当然ですが……、小中学生(3人)の子どもを抱える5人家族の我が家では、料理も掃除も、そして洗濯もなかなかハード。なかでも洗濯は大きな課題です。敷地の狭い3階建ての我が家は1階の洗面所に縦型洗濯乾燥機があり、洗濯物を干すのは3階。毎日毎日、家族5人分の洗濯物を持って階段を上がるのは大変です(縦型洗濯乾燥機の乾燥機能ではとても追い付きません)。
過去に何度か、乾燥性能の高いドラム型の洗濯乾燥機に買い換えることを提案したところ、そのたびに妻から却下されてきました。一番の理由は、だいぶ昔に使っていたドラム型洗濯乾燥機で、乾燥性能の悪さや使いにくさが妻の記憶に残っているから。
しかし、子どもたちが成長して洗濯物が増えてくると、負担も大きくなってきました。そこで妻を説得するべく、最新のドラム型洗濯乾燥機をメーカーから長期間お借りして、最新モデルの実力を日常的に試してみることにしました。1台目は、パナソニックの「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129B(以下、NA-LX129B)」です。
トリプル自動投入と温水泡洗浄に対応するフラッグシップモデル
NA-LX129Bは、パナソニックのドラム型洗濯乾燥機のフラッグシップモデル。洗濯容量は12kg、乾燥容量は6kg。液体洗剤・柔軟剤・おしゃれ着洗剤の3種類すべてを自動投入できる、トリプル自動投入機能を搭載しています。また、最高60℃まで洗濯水を温めてお湯で洗う機能もあり、衣服のニオイや皮脂汚れなども効率的に落とせます。
自動投入された高濃度の洗剤液は、本体の「泡生成ボックス」で細かな泡にしてからドラム槽へと噴射。温水と濃密泡、そして高浸透バブルシャワーの組み合わせによって、高い洗浄力を実現しています。
乾燥機能としては、省エネで効率的な「はやふわ乾燥ヒートポンプ」に注目です。ヒーター式の製品と比べると、電気代は約3分の1から半分に抑えられるとしています。ほかにもいろいろな機能がありますが、トリプル自動投入、温水泡洗浄、ヒートポンプ乾燥機能の3つが最も大きなポイント。
では、搬入の様子です。NA-LX129Bの本体サイズは幅639×奥行き722×高さ1,060mm(給・排水ホース含む)。12kgクラスのドラム型洗濯乾燥機としては、横幅が比較的スリムなので設置しやすくなっています。我が家の洗濯機置き場では排水ホースの位置がギリギリでしたが、置けてよかった……。また、ドラム型はドアが前方に開くため、購入前には設置スペースだけでなく、使うときに必要なスペースも必ず確認してください。
設置が終わったら初期設定。ここで大事なのは、液体洗剤、柔軟剤、おしゃれ着洗剤の補充と自動投入の設定です。購入時は自動投入機能がオフになっているので、マニュアルを参考に投入量を設定します。洗剤のブランドによって量が異なるため、洗剤の銘柄を変えた場合も再設定が必要になる場合がありました。
家族5人分の洗濯物を乾燥まで一気に!
さっそく洗濯してみましょう。NA-LX129Bには、洗濯と乾燥で19種類のコースが用意されています。通常は自動で最適に洗濯乾燥する「おまかせ」コースを選びます。マニュアルに「洗濯・乾燥ができないもの」や「乾燥はできないもの」などが記載されているため、最初はそれらをチェックした上で、ドラム槽に入れていきます。
洗濯物を入れたらドアをしっかり閉めて、カラー液晶画面でコースを選びます。「洗濯・乾燥」をタッチ、さらに「おまかせ」を選びました。あとはスタートボタンを押すだけ。自動的に洗濯物の重さを量って洗剤が投入され、洗濯~乾燥が始まります。
洗濯から乾燥までにかかる時間は、洗濯物の量にもよりますが3時間くらい。洗剤を入れる手間もいらないので、スタートボタンを押したあとは乾燥が終わるまで放ったらかしです。
心配だった乾燥の仕上がりも大満足です。タオルはふわふわホカホカ。洗い上がりもほとんど不満なし。汚れがひどかった靴下の一部で少し汚れが残ったので、タオル類はなるべく「タオル専用」コースで洗濯乾燥するようにして、汚れた靴下などはより汚れが落ちやすい「約40℃おまかせ」コースや「パワフル滝(洗い・すすぎ)」コースを選ぶようして解決です。
汚れ落ちや乾燥の仕上がりをいぶかしんでいた妻も、NA-LX129Bで洗濯・乾燥を繰り返すたびに昔のイメージが払拭されてきたよう。だんだんと多くの洗濯物を乾燥まで回すようになりました。
毎回のホコリ取りが最も重要
