パソコンを使わずに音楽CDをスマホに取り込んで聴ける便利な周辺機器「CDレコ」、CDがサブスク化されていない人気アイドルグループのファンなどに支持を得ています。CDレコは、ケーブル接続の手間なく使えるワイヤレス対応の最上位モデル「CDレコ6」が一番人気で、ケーブル接続専用のエントリーモデル「CDレコSE」は価格がそれほど安くないこともあって目立たない存在なのですが、実はCDレコ6にはない便利な“隠し機能”があったのです。
価格差が小さい「CDレコ」3兄弟
音楽配信はサブスク全盛の昨今ですが、サブスクに参入しないアーティストやレーベルは少なからず存在します。「サブスクにないお気に入りの音楽CDをスマホで聴きたい!」と考える人に支持を得ているのが、アイ・オー・データ機器の「CDレコ」シリーズ。現行モデルでは、スマホとワイヤレス(Wi-Fi)で接続でき、楽曲をUSBメモリーやSDカードに保存する機能も備える最上位モデル「CDレコ6」が売れ筋。使用感は「音楽CDをスマホに直接取り込めるCDレコ6レビュー サブスク利用者も手放せない」で詳しく紹介しています。
CDレコシリーズは、CDレコ6のUSB端子やSDカードスロットを省略したワイヤレス対応モデル「CDレコ5s」と、ワイヤレスには対応せずUSBケーブルでスマホと接続するエントリーモデル「CDレコSE」もラインアップに追加され、「松竹梅」といった3機種の構成になっています。
悩ましいのが、3機種は機能や装備の差がある割に、それぞれの価格差が少ないこと。量販店での実売価格は以下の通りで、数百円程度の違いしかありません。「この価格差なら最上位のCDレコ6を買った方がいいんじゃないか」と考えてしまいます。
製品名 | 実売価格 |
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CDレコ6(CD-6W) | 12,600円前後 |
CDレコ5s(CD-5WE) | 13,000円前後 |
CDレコSE(CD-SE) | 11,900円前後 |
しかし、実際にCDレコSEを使ってみたところ、価格以外に選ぶ理由が存在していました。
ケーブルをつなげばアプリが起動し、使うまでの手間がかからない
CDレコSEの本体はシンプルで、CDレコ6が備えるUSB端子やSDカードスロットがないだけでなく、電源ボタンすらありません。背面にはmicroUSB端子があり、付属のケーブルでスマートフォンと接続します。LightningケーブルとUSB Type-Cケーブルの2本が付属し、iPhoneとAndroidの両方に対応。ケーブル接続ですが、電源はUSBバスパワーではなく、付属のACアダプターを接続する必要があります。
便利だと感じたのが、スマホとの接続やアプリ起動の手間が最小限で済むこと。iPhoneにケーブルを接続するとメッセージが現れ、OKボタンをタップすればインストールしたCDレコミュージックのアプリが自動で起動して準備できます。ワイヤレス接続のCDレコ6の場合は、まず設定アプリでWi-Fi接続を切り替え、さらにアプリを起動…という手順を踏む必要があったので、シンプルかつ確実に使う準備ができるのは好ましいと感じました。
近隣にWi-Fiアクセスポイントが多数設置されているマンションや、電子レンジなどの機器が近くで使われている場合、Wi-Fi接続は不安定になりやすいので、そのような環境の人はケーブル接続できるCDレコSEを選ぶのがよさそうです。
PCの外付け光学ドライブとして使えた! DVDもPCで見られる
さらに注目したいのが、メーカーの公式サイトや説明書などには記載されていない“隠し機能”の存在です。付属のUSB Type-Cケーブルを使ってCDレコSEをパソコンに接続したところ、CDレコが外付けの光学ドライブとして認識され、データの読み取りやDVDビデオの再生ができてしまいました。
アイ・オー・データ機器の担当者に確認すると「PCとの接続はメーカー推奨外の使い方となる」とのことで、何かトラブルや不具合が発生しても責任は負えない、という立場でした。とはいえ、ワイヤレス接続のCDレコ6はPCの外付けドライブとしては使えなかったので、CDレコSEの意外なアドバンテージとして注目できます。
市販の外付け光学ドライブはUSBバスパワーで動作する製品がほとんどなので、ACアダプターを接続する必要があるCDレコSEは若干使い勝手に劣りますが、それでも「CDレコの機能」と「PCの外付け光学ドライブの機能」の両方が1台で利用できるのは魅力的。進学や就職を機にMacBook AirなどのノートPCを購入した人は、この機能に着目してあえてCDレコSEを選ぶ価値はありそうです。