「優柔不断な人」と思われることは避けたいと思っていても、物事をすぱっと決断するのはなかなか難しいですよね。優柔不断を改善したいなら、いくつかのポイントがあります。
また、優柔不断であることは短所として挙げられやすい一方で、メリットもあります。今回は優柔不断とは何かの解説はもちろん、優柔不断な人の特徴や長所・短所、直し方などをまとめました。
優柔不断とは
まずは「優柔不断」という言葉の意味や、優柔不断な人とはどういう人のことを指すのかについて確認しましょう。
四字熟語「優柔不断」の言葉としての意味
「優柔」は優しく物柔らかなことや物事に煮えきらないこと、「不断」は絶え間なく続くことや決断力に欠けることを指します。
「優柔不断」とは、それぞれの後者の意味から、なかなか決断することができない状態を指す言葉です。四字熟語として長く使われているということは、優柔不断な人は昔からいたようですね。
優柔不断な人とは
一般的に「優柔不断な人」とは、まったく決断しない人や、何でもいいと思って投げやりな人というよりは、決断に時間がかかることが多い人のことを指します。自分の意見を持っていないわけではないのに、なかなか決定することができない人が「優柔不断な人」と呼ばれてしまうのです。
優柔不断な人の特徴、性格とは
優柔不断な人は、何も決めない人とは違います。なかなか「これが正しい」と決断できない理由は、性格にありそうです。
ここでは優柔不断な人の性格や特徴について、もう少し詳しく見ていきましょう。
熟考するため、答えを決めるまでに時間がかかる
優柔不断な人は、熟考し、答えを決めるまでに時間がかかる傾向があります。
それは物事のリスクを見極め、慎重に判断しようとするからです。それを選んだ結果、何が起こるのかを真剣に考え続ける優柔不断さんは、十分な情報か集まるまでは決断を下せないのです。
答えを出すのを後回しにしてしまう
答えを出すということは、その決断に責任を持つということでもあります。優柔不断さんの多くは、自分の答えに絶対の確信を持つことがありません。ありとあらゆるシミュレーションを重ねた結果、どれを選んでも短所と長所があることを知っているからです。
そのため、確信がない状態で責任を負うことに恐れて、決断をできるだけ後回しにしようとする場合があります。
答えは出ているのに、自信がなくて言い出せない
どうにか答えを導き出した優柔不断さんでも、それを言い出せないことがあります。自信がないからです。一生懸命考えて導き出した答えが間違っていたら、誰だって落ち込みます。嫌われたくない相手が一緒のときはなおさらです。
普段はそれほどでもないのに、好きな人や尊敬する人の前では優柔不断になってしまうという人は、このタイプかもしれません。
答えは出ているのに、他者を優先して謙遜する
答えが出ていても言い出せない優柔不断さんは、他人の答えに追随することもよくあります。他人の意見の方が優れているのでは、と考えてしまうからです。また、他の人が行きたい場所や好きな食べ物を選びたいという優しさから、優柔不断になる人もいます。
その結果、「自分の考えがない人」だと思われて信頼をなくすこともあるのです。
答えが分からない
優柔不断な態度を取るのは、そもそも答えがわからないから、ということもあります。知らないことや初めての場所で何かを決めるのは難しいことです。そんなときには、他の人の意見にうなずくことすら迷う場合もあるでしょう。
「知らない」ということを言い出せず、曖昧な態度で悩み続けると、周囲の人をイライラさせる結果につながってしまいます。
優柔不断であることの短所
優柔不断な人は、周りから信頼を得られにくく、軽んじられてしまうこともあるかもしれません。「あの人は優柔不断だ」と言われてしまうことの短所やデメリットをまとめました。
物事がなかなか進行しない
優柔不断な人は、決断に時間がかかります。そのため次の行動が決まらず、集団で動く時には迷惑をかけてしまうことが多いでしょう。
リーダーの立場の人が優柔不断だと、特に困ったことになりがちです。
チャンスを逃す
