東京商工リサーチは3月10日、「全国社⻑の出⾝⼤学」の結果を発表した。同社の企業データベース約400万社の代表者データ(個人企業を含む)から、公開された出身大学を抽出、集計したもの。同一人物が複数の企業で社長を務める場合、売上高の上位1社を集計対象とした。集計対象外となった企業は31万1,581社。

  • 社⻑の出⾝⼤学

    社⻑の出⾝⼤学

2022年の社⻑の出⾝⼤学トップは、「日本大学」が2万609人で12年連続のトップとなり、唯一、2万人を超えた。続く2位は「慶応義塾⼤学」(1万588人)で、2015年以来、8年連続2位に。3位は「早稲田⼤学」(1万407人)で、“私学の雄”2校が僅差で上位となった。以下、4位「明治大学」(8,255人)、5位「中央大学」(7,506人)、6位「法政大学」(6,068人)、7位「東海大学」(5,842人)、8位「近畿大学」(5,826人)、9位「同志社大学」(4,899人)と続いた。

上位20位には、東京6大学がすべてランクイン。国⽴⼤学は、「東京⼤学」(10位)、「京都⼤学」(20位)の2校が⼊り、社⻑数は私⽴⼤学の優勢が続いている。一方、11位「関西大学」(3,819人)、15位「立命館大学」(3,380人)、17位「関西学院大学」(2,977人)と、西の“関関同立”も4大学がランクインした。

上場企業(地方上場含む)の社長に限定すると、「慶応義塾大学」が288人でトップに。以下、2位「早稲田大学」(227人)、3位「東京大学」(210人)、4位「日本大学」(103人)、5位「京都大学」(97人)、6位「中央大学」(82人)、7位「明治大学」(79人)、8位「関西大学」(64人)、9位「一橋大学」(61人)、10位「同志社大学」(60人)と続き、上位10位に国公立大学が3校ランクインした。

  • 都道府県別(企業所在地)社長の最多出身大学

    都道府県別(企業所在地)社長の最多出身大学

都道府県別では、「日本大学」が35都道県で3位以内に入り、うち18都県でトップに。同大卒業生は121万人余りと、他大を圧倒している。ただ、日大の強さは東日本に偏っており、西日本の26府県で「日本大学」出身の社長がトップを占めたのは、「香川県」「高知県」「宮崎県」の3県のみ。西日本では、26府県のうち13県で地元の国立大学がトップになるなど、地元の国立大学や私立大学の健闘が光った。

また、出身社長数の上位100大学(医科歯科系を除く)について、直近決算で増収や増益を達成した堅実企業の社長比率をみると、ランキングの上位10校を「国立大学」が独占。11位~20位も国公立大が大半を占め、国公立大学の出身社長の企業は、手堅い舵取りによって上場企業、地元企業を問わず事業基盤を安定させている傾向が浮き彫りとなった。