えちごトキめき鉄道は14日、JR西日本から譲渡されたオヤ31形客車(オヤ31-31)について、3月8日にJR西日本金沢支社の金沢総合車両所から、えちごトキめき鉄道の直江津運転センターへ甲種輸送で移送されたと発表した。

  • オヤ31形の出発の様子

オヤ31形は、新線の開通時など、列車が無事に通過できるかを測定していた「建築限界測定車」と呼ばれる車両。とげのような矢羽根を広げた姿が、かんざしを何本も髪に刺した花魁(おいらん)の姿に例えられたことから、「おいらん車」とも呼ばれた。

輸送日当日、金沢総合車両所で譲渡式が行われた後、11時23分に直江津へ向けて出発。オヤ31形はもともと一般にあまり見られない車両で、かつて走行の日程が雑誌に掲載されたこともあったという。電気機関車の牽引で輸送されるオヤ31形をひと目見ようと、「絶景ポイントでは大勢のファンが詰めかけ、珍しい車両の甲種鉄道車両輸送をフレームに収めようとしていました」(えちごトキめき鉄道)と説明する。

  • 譲渡式の様子

  • 電気機関車に牽引され、直江津に到着

  • 扇形庫でオヤ31形とD51形が並ぶ

  • 矢羽根を広げた状態のオヤ31形

オヤ31形は16時8分に直江津到着。その後、直江津運転センターで機関車から切り離され、代わって蒸気機関車D51形827号機に牽引された。運転センターでフォトグラファー主催の撮影会が行われ、夜には転車台から扇形庫の定位置に入った。

この甲種輸送の様子は、YouTube「トキ鉄チャンネル」にて「オヤ31-31甲種輸送ダイジェスト」(12分)として公開されている。オヤ31形客車が保存される「直江津D51レールパーク」は3月18日から営業再開。4月1・2日、オヤ31形客車の車内を見学できるとのこと。