フジテレビのドラマ『#who am I』(7日スタート、毎週火曜24:25~ ※関東ローカル)で、単独初主演を飾る関水渚。早くも今年3本目のドラマ出演ということで、ハードなスケジュールでも充実感を覚えているようだ。そうした中で意識する現場の空気作りや、周囲のスタッフから受ける刺激とは――。
■展開の早い作品「なかなか難しいかも」
今回の作品に、「展開がものすごくあって、この人を信じたのに、やっぱり信じられなくなる…というのが1話のうちに何回も起こったりするので、それについていくお芝居を表現するのが、なかなか難しいかもなと思いました」という関水。
記憶喪失の役柄だけに、「まっさらで何も考えずにやるっていう手もあるかなって思ったんです」というが、「記憶がなくなっていたとしても、今までの体で覚えている癖とか口癖とかは表れてくるものなのかもと思ったので、細かく役作りをしていくことにしました」と、監督にも相談しながら準備を進めた。
■「頭の中が一気にクリアになった」大地真央の存在感
大河ドラマ『どうする家康』(NHK)、ヒロイン役の『ハマる男に蹴りたい女』(テレビ朝日)に続き、早くも今年3本目のドラマとなる今作。「充実感はすごくあります」といい、「私が今知っているお芝居のことや世の中のことって、すべてまだ少ないと思うんです。そういう状態で、精神面でも技術面でも私よりはるか上を行くスタッフさんや、共演者の方のお芝居を見たり、一緒にお芝居をして心が動かされるんです」と、吸収することが多いのだという。
特に、『ハマる男に蹴りたい女』で共演した大地真央には、「それまで撮影がずっと続いて、頭がもうパンパンでぐるぐるしちゃってたんですけど、大地さんと初めてお芝居をさせていただいたら、頭の中が一気にクリアになって、まっすぐ向き合うことができたんです。大スター、大女優さんというのは、こういうことなんだなと実感して、2023年で最初に印象的な出来事でした」と、圧倒された。
この作品のクランクアップ翌々日が、『#who am I』の初日というハードなスケジュール。「『ハマ蹴り』の撮影が結構夜遅くに終わってから家に帰ってきて、“うわ~!! 西島いつか(役名)から解放されたーー!!”って大声を出してから、『#who am I』の台本を読んで覚えました」と多忙なリレーになったが、「お仕事のない時期は『休みいらない』とずっと言ってたので、それが今かなっていて、すごく幸せなんです」と、改めて充実を実感。
「さすがに10日くらいやったら1日くらいは休み欲しいですけど(笑)」と本音を吐露しつつ、「やっぱり一番やりたかったことだし、本当に現状に感謝してます」と笑顔で話した。
■周囲の姿勢からも主演の自覚「奮い立たされる」
初の単独主演に、「プレッシャーや責任感はもちろんすごく毎日感じています」としながら、「やっぱり私が一番ちゃんとしていなきゃいけないという思いがあります。シリアスな内容なので、みんなで楽しくおしゃべりしているところからいきなり本番に入って切り替わってやったお芝居じゃ、伝わるものが少ないんじゃないかと思うんです。明るい作品のときは、現場でよくしゃべっていたりしてたんですけど、今回は話しかけられても、そこでどんどん盛り上がっていくのはやめようと思って。私がやってしまったら、それがOKな現場なんだとみんな思ってしまうので、気をつけるようにしています」と、座長として一定の緊張感を作り出すことを意識。
一方で、親友役を演じる森田想とは、「家がとても近くて、住んでる番地も一緒で、生まれた病院まで同じだったんです!」と、まさかの共通点が。「撮影が終わって、2人で一緒に電車で帰ったんですが、1時間くらいずっとお腹痛くなるまで笑って帰りました(笑)。一緒にいるとすごく楽しいんです」と、オン・オフを切り替えてコミュニケーションをとっているそうだ。
また、昨年出演したドラマ『元彼の遺言状』(フジテレビ)で一緒だったスタッフが何人か参加しているが、「カメラアシスタントだった方が、今回はチーフになってらっしゃったりして、他のスタッフの方もそうなんですけど、このハードな撮影の中でも、監督に求められたことにすぐ『分かりました』ってサラッとやってのけているんです。チーフになって責任感も重くなっていると思うのですが、すごく堂々としてらっしゃって、その働いている姿に私もすごく奮い立たされています」と、周囲の姿勢からも主演としての自覚を感じている。
そんな今作は、「エグすぎる考察型SNSサスペンス」を標榜。「私が演じる茜の主観で、自分の過去を探って、誰が味方か、裏切り者かを知っていく作品なので、その目線で一緒に楽しんで、謎解きのような感じで見ていただいたら、楽しんでいただけるのではないかと思います」と呼びかけた。
●関水渚
1998年生まれ、神奈川県出身。17年4月「アクエリアス」のCMでデビューし、CM、雑誌などで活躍。19年、1,000人を超えるオーディションで映画『町田くんの世界』の主演に選ばれ、第74回毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞、第62回ブルーリボン賞新人賞などを受賞。主な出演作に映画『カイジ ファイナルゲーム』『コンフィデンスマンJP プリンセス編/英雄編』『いつか、いつも……いつまでも。』、ドラマ『4分間のマリーゴールド』『八月は夜のバッティングセンターで。』『元彼の遺言状』『どうする家康』『ハマる男に蹴りたい女』など。