クアルコムとタレスは2月28日、スペイン・バルセロナで開催中の「MWC Barcelona 2023」において、ハイエンドスマートフォン向けSoC「Snapdragon 8 Gen 2」に内蔵されている「iSIM」がGSMAによるセキュリティ認定を受けたことを発表した。
iSIM(integrated SIM、統合型SIM)とは、従来のeSIM対応端末であれば契約情報を格納するための専用チップ(セキュアエレメント)を端末に搭載する必要があったところ、SoCの一機能として同等の役割を持たせる構想。省スペース化やコスト削減につながるとして、コンシューマー向け端末だけでなくIoT分野でも期待されている。
今回のGSMAによるセキュリティ認定は、最新世代のeSIMと同等のセキュリティ水準をiSIMでも達成できたことを意味する。これにより、Snapdragon 8 Gen 2は世界初の「GSMA準拠iSIM」を実現した商用製品になったとクアルコムはアピールする。
同社のiSIM実現に向けた準備はSnapdragon 8 Gen 2以前から進められており、2021年12月の「Snapdragon 8 Gen 1」発表時には「Trust Management Engine」と称し、SoC内にiSIMの実装を見据えたセキュア領域を用意していることが明かされていた。