米Microsoftの検索サービス「Bing」のデイリーアクティブユーザー数が1億人を突破した。3月8日(現地時間)にYusuf Mehdi氏(CVP兼コンシューマー最高マーケティング責任者)が公式ブログで明らかにした。
2月7日に、OpenAIの最新の大規模言語モデルを用いて刷新した「新しいBing」のプレビュー提供を開始してから1カ月、プレビュー参加者が100万人を超えた。その約3分の1がBingを初めて使うユーザーであり、Bingのデイリーアクティブユーザーが1億人のマイルストーンに達した。プレビュー参加者のおよそ3分の1が毎日チャットを利用。1セッションあたりのチャット数は平均約3回、1カ月で総チャット数が4500万回を超えた。また、全チャットセッションの約15%でコンテンツ生成にBingが利用された。
GPTモデルは特定の時点におけるデータでトレーニングされ、最新のデータへの更新が遅くなるという課題があるが、Microsoftは最新かつ包括的なBingのインデックスとランキングを活用して関連度と鮮度が高い情報をモデルに提供し(Prometheusモデル)、最近の質問に対してより正確な回答を導き出せるようにした。Prometheusモデルの導入によってユーザーが求めている情報を効果的に提供できていることに加えて、過去7四半期連続で利用を伸ばし続けてきたブラウザー「Edge」にも新しいBingが組み込まれており、Edgeとの相乗効果もBingの伸びを後押ししているという。
そして2月22日に新しいBingのモバイル版のプレビューを開始し、スマートフォンでも音声入力を使って新しいBingを利用できるようにした。モバイル版の提供はまだ2週間だが、ディリーアクティブユーザーが6倍に増加した。
Google検索は月間アクティブユーザーが10億人を超えていると見られている。BingとGoogleの差はまだ大きい。Mehdi氏は検索市場においてBingが「まだ小さな存在である」と認めた上で、この1カ月の成果について「検索が刷新の時期に来ているという私たちの見解と、検索+回答+チャット+クリエイションを1つの体験に統合する独自の価値提案の実証であると考えています」とした。米報道によると、Microsoftは検索広告市場においてシェアを1ポイント上げるごとに、同社の広告事業に20億ドルの収益機会が生まれると予測している。