アンカー・ジャパンは、Ankerグループ初の家庭用3Dプリンター「AnkerMake M5」を発売した。価格は99,990円。一般的な家庭用3Dプリンターと比べて高速かつ高精度な完成品が作れることを特徴としている。
AnkerMake M5は、充電アクセサリーを展開するAnkerがこれまで培った技術を継承し、クリエイターのためにハードウェア特化のサブブランドとして2022年に立ち上げた「AnkerMake」の第1弾製品。
既存の3Dプリンターには「長い待ち時間と仕上がりに対する不満」が課題としてあることを踏まえ、Ankerは速度と精度を追求した新しい3Dプリンターで市場参入することを目指していた。発表当初、「2022年冬発売予定」としていたが、今回正式に販売を開始したかたちだ。
強力なモーターとダブルベルトを組み合わせたPowerBoostテクノロジーを採用。プリントにかかる時間を約75%短縮できるとする(200立方ミリメートルサイズの作品を、250mm/秒の標準プリント速度でプリントした場合の平均パフォーマンス。プリント速度50mm/秒の3Dプリンターと比べた場合)。
最大加速時は、一般的な家庭用3Dプリンターの約5倍の速さとなる250mm/秒の高速プリントを実現。製品本体のフレームにアルミニウム合金構造を採用し、高速かつ高精度で安定してプリントできるようにした。プリントサイズは235×235×250mm。対応素材は1.75mm PLA/TPU/ABS/PETG。
精緻なプリントクオリティを追求する仕組みとして、高度なアルゴリズムにより、49ポイントから自動で合わせるオートレベリング機能を搭載。ノズルとヒートベッドの高さを手動で合わせる必要がなく、ワンタッチで水平調整できるという。さらに、エクストルーダーとホットエンドが一体となった構造のウルトラダイレクトエクストルーダーにより、0.1mm単位の高精度を保てるとする。
専用アプリでモニタリングできるのも大きな特徴。1080pの高精細AIカメラを装備し、制作中の様子をリアルタイムで確認できるほか、タイムラプス映像として撮影・記録可能だ。プリントのズレやエラーを検知すると専用アプリに通知。停止の操作もリモートで行え、フィラメントの無駄な消費を防げるようにした。
開封から約15〜20分で組み立てられるシンプルな構造を採用。本体の4.3型タッチパネルで直接操作でき、プリンターやパラメーターの設定が行える。無線LAN(2.4GHz対応)またはUSB-Cメモリ経由でデータを転送でき、アプリやソフトウェアから簡単にプリントファイルが選べるとする。スライサー対応ファイル形式はSTL/OBJ。
多色プリントにも対応し、別売の5色のフィラメントや、今後販売予定の多色プリントを可能にするプリントエンジンをあわせて使用することで、複数色を用いた作品も制作できるようになる。
消費電力は350W。本体サイズは約50.2×43.8×47cm(フィラメントホルダーを除く)、重さは約12.6kg。電源ケーブルやネジ、組み立て用工具、フィラメント150gなどが付属する。