住宅ローン比較サイト『モゲチェック』を運営する株式会社MFSが、3月の金利情報についてお伝えします。解説は、堀江勇介チーフアナリストです。
■3月の住宅ローン金利の動き
2023年3月の住宅ローン金利の情報をお知らせします。
変動金利は安定した低金利が続いています。
固定金利は銀行によって上昇・低下が入り混じっています。そうした中で、全期間固定金利の代表格であるフラット35は、先月に引き続き大幅な上昇となりました。フラット35はこれで6カ月連続の上昇となり、2%の大台が近づいてきました。
変動金利・固定金利の対称的な動きが続いていることから、変動・固定(フラット35)の金利差は今月も過去最大を更新しています。総返済額に約1,100万円もの差が出る可能性があり、引き続き変動金利が優位な状況だと考えています。モゲチェックでは引き続き、安定した低金利が続くと予想される変動金利をおすすめします。
■日銀の金融緩和政策修正の影響は?
昨年12月に日銀が金融緩和政策の修正を発表して以降、国内金利は大きく上昇しています。その後は目立った変更はされていませんが、4月に新総裁に就任する植田和男氏のもと、今後さらなる政策修正の可能性があります。
この際、影響を受けるのは固定金利となるでしょう。固定金利に影響する「長期金利(10年国債利回り)」に関する金融緩和政策を巡り、今後日銀内でメスを入れる検討が始まるかもしれません。現在は世界的な金利上昇局面であり、さらなる政策修正の場合は長期金利が上昇することで、固定金利に上昇圧力がかかると予想されます。
一方、変動金利に影響する日銀のマイナス金利政策は今後も変わらないとみられることから、変動金利が本格的に上昇する局面からはほど遠いと見られます。
■住宅ローンインデックスの動き
主要なネット銀行、メガバンク、地方銀行の変動金利、メガバンクの10年固定金利、フラット35の金利をそれぞれ平均したモゲチェックの独自指標、「住宅ローン金利インデックス」の動きは下図の通りです。
変動金利はネット銀行を中心とした低下が続いており、メガバンクや地方銀行も追随。一方、フラット35は上昇傾向が止まらず、現行商品で最も高い金利水準となっています。
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