鉄道・運輸機構と相模鉄道、東急電鉄は、相鉄・東急直通線(相鉄新横浜線・東急新横浜線)のしゅん功開業式典と列車試乗会、新綱島駅見学会を3月5日に実施した。新横浜駅から試乗列車に乗車し、東急新横浜線の新駅、新綱島駅へ。ホーム階・改札階など見学できた。
相鉄20000系の試乗列車は、新横浜駅から4~5分ほどで新綱島駅に到着。ドアが開く前に見えた新駅は1面2線の島式ホームだった。上り線を進んできた試乗列車は2番線ホームに停車する。このホームには、「東横線 渋谷」「副都心線 池袋」「目黒線 目黒」「南北線 赤羽岩淵」「三田線 西高島平」と5方面の行先が示され、他に類を見ない鉄道ネットワークを感じさせるものとなっている。
1番線ホームは下り列車が使用し、「東急新横浜線 新横浜」「相模線 二俣川」方面と示された。1・2番線ホームともにホームドアもしっかり整備されている。
新綱島駅のホームは地下4階、地表から約35mという深いところにある。鶴見川と東急東横線の下にあることを意識してつくられたとの説明もあった。地下駅の延長は約240m、ホーム延長は205m、ホーム幅は最大8.5mとなる。
新横浜方の延長205.5mは開削工法でつくられた。狭い場所での工事となるため、従来工法において仮説土留と躯体壁を必要としたが、新綱島駅の工事では土留壁が本体を兼ねることにより、必要な用地の幅を狭くできるようにした。日吉方の34.5mは角形鋼管推進工による非開削工法で築造。鋼管を土の中で推し進めてそれをつなげ、土砂を取るやり方だという。
■ホームから地上までの間で「綱島の町の移り変わり」表現
新綱島駅は「綱島の町の移り変わりを感じる駅」をコンセプトにしている。ホーム階である地下4階は、明治以前の「川の町」をコンセプトとしており、鶴見川の本流・支流に囲まれた地域で発展した歴史を表現するため、青色や水色を散りばめた。地下3階の改札内コンコースからエスカレーターにかけて、明治から戦前の「桃の町」をコンセプトに、川の氾濫を利用した桃栽培の町であったことを表現している。
地下1階の改札階は、戦後からの「温泉の町」をコンセプトとしている。綱島はかつて「東京の奥座敷」と呼ばれていた。地上出入口は「未来へ発展する町」をコンセプトに、歴史性を大切にしつつ、発展し続ける「和モダン」の町であることを表現。新綱島駅のホームから地上に出るまでの間に、綱島の町の移り変わりを感じるとともに、地域の歴史について触れられるようになっている。
新綱島駅の改札口正面の壁に、発光するガラスパネル(導光板)が設置された。桃栽培の町として発展してきた綱島にちなみ、さまざまな色の光で移ろう季節に彩られた桃の木をデザインしている。
ホームから改札階までのエスカレーターは長く、地上出入口まで時間がかかる構造になっているものの、ホーム階から改札階、改札階から地上までエスカレーターが完備されている。改札内の精算機、改札外の券売機には空きスペースがあった。地上に出ると、駅周辺はいまだ工事中であり、再開発が行われていた。