元ザ・コインロッカーズのメンバーである船井美玖と宇都宮未来の2人によるユニット・月刊PAMがこのほど、プレデビューイベント「EDITING NOW」をloft shibuya9で行った。
開演前の会場にはフジファブリックの「夜明けのビート」やサニーデイ・サービスの「春の風」など、2人が好んで聴いている楽曲が流れる中、イベントはライブからスタート。ザ・コインロッカーズ時代にともにステージに立った経験はあるが、2人だけでステージに立つのは初めての経験となる。期待が高まる中、開演時刻の18時30分を少し過ぎた18時37分、このイベントのために制作されたラジオ収録の映像がステージ上のスクリーンに流れ始める。そして映像の最後に2人でライブの1曲目に披露する曲を紹介する。
記念すべき月刊PAMの船出を飾るのは「くゆりゆく」。この曲は2人が出会う前からお互いに好きだった、ふぇのたす・ヤマモトショウ書き下ろしである。おもむろにステージに登場し背中合わせになる2人。エレクトロポップな曲調に合わせ最初に歌い出したのは船井。その歌声に宇都宮が続く。ステージ上で交差しながらサビでは2人の声が重なり合う。続く2曲目はホフディラン・小宮山雄飛のソロプロジェクト・BANKSのカバー「さいきんぼくは」。観客の中から自然にハンドクラップが発生し、フォーキーなサウンドに乗った2人の歌声に力を与える。
3曲目の「okay」はUVERworldや井上苑子の楽曲を手がける柴山慧が作詞作曲したナンバー。キュートなガールポップで、ライブ開始直後はやや緊張も感じられた2人の表情もぐっとやわらかくなり、笑顔も増えている。間奏では観客にウェーブを促し、最後は振り向きざまのダブルオッケーポーズでパフォーマンスを締めた。その後、ステージは暗転。ステージ上のスクリーンにはレッスン風景や2人が歩く渋谷の街並みの映像が映し出される。
映像が終わると2人は再びステージへ。プレデビューライブのラストを飾るのは、おやすみホログラムのプロデューサー・オガワコウイチ作詞作曲による『息をする旅』。「歌い上げるような曲が欲しい」という2人の願いに応えたこの曲は、疾走感あふれる生バンドのロックサウンドに乗せて、エモーショナルな歌の魅力が表現されている。それまでの笑顔とは一転した2人の表情がシリアスな曲調とも相まって気持ちを熱くさせる。両手を挙げ、人差し指を天にかざす2人。こうしてあっという間のプレデビューライブは終了となった。
もともと宇都宮未来の歌はザ・コインロッカーズ時代から定評があり、そのポテンシャルはこの日のライブでも確かに証明されていた。一方、ザ・コインロッカーズ時代の船井美玖は、声そのものには魅力があるものの、こと歌唱力という点においては不安視される部分が少なからずあったかもしれない。しかし、この日のライブでの彼女の歌声はナチュラルなフェイクも含め成長著しいものだった。
ライブ終了後は、2人はパーソナリティを務める広島RCCラジオ『船井美玖と宇都宮未来のラジオ編集会議』の公開収録が行われた。プロインタビュアーの吉田豪をゲストに迎えた収録は、3人の共通項である秋元康氏の話から、ザ・コインロッカーズ時代の話、月刊PAMのマネージャーの話など、和気あいあいとしながらも本音が飛び交うトークが繰り広げられた。今後はホフディランの小宮山雄飛からの新曲提供、さらには月刊PAMとしてのYouTubeチャンネル開設やnoteでのインタビュー記事公開、船井美玖の生誕祭の開催など、さまざまな展開が予定されており、春の訪れとともに彼女たちの歌声や姿を見かける機会もきっと増えていくことだろう。
2月25日(土)月刊 PAMプレデビューイベントセットリスト
- M1『くゆりゆく』(作詞・作曲・編曲:ヤマモトショウ)
元ふぇのたすで、昨年SNSから話題になった『わたしの一番かわいいところ』(FRUITS ZIPPER)の楽曲提供やアイドルグループ・fishbowlのプロデュースを手がけるヤマモトショウによるプロデュース。
- M2『さいきんぼくは』(作詞・作曲:小宮山雄飛)
ホフディラン・小宮山雄飛のソロプロジェクト「BANKS」の楽曲カバー。
- M3『okay』(作詞・作曲・編曲:柴山慧)
UVERworld、井上苑子、FTISLAND(エフティー・アイランド)らの楽曲を手がけている柴山慧(シバヤマサトシ)作詞・作曲。
- M4『息をする旅』(作詞・作曲・編曲:オガワコウイチ)
おやすみホログラムのプロデュースを手がけるオガワコウイチによる楽曲。