京都府、JR西日本、お茶の京都DMO(一般社団法人京都山城地域振興社)は4日、加茂駅4番線ホームにて関西本線「お茶の京都トレイン」の出発式を開催した。その後、加茂駅から大河原駅まで内覧・試乗会も行われた。
関西本線「お茶の京都トレイン」に使用する車両は、非電化区間の亀山~加茂間で活躍するキハ120形2両。ラッピングは自然豊かな関西本線の沿線に映えるように制作された。車両全体が明るい雰囲気になり、車両そのものに乗りたくなるようなポップさを演出した。使われた柄のモチーフは茶畑・茶摘み衣装・茶道具の3種。内装において、中吊り広告の部分に暖簾(のれん)を取り付け、吊り革のさやにも3種の柄を施した。車内外ともに楽しくなるしかけが詰め込まれた車両といえる。
一方、関西本線の亀山~加茂間は近年、乗客減に悩んでいる。昨年4月、JR西日本が発表した「ローカル線に関する課題認識と情報開示について」において、同区間は2019年度の輸送密度が1日あたり2,000人未満であることが明らかになった。そこで京都府も危機感を覚え、関西本線の利用促進の一環として、今回の「お茶の京都トレイン」に携わったという経緯がある。なお、関西本線亀山~加茂間の沿線自治体である木津川市、笠置町、南山城村は、京都山城エリア「お茶の京都」に含まれ、お茶にまつわるさまざまな取組みを実施している。
出発式で京都府副知事の鈴木貴典氏は、関西本線亀山~加茂間について、「昨年4月にJR西日本が公表した赤字路線に含まれた路線であり、引き続き利用促進を図っていかないといけないという認識です。『お茶の京都トレイン』をきっかけにして、多くの観光客にお越しいただき、利用促進をしっかり進めていきたい」と述べた。
JR西日本阪奈支社長の水口英樹氏は、「JR西日本としても、しっかりと『お茶の京都トレイン』をPRして、お越しいただいて楽しんでもらえる関西本線にしたい」と、「お茶の京都トレイン」への期待を示した。
出発式の後、来賓・関係者が参加する「お茶の京都トレイン」の内覧・試乗会を実施。10時51分に加茂駅を発車し、大河原駅まで往復した。進行方向左側に木津川が見える中、参加者たちはポップな演出を楽しみながら、沿線の車窓風景を中心とした話に花を咲かせていた。
キハ120形の「お茶の京都トレイン」は、関西本線亀山~加茂間で3年程度運行予定とのこと。限定運用はないという。なお、3月16日から奈良線でも「お茶の京都トレイン」(221系6両編成)が運行開始する予定。当日、宇治駅1番線ホームで出発式が開催される。