フィデリティ投信は3月7日、「女性のお金の事情や経済的自立、ウェルビーイング(幸福度・満足度)等に関する調査結果」の結果を発表した。同調査は2022年12月22日~2023年1月10日、2,101人(女性1,050人、男性1,051人)を対象に、インターネットで実施した。

  • 職場や家庭でのジェンダー格差について

最初に、職場や家庭でのジェンダー格差について尋ねた。男女で最も差が多かったのは、「育児や家事の負担が軽くなればもっと働きたい」という回答で、男性は13%のところ、女性は29%と倍以上になっている。「家事や家事の負担が少なければ、今よりも賃金が高く昇進していたと思う」と回答する女性も18%おり、キャリアロスを経験した女性も2割程存在していることがわかった。

経済的自立を高めるために、最も効果的なことを聞くと、男女とも「より高い賃金」と答えた。「政府や企業による男女の賃金格差改善への取り組み」と回答した割合は、男性よりも女性の方が、1.5倍高かった(男性10%、女性15%)。

  • 経済的自立を高めるために、最も効果的なこと

年金や貯蓄などで必要な老後資金をまかなえると思うか尋ねると、男性の50%、女性の56%が「思わない」と答えた。私的年金を通じた老後資金の準備を行っていない理由を聞くと、「どこで情報を得たらよいかわからない」や「不確実な将来に備えるより、今を充実させたい」といった声が女性から多く寄せられた。

老後資金を増やすためにやろうと考えていることはあるか聞くと、「支出を減らす」「長く仕事を続ける」が男女とも多かった。

  • 老後資金を増やすためにやろうと考えていること

「自分のお金を積極的に管理している」と「自分のお金を管理することに興味がある」の2項目では、女性の方が男性よりもポジティブな回答が多かった。しかし、お金に関する知識に自信を持っている人は、男性では24%だったのに対し、女性では15%に留まり、56%の人は自信がないと回答している。

  • 女性の方がお金の管理に興味があり、積極的に管理している

自身はどのくらい経済的に自立していると思うか聞くと、46%の女性が「全く思わない」「あまり思わない」と回答した。今よりも経済的に自立したいと考えている女性は50%となっている。

女性のお金の事情(直近3年間の推移)についての調査では、前年度、投資額を増やした人は男女ともに前年比で倍増したが、今回は女性は前年の半分以下に留まっている(2022年20%、2023年9%)。女性の63%が「貯蓄や投資をうまくやる自信がない」と回答した。

  • 女性のお金の事情(直近3年間の推移)