「ご不便をおかけしますが」という言葉は、ビジネスシーンにおいてよく使われる表現です。主に謝罪をするときなどに使う表現のため、間違った使い方をしないように注意しなければなりません。
そこで本記事では、「ご不便をおかけしますが」の意味や正しい使い方、ビジネスシーンで使える例文などを紹介します。また、目上の人に使えるかどうかや、類語・英語表現についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
「ご不便をおかけしますが」の意味とは?
まずは、「ご不便をおかけしますが」の意味ついて見ていきましょう。
「不便」とは、都合の悪いことや便利でないことを意味する言葉です。「かける」にはさまざまな意味がありますが、この場合は相手にとって都合の悪いことや便利でないことを与える、負わせるといった意味になります。
なお、「ご」をつけることで敬語になり、ビジネスシーンでは「ご不便」と使うのが一般的です。
「ご不便をおかけしますが」の正しい使い方・例文
次に、「ご不便をおかけしますが」の正しい使い方を例文とともに紹介していきます。
謝罪や告知の際に使う
ビジネスにおいては、こちら側のミスでトラブルを引き起こしてしまうなど謝罪が必要な場面で「ご不便をおかけしますが」という表現をよく使います。
また、点検や工事などの告知の際にも使われます。点検や工事は謝罪することではありませんが、サービスが一時的に使用できなくなったり、迷惑がかかったりと相手に不便な思いをさせる可能性があるため、告知とともに「ご不便をおかけしますが」という言葉を添えるのが一般的です。
ビジネスシーンで使える例文
ここからは、ビジネスシーンで実際に使える例文を紹介していきます。
【謝罪とともに使う場合】
・先日お送りした提案書の一部に誤りがございましたので、訂正版を送付いたします。ご不便をおかけしますが、ご確認いただけますと幸いです。
・お待たせしてしまい、大変申し訳ございません。ご不便をおかけしますが、もう少しだけお時間をいただけますでしょうか。
・こちらの機械は故障中のため現在ご利用いただけません。ご不便をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
・大雪のため、商品の到着が数日遅れる可能性がございます。ご不便をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
・担当者不在のため、明日あらためて回答させていただきます。ご不便をおかけしますが、何卒ご容赦くださいますようお願いいたします。
【告知とともに使う場合】
・こちらの通路は現在改装工事中のため通行できません。ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
・メンテナンスのため、明日の午前中はサービスをご利用いただけません。ご不便をおかけしますが、何卒ご容赦くださいますようお願いいたします。
・都合により、本日は臨時休業となります。ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
「ご不便をおかけしますが」の類語・言い換え表現
「ご不便をおかけしますが」には似た意味を持つ類語がいくつかあります。言い換えたいときに便利なので、あわせて覚えておきましょう。
ご迷惑をおかけしますが
「ご迷惑をおかけしますが」という言葉も、謝罪や告知の際によく使う表現です。「ご不便をおかけしますが」の言い換え表現として使うこともできるので、伝えたい内容によって上手く使い分けてみてください。
ご面倒をおかけしますが
「ご面倒をおかけしますが」も、内容によっては「ご不便をおかけしますが」の言い換え表現として使えるでしょう。面倒とは、わずらわしいことや手間がかかることという意味です。何か面倒なことをお願いしなければならない場合は、こちらの表現がより適しています。
お手を煩わせて
「お手を煩わせて」は、相手に手間や苦労をかけさせるという意味の敬語表現です。相手に手間をかけてしまうことを謝罪したい場合には、「お手を煩わせてしまい申し訳ございません」のように使うことができます。
「ご不便をおかけしますが」は目上の人にも使える?
「ご不便をおかけしますが」は、相手が目上の人の場合でも使える言葉なのか気になる方も多いかもしれません。
「ご不便をおかけしますが」は、目上の人に対して使っても特に問題ない表現とされています。ただし、「ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」とそのまま使うよりは「何卒ご理解のほど」などの言葉を添える方が丁寧で好印象です。
目上の人に使う場合は、このような言葉を添えるように意識しましょう。
「ご不便をおかけしますが」の英語表現
「ご不便をおかけしますが」を英語で言いたい場合は、どのような表現になるのでしょうか。
for inconvenience
「ご不便をおかけしますが」を英語で相手に伝えたいときには、”for inconvenience”という表現が使えるでしょう。例えば以下のような文章で使えます。
・We apologize for the inconvenience and appreciate your understanding. (ご不便をおかけいしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします)
このほかにも使える表現があるので、用途に応じて使い分けてみてください。
「ご不便をおかけしますが」を正しく使おう
「ご不便をおかけしますが」という言葉は、ビジネスシーンにおいて謝罪したいときや告知したいときなどに使える便利な表現です。
「ご不便をおかけしますが」という表現を使うことで、より丁寧な印象を与えることができるケースもあるので、伝えたい内容や相手に合わせてぜひ上手く活用してみてください。