米Metaが3月7日(現地時間)に公式ブログで公開した「Facebook Today and Tomorrow」の中で、「Facebook」アプリで「Messenger」を再び利用できるようにする計画を明らかにした。Facebookで見つけたことを、Messengerアプリに切り替えることなく、Facebook内からすばやくメッセージを送って共有できるようにする。メッセージング機能を強化する取り組みの1つとして進めている。

同社は2014年にFacebookアプリからMessenger機能を削除した。当時スマートフォンの普及に伴ってインスタントメッセンジャーの重要性が増し、メッセージングプラットフォームとしてMessengerの成長を図った分離だった。またFacebookが備える機能・サービスが増え、当時のデバイスにおいてFacebookアプリが重くなっていた問題もあった。今年Facebookで再び利用できるようになれば、約9年ぶりの実装になる。

Metaによると、Facebookのデイリーアクティブユーザーは20億人に達した。しかし、若い世代のFacebookの利用は減少している。Pew Researchが昨年8月に公開した米ティーンエイジャーのソーシャルメディア利用に関する調査によると、2014〜15年には71%だったFacebookの利用率が2022年には32%に落ち込んだ。トップ3はYouTube(95%)、TikTok(67%)、Instagram(62%)だった。

対策としてMetaは、Facebookを友人や家族と連絡を取り合うアプリから、よりエンターテイメントや発見のあるプラットフォームへとシフトさせようとしている。「Facebook Today and Tomorrow」の中で同社は今後のFacebookの注力点として、楽しむことや新しいものの発見を支援する「AIを活用したおすすめ」、そして「クリエイターの支援」(発掘、収益化の機会創出など)を挙げている。Instagramではダイレクトメッセージを通じて毎日10億回近くリールが再共有されている。Facebookでもプライベートな会話を通じて自分の発見を体験を共有できるようにメッセージング機能を組み込んでいく。メッセージングはコミュニティ形成にも有効であり、一部のFacebookグループにコミュニティチャットを導入したところ、FacebookとMessenger全体で昨年12月にコミュニティチャットを試す人の数が50%増加したという。

現在FacebookアプリでMessengerのインボックスにアクセスする機能をテストしており、近々そのテストを拡大する計画。今年はさらに1年を通じて、Facebookにメッセージング機能を統合していく方法を構築していく。