「お疲れ様です」はビジネスシーンや学校などで、頻繁に、何気なく使われる言葉です。しかし、目上の人や社外の人に使っていいのかを迷う人も多いのではないでしょうか。

この記事では、「お疲れ様です」の意味や正しい使い方、具体的な使用例、より丁寧な言い換え表現などを紹介します。英語や韓国語、中国語での表現もまとめました。

  • お疲れ様ですとは

    「お疲れ様です」の意味をや使い方を解説します

「お疲れ様です」の意味とは?

「お疲れ様です」は、「感謝とねぎらいの言葉」「仕事終わりに使う別れの言葉」などの意味を持ちます。

そもそも「お疲れ」「お疲れ様」は、疲れていると思われる人を敬い、気遣う挨拶の言葉でした。「お」は接頭語です。

それが相手の苦労をねぎらう意味や、職場で先に帰る人への挨拶でも使うようになりました。

時間を選ばずに、どのような立場の人にも使える汎用性が高い言葉です。

ビジネスシーンで同僚や上司、部下に使う以外でも、清掃をしている近所の住人や、友人同士などに対しても、感謝の気持ちを込めた、ねぎらいの言葉として使えます。

「こんにちは」のような挨拶の代わりにも使えるため、オフィス内の廊下ですれ違うときや、相手に話しかけるとき、メールや電話の冒頭の定型句としても便利なフレーズです。

「お疲れ様です」の正しい使い方

相手の立場別に、「お疲れ様です」の使い方を詳しく解説します。

「お疲れ様です」は、上司など社内の目上の人相手に使える?

「お疲れ様です」は、基本的に社内の相手であれば誰に対しても使えます。よって、部下から上司などの目上の人にも使用できます。

しかし、ねぎらいの言葉とは、本来は目上の人から目下の人にかける言葉であるため、抵抗がある人もいるでしょう。

もし気になるようであれば、語尾をより丁寧にして「お疲れ様でございます」と伝えたり、挨拶と一緒に一礼したりと、丁寧な姿勢をアピールするといいでしょう。

「お疲れ様です」は社外の人相手に使える?

「お疲れ様です」は身内で使われることが多く、前述したようにねぎらいの意味が含まれるため、社外の人に対して使用するのは避けた方が無難です。

社外の相手に挨拶をするときは「いつもお世話になっております」、感謝やねぎらいの気持ちを伝えたいときは「ありがとうございます」などを用いるといいでしょう。

「お疲れ様です」の具体的な使用例

  • 「お疲れ様です」の使用例

    「お疲れ様です」の具体的な使用例を見ていきましょう

「お疲れ様です」は前述のように、挨拶やねぎらいの言葉としてなど、さまざまなシーンで使える汎用性の高い言葉です。

具体的にはどのように使うのか、相手やシーン別に使用例を紹介します。

挨拶として使用する場合

「お疲れ様です」「よっ! お疲れ様!」というように、オフィスなどで、すれ違いざまに声を掛け合って挨拶する際に使用できます。

出勤時であれば「おはようございます」と挨拶することが多いですが、「お疲れ様です」はそれ以降の挨拶として、時間帯を問わず使いやすい言葉です。

また、上司などと話がしたいときにも、最初の声掛けの言葉にもなります。「部長、お疲れ様です。先日の件なのですが…」というように、冒頭に使うとスムーズに要件を切り出せるでしょう。

メールで連絡をする場合

「お疲れ様です」は、社内の人にメールや電話で連絡する際に、冒頭の挨拶で使うこともあります。

挨拶以外にも、本題の前に使えばクッション言葉になります。例えばメールでは「お疲れ様です。A事業部の佐藤です」と一文挿入してから、本題に入ることが多いです。

また、社内で電話をする際にも「こんにちは」や「こんばんは」より、「お疲れ様です」と会話を始める方が、ビジネスシーンに適しているでしょう。

お礼やねぎらいを伝える場合

「お疲れ様です」は、重要なプロジェクトに励む仲間、お世話になっている上司や、一日の仕事を終えて帰宅する同僚などに対して、感謝とねぎらいの気持ちを込めて使うことができます。

