日本でこの認証を取得しているコーヒーメーカーは多くありません。なお、マルチサーブは「Mild」「Gold」「Strong」という3種類の味を設定できますが、ECBC認証は「Gold」のみです。
カップトレーや給湯モードなど、便利な機能が盛りだくさん
では、実際にコーヒーを抽出します。本体にコーヒー粉と水をセットしたら、抽出量の設定ダイヤルで杯数を決定。125mL~1,250mLの7段階から選びます
次に、フィルター下にある黄緑色の「Coffe - Water」レバーを「Coffee」側にセットします。これでコーヒー用のメニューを選択できるようになります。
実はこのレバー、中央に戻すと液だれしない仕組みです。コーヒードリップ後にすぐジャグやカップを外しても、レバーを中央に戻してある状態ならフィルターに残った水分が落ちてきません。これは便利。また、レバーを「Water」側に倒すと給湯もできます。給湯の温度は70℃から95℃までの6段階です。
タッチパネルでコーヒーの種類を決定したら、そのままドリップスタート。最大量の10杯分ならだいたい6分でドリップが完了します。
今回は「Mild」「Gold」「Strong」すべてのコーヒーを試飲してみました。それぞれ見た目はあまり変わらないのですが、さっぱりと飲めて後味が残りにくいMildに対して、コーヒーの香りとコクと苦味のバランスが良いGold、少しえぐみさえ感じるガツンとパンチの効いたStrongと、味はまったくの別物でした。
今回は紙フィルターでコーヒーをドリップしましたが、コーヒーサーブには金属メッシュフィルターも付属します。金属フィルターを使うと、コーヒーの油分も一緒にドリップされるので、よりパンチのある香り華やかなコーヒーを楽しめるでしょう。
さて、冒頭でデロンギ・ジャパンがブラウンハウス ホールドブランド製品を販売していると書きましたが、イタリアのデロンギも世界的なコーヒーマシンのメーカーです。デロンギ製品はイタリアらしく、ドリップ式よりもエスプレッソマシンが人気。
一方、ブラウンの本社があるドイツはもともとドリップが主流で、ヨーロッパの中でもトップクラスにコーヒーが好まれている国です(定番のドリップコーヒー器具メーカー「メリタ」もドイツのメーカー)。そんなドイツのブラウンが作ったブラウン マルチサーブ コーヒーメーカーは、見た目、機能、味、操作性までとってもドイツらしい製品。ドリップコーヒーが好きな人は、ブラウン マルチサーブ コーヒーメーカーを一度ぜひ体験してほしいと思います。