日本貿易振興機構(ジェトロ)は2月、「2022年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査期間は2022年11月17日~12月20日、調査対象は同機構サービス利用企業(海外ビジネスに関心の高い日本企業)、有効回答は3,118社。
2022年の輸出見通しを聞くと、半数近い49.0%が「増加」と回答。一方、「横ばい」は35.7%、「減少」は15.3%だった。業種別では、家具・建材、紙製品、飲食料品などで増加の割合が高く、同調査では「海外需要の増大や円安が輸出増加を後押しした」と分析している。
輸出を行っている企業に今後3年間の輸出方針を尋ねると、「さらに拡大」は72.5%で前年度と比べ12.2ポイント減少。輸出を行っていない企業でも、「新たに取り組みたい」は20.0%にとどまり、前年度より13.5ポイント減少した。
今後3年程度の海外進出方針を調べると、すでに海外拠点を持つ企業では、49.1%(前年度41.6%)が「現状を維持する」と回答。一方、「さらに拡大を図る」は43.5%(2019年度66.9%、2020年度53.3%、2021年度54.4%)と過去3年間の割合と比べて大幅に低下した。
なお、海外拠点を持たない企業では、「新たに進出したい」とした割合は40.9%で、過去3年間ほぼ横ばいが続いている。
海外ビジネス(一部含む)の国内拠点への移管については、「実施済み/予定」の企業は4.3%で、「検討中」の8.6%を合わせると、約13%が国内移管を実施または検討中であることがわかった。理由については、全体では「進出先のビジネスコストの増加」(59.0%)が最も多かったほか、製造業では40.5%が「国際輸送の混乱・物流費の高騰」をあげていた。
また、円安の進行が2022年の業績に与える影響について質問したところ、「全体としてマイナスの影響がある」が47%を占め、「全体としてプラスの影響がある」の16.5%を大きく上回った。