ねぎらいの意味は苦労や努力をしたことに対して慰め、いたわることです。

目上の人に使える「お疲れ様です」のより丁寧な言い換え表現

  • 「お疲れ様です」の言い換え表現

    「お疲れ様です」をさらに丁寧にした言い換え表現も、一緒に押さえておきましょう

「お疲れ様です」は前述したように、社内であれば上司など目上の人にも使えますが、社外の人に対しては避けた方がいい、という考え方が一般的です。

そこで、社外の人に使える、「お疲れ様です」のより丁寧な言い換え表現を紹介します。

お世話になっております

「お世話になっております」は、日頃の感謝を伝える言葉です。

「お疲れ様です」と同様に挨拶やメール、電話でも使える汎用性の高い言葉でしょう。

「お世話になる」は尊敬語であり、加えて「ます」が付く丁寧な言葉遣いであるため、社外の目上の人に用いることができます。

ただし、丁寧すぎて人によっては距離を感じるということで、社内で使うのはあまり一般的ではありません。

ありがとうございました

感謝やねぎらいの気持ちを伝えたいときに用いる、「お疲れ様」の代わりの言葉は「ありがとうございました」が適しています。

社内や社外、相手の立場などに関わらず、誰にでも使える感謝の言葉です。

会議が終わった後や一緒にプロジェクトを終えた相手、手助けしてもらった相手などに対し、ねぎらいや感謝の気持ちを伝える際に使えます。

より丁寧に感謝を伝えたいときは「誠にありがとうございました」「心より感謝いたします」「厚く御礼申し上げます」などと伝えてもいいでしょう。

「お疲れ様です」の類語と意味の違い

  • 「お疲れ様です」の類義語と意味の違い

    「お疲れ様です」の類語を紹介します

「お疲れ様です」の類語には「ご苦労様です」「お世話様です」などがありますが、使う相手にとっては失礼になる場合があります。

意味の違いや正しい使い方を理解し、ビジネスシーンで活用しましょう。

ご苦労様です

「ご苦労様です」は、「お疲れ様です」と同様に、感謝やねぎらいの気持ちを伝える意味の言葉です。ビジネスシーンでは聞きなじみのある言葉ではないでしょうか。

ただし、気を付けなければいけないことは、使う相手の立場です。「ご苦労様です」は、目上の人から目下の人に対しては使えますが、目下の人から目上の人に対して使うと失礼になります。もちろん、社外の人に使うのも避けましょう。

「ご苦労様」は文字通り、苦労をねぎらう言葉です。ねぎらいとは本来、目上の立場から目下の立場の者へ伝える、感謝やいたわりの気持ちです。使う際は相手の立場に注意しましょう。

お世話様です

「お世話様です」は、相手にお世話になったり、手助けをしてもらったりした際に、感謝やねぎらいを伝える言葉です。

しかしこちらも、目上の人から目下の人に使用する言葉であり、目下の人から目上の人に使うと失礼になるので気を付けましょう。

「お疲れ様です」を外国語で言うと?

  • 外国語の「お疲れ様です」

    英語や韓国語など、「お疲れ様です」の外国語表現を紹介します

ビジネスシーンで取引先が外国になる場合、類似する言葉があれば会話がスムーズになるでしょう。

英語、韓国語、中国語について、「お疲れ様です」と近い意味で使えるフレーズを紹介します。

「お疲れ様です」の英語表現

英語では、伝えたい気持ちやシーンによって表現が変わります。

【仕事が終わり、帰宅する相手に対しての挨拶】

・See you tomorrow.
(また明日)

・Have a good evening.
(良い夜を過ごしてね)

・Have a good one.
(良い日を過ごしてね)

【相手をねぎらうフレーズ】

・You must be tired.
(疲れたでしょう)

・Hope you are doing well.
(お元気だといいのですが)

【大きな仕事をした相手を褒める言葉】

・You've done great work.
(すばらしい仕事をしたね)

・Good work today.
(今日はよくやったね)

「お疲れ様です」の韓国語表現

韓国語で「お疲れ様です」と伝えたいときは「スゴハセヨ」が適しています。

スゴが「苦労」でハセヨが「する」の尊敬語です。挨拶や感謝、ねぎらいの気持ちを伝える際に使えるフレーズです。

過去形は「スゴヘッソヨ」です。仕事を終えて先に帰る人は「スゴハセヨ(お疲れ様です)」、会社に残る人は「スゴヘッソヨ(お疲れ様でした)」と使います。

どちらも同僚や目上の人、社外の人など、立場が違う相手に使うことができます。

より丁寧に伝えたいときは「スゴハシムニダ(お疲れ様でございました)」と伝えましょう。

「お疲れ様です」の中国語表現

仕事を終えて先に帰るときは、中国語で「我先走了(ウォシェンゾウラ/お先に失礼します)」と表現することができます。

会社に残る人は「明天见(ミンティエンジェン/また明日)」「慢走(マンゾゥ/気を付けてね)」などと返します。

ねぎらいの言葉を表現したいときは、「辛苦了(シンクーラ/お疲れ様です)」と伝えましょう。目上の人には、「あなた」の敬称である「您(ニン)」を付け加えた「您辛苦了(ニンシンクーラ/お疲れ様です)」などを用います。

「お疲れ様です」を適切に活用しよう

「お疲れ様です」は挨拶やねぎらい、感謝の気持ちを伝える言葉です。

汎用性が高く、時間や場面を気にせず目上の人にも使えるため、ビジネスシーンで頻繁に活用できます。

ただし不快に思う人もいるため、社外の人に対しての使用には気を付けなければいけません。代わりに使える「お世話になっております」「ありがとうございました」などの挨拶を使うといいでしょう。