米Microsoftがブラウザ「Microsoft Edge」の開発者向けプレビュープログラムで、AIを利用して動画の解像度を上げる「Video Super Resolution」(VSR)の実験的な提供を開始した。Web映像コンテンツを高解像度モニターで視聴する場合などに活用できる機能だ。
3月6日時点でVSRはEdge InsiderプログラムのCanaryチャンネルで参加者の半数に提供しており、以下のような条件を満たしている場合に同機能を利用できる。
- NVIDIA RTX 20/30/40シリーズ、またはAMD RX5700-RX7800シリーズのGPU
- 解像度が720p未満の動画
- 映像の縦と横がどちらも192ピクセル以上
- AC電源に接続
- PlayReadyやWidevineなどデジタル著作権管理(DRM)技術で保護されていない動画(Netflix、HuluなどDRMで保護されているビデオストリーミングサービスのコンテンツをアップスケールすることはできない)
複数のGPUを搭載したノートPCではハイブリッドGPUが自動的にサポートされるように取り組んでいる。また、ディスクリートGPUでVSRを実行するようにユーザーがWindowsで設定することも可能。
Microsoftによると、Edgeで再生されている動画の3本に1本が480p以下でストリーミングされている。低解像度で配信されていたり、ネットワーク帯域が細い、あるいは元の動画が低解像度であるなど原因は様々であり、端末でのアップスケーリングは原因の違いに関わらずEdgeユーザーがより鮮明な映像でストリーミングを楽しめるソリューションになる。
MicrosoftのEdge向け映像アップスケール機能はこれが初めてではなく、昨年6月にクラウドゲーミングサービス「Xbox Cloud Gaming」のゲーム表示を端末側でアップスケーリングしてクリアかつシャープに向上させる「Clarity Boost」をEdgeに追加している。
また、NVIDIAも今年1月にWebブラウザ向けの映像アップスケール機能「RTX Video Super Resolution」を発表、2月に提供を開始した。同社の機能はEdgeブラウザとGoogle Chromeブラウザで使用できるが、対応GPUがGeForce RTX 40シリーズおよび30シリーズに限られる。