NA-LX129Bを使う上で最も重要だと感じたのは、毎回使う前に乾燥フィルターを取り出してゴミを取り除くことです。これは乾燥運転をしたあとはマスト。
乾燥フィルターは手前側と奥側に2つあります。手前の乾燥フィルターは1回の乾燥でたっぷりホコリが付着します。ここで取り漏らした細かなホコリなどが、奥のフィルターに付着します。フィルターが汚れたままで運転すると乾燥エラーが発生。運転が途中で止まってしまったり、生乾きの原因になったりするので注意が必要です。
実際にNA-LX129Bを使っているときは、乾燥途中に乾燥フィルターの目詰まりを意味する「U04」エラーで運転が止まることや、乾燥まで終わったはずのタオルがややしっとりしていたことがありました。こうならないためにも、乾燥フィルターの掃除は欠かせません。
乾燥フィルターにホコリが詰まったままで使うと、故障の原因になることも。また、排水パイプに熱風が流れることで、下水のニオイが上がってくる原因にもなるそうです。
乾燥フィルターはスタートボタンのすぐそばにあるので、スタートする前にゴミを取り除く習慣をつけるとよいでしょう。本体上部の乾燥フィルターだけでなく、前面右下には排水フィルターもあります。こちらは毎回キレイにする必要はなく、週一回くらいのペースで掃除します。
汚れ落ちも乾燥も想像以上のできばえに納得
この8年間、縦型洗濯乾燥機を使ってきましたが、洗濯のみで乾燥機能はほとんど利用していません。今回、久しぶりに最新のドラム型洗濯乾燥機(NA-LX129B)を使ってみて、その進化に驚きました。
かつて使っていたドラム型洗濯乾燥機で一番の不満だったのは、生乾きが多かったこと。もちろん使い方の問題もあったと思いますが、乾燥にかなり時間がかかり、それでいて生乾きが続くと、「もういいや」と乾燥機能は使わなくなってしまいます。
今回は2カ月間で数十回の洗濯乾燥を行いましたが、生乾きがあったのは、前述の通り乾燥フィルターの掃除が不十分だった1回のみ。それ以外はホカホカの状態に乾燥してくれました。そのポイントと考えられるのはヒートポンプ式の乾燥です。
NA-LX129Bが備える「はやふわ乾燥ヒートポンプ」機能は、湿気を含んだ空気をヒートポンプで除湿し、乾いた温風で衣類を乾かす式。ヒーターを使わないので省エネ性能が高く、衣類にも優しく、しかも乾燥も早いといった多くのメリットがあります。反面、ヒートポンプユニットを搭載するために本体サイズが大きくなるというデメリットもあり、パナソニックのドラム型洗濯乾燥機ではLXシリーズのみヒートポンプ式を採用しています。
はやふわ乾燥ヒートポンプ機能の進化によって、タオルはふわふわに、ほかの衣類も柔らかい状態へとすばやく乾燥。以前のような生乾きの心配もなく、安心して洗濯から乾燥まで任せられました。
実際のシーンでは、洗濯の準備として乾燥機にかけられない衣類の選別は必要です。その作業を含めても、洗濯という家事全体の時間は大きく減らせました。これまでと比べて、干す衣類は3分の1くらいまで少なくなりました。
プリントTシャツや加工のある衣類など、乾燥機能が使えないタグが付いた衣類は想像以上に多く、100%乾燥運転にはできません。一部、傷んでもいいか……と思った衣類は家族の自己責任で乾燥に回したようですが、ヒートポンプ乾燥は温度が低いので、多くは問題なかったようです(念のため、推奨するものではありません)。
もうひとつ気になっていた汚れ落ちに関しても、実用上の問題はありません。醤油、ミートソース、土砂、マジックなどで汚れを付けたTシャツを「おまかせ」コースで洗ってみたところ、醤油と土汚れはキレイに落ちました。油性マジックと油分を含むミートソース汚れは残りましたが、これらは想定内です(洗剤の塗布やつけ置き洗いなどが必要です)。
さて、久しぶりに使ったドラム型洗濯乾燥機の性能には満足です。NA-LX129Bには上で紹介した以外にも、スチームを使って衣類のシワやニオイ取りができる便利なコースや、洗濯終了後にナノイーX(パナソニック独自のイオン物質)でカビ菌を除く自動メンテナンス機能などを搭載しています。Wi-FiによるIoT機能もあり、スマホからのコース選択も可能です。ライフスタイルや家族構成に合った多彩な機能が用意されています。
我が家では、大量のタオルや肌着、下着類を乾燥まで完璧にこなしてくれる機能が刺さりました。毎回の乾燥フィルター掃除が必要なのは一手間ですが、ヒートポンプによる強力な乾燥機能を搭載したNA-LX129Bは、日々の洗濯物干しというヘビーな作業をかなり減らしてくれる満足度の高いドラム型洗濯乾燥機でした。