物事にはタイミングがあります。行動するべき時にぐずぐずしていると、チャンスを逃してしまうことも。
仕事でもプライベートでも、「いま」というときに決断できない優柔不断さんは、知らないうちに大きな損害を被っているかもしれません。
優柔不断であることの長所
周りにも自分にもデメリットの多そうな優柔不断さんですが、それが長所として役立つこともあります。次は優柔不断であることの長所、メリットを見てみましょう。
慎重派でありミスが少ない
何かを決める前によく考えることが、優柔不断さんの特徴です。言い換えればそれは、慎重であるということ。ミスが少なく、確実に仕事をやり遂げる優柔不断さんは、「実直な人」として評価を高めているかもしれません。
危機管理能力がありリスク回避ができる
あらゆる結果を想定し、ベストを尽くそうとする優柔不断さんの態度は、危機管理にも役立ちます。直観で「コレ!」と決めてしまう人をいさめ、想定しうるリスクを教えられるのは慎重な優柔不断さんの魅力です。
物事の矛盾や不具合に気が付きやすく、トラブルを事前に防ぐ頼もしい存在といえます。
人の意見に耳を傾けられる
自分の意見に自信のない優柔不断さんは、その分、他人の意見をよく聞く傾向にあります。聞き上手の優柔不断さんなら、話すのが苦手な人も安心です。いろいろな人の意見を聞き、最終的にまとめるのは、集団の中でも最も重要な能力の一つです。
優柔不断の直し方
メリットも多い優柔不断な性格ですが、やはり直したい、という人もいるでしょう。そうしたときにはどうすればいいのでしょうか。
次は、優柔不断な性格の直し方について紹介します。
完璧主義をやめる
優柔不断さんが考え込んでしまう原因の一つは、「完璧な答え」を求めることです。欠点のない、最も良い答えを探して悩むせいで、決断が遅くなるのです。
しかし、物事にはいろんな側面があるため、どこから見ても完璧な答えというものはありません。完璧でなくともいいと考えることが、優柔不断な性格を変える第一歩です。
決断までの締め切りを設ける
決断に時間がかかるのであれば、その時間を区切ってしまうのも一つの手です。「30分だけ」「1日だけ」などと時間を区切り、それ以上は「時間切れ」として切り上げる練習をしてみましょう。
心から納得のいかない答えでも、まずは時間内に決断する癖をつけることが重要です。練習を続けるうちに、適度な時間で意見をまとめる方法が身につくはずです。
過去の失敗を振り返らない
過去に失敗した記憶があると、それがトラウマになって優柔不断な態度を取ってしまうことがあります。
失敗は誰にでもあります。過去の失敗よりも、なかなか決断できないことで競合に後れをとったり、仕事が増えてしまったりして評判を落とす方がマイナスです。失敗を恐れず、前向きに物事を考える訓練を重ねましょう。
自信をつけて自己主張できるようになる
自信がない人は、自己主張が苦手です。人前で意見を述べることを避けたがるので、結果的に決断が遅く、優柔不断になります。
自信をつけるには、まずは自分を認めてあげることが大切です。仕事や趣味、好きなものなど、なんでもかまいません。自分ができること、熱中していることを数え、それを認めましょう。
自己肯定感が高くなれば、きっと人前での決断もしやすくなりますよ。
優柔不断の英語表現
優柔不断を英語で言うと、「indecisive」。「決定的」という意味の「decisive」に否定を意味する接頭語の「in」がついて、「優柔不断な、ぐずぐずと決められない」という単語になります。
「彼女は優柔不断な人だ」は、「She is an indecisive character」と表せます。
優柔不断であることはデメリットにもメリットにもなりうる
「自分は優柔不断だから…」と思うことは、自信の喪失につながります。まずは自分を認め、受け入れてあげましょう。
また優柔不断であることは、長所にもなりうるのです。物事を熟考し、人の意見をよく聞くあなたを認めてくれている人も、きっといるはずですよ! 慎重派でありミスが少なく、リスク回避ができる性質が生かせる仕事もたくさんあります。
自分を信じて、生き生きと毎日を送りましょう。