寒い冬はエアコンや床暖房、電気ヒーターなどの暖房家電につい頼りがちになってしまいます。そのため「1月〜3月」の寒さが厳しい時期の電気代は、1年間で最も高くなる傾向にあります。寒い家で過ごすのは嫌ですが、高い電気代を払う事も辛いというのが多くの人の本音でしょう。特に、物価高による家計への負担が増えている今のご時世であれば尚更です。今回はそんな状況を少しでも改善するために、2023年冬の節約術5選を紹介します。
物価高は続く
2022年はまさに「値上げの1年間」といえ、様々なものが値上がりしました。値上がりしていないモノを見つける方が難しかったかもしれません。
私たちの生活に必要なモノの値段も上がり、物価高による家計への影響を大きく感じた1年だったでしょう。
状況は好転せず、2023年に入っても物価高が続くことが予測されています。主要な食品や飲料メーカー各社が既に1月〜4月に実施する値上げを発表しており、その品目数は前年のペースを遥かに上回る「1万2,054品目」に達しています。
値上げを発表しているのは、飲食料品メーカーだけではありません。私たちの生活に大きく関わる光熱費も、既に大手電力会社6社が政府に対して4月または6月以降の値上げ申請を実施しています。
この申請の値上げ率は30%〜40%前後となっていて、一般家庭2人暮らしの全国平均電気代は8,820円ですので、同世帯の家庭では大体2,500円〜3,000円前後上がる事が予測されます。
また、「原油・液化天然ガス(LNG)、石炭」などの燃料費に大きく影響を及ぼしている、ウクライナ情勢や為替の状況もまだまだ不透明です。
そういった背景を考えると、燃料価格高騰による物価への影響も、この先楽観視は出来ません。
このように私たちの生活に関わるモノの価格は、2023年にも上がり続ける事が予測されなか、少しでも日々の生活で節約をする事が、家計を守る上でとても大切なポイントになってきます。
厳しい冬を乗り越えよう
1月には10年に1度の大寒波が日本列島を襲うなど今年に入り冬の厳しさを実感し、自宅では暖房機器をフル稼働して過ごしている人も多いはずです。
その反面、1ヶ月の光熱費の請求額が予想以上に高くなり家計への負担を感じているのではないでしょうか。
「寒さ」と「家計への圧迫」といった2つの意味で厳しさがあるのが、今年の冬の特徴といえます。 しかし、気温や物価上昇などコントロールできない事に対して、不平不満を言っていても状況は何も良くなりません。
暖房機器を効率的に使い工夫をし、生活費を節約していく事が家計を守るための術を覚える事が重要です。
冬の節約術を紹介
物価高が続いている今、無防備な状態で暖房機器などをフル稼働していると家計はどんどん厳しくなるばかりです。
反対に、寒い冬を乗り越えながら家計を楽にしてくれる節約術も沢山存在しています。 この章では、誰でも簡単に活用できる節約術を紹介しますので参考ください。
暖房を工夫しよう
一般的な4人家族の電気代1年間の月平均が1万1,367円で、冬(1月~3月)の月平均は16,286円となっており、5,000円ほど冬の期間は電気代が高くなる傾向にあります。
この要因は、暖房機器を使う頻度が増える事と暖房の消費電力が大きくなりやすいという点にあるでしょう。
ここでは、ほとんどの人が使っているエアコンの効率的な使い方を紹介していきます。 なぜ冬のエアコンが他の季節よりも電気代が高くなるのでしょうか。 それは部屋の室温と外気温の差が大きく、それに応じて消費電力(kWh)の差が大きくなってしまうためです。
極力この消費電力を小さくする工夫が出来れば節約に繋がりますので、以下2つを参考にして下さい。
【エアコン効率的な使い方】
◆こまめに消すよりも、つけっぱなしにする
30分間こまめに「つけたり、消したり」するよりも、「24時間つけっぱなし」の方が消費電力が抑えられることが分かっています。※長時間外出する場合は、消した方が消費電力は抑えられます。
統計局ホームページ/家計調査(家計収支編) 調査結果 (stat.go.jp)
◆設定温度を見直す
部屋の室内温度と外気温の差を2度近づけるだけで、20%程の消費電力が節約される事が分かっています。※環境省のエアコン温度の推奨は20度です。
少し意識を変えるだけでも、十分暖房は節約できるので確認するようにしてください。
冷蔵庫の設定温度
24時間稼働している冷蔵庫は、一般家庭の全消費電力の中で1番・2番を争うほど消費電力が高いため、効率的に使い節約していく事が大事です。
【冷蔵庫の効率的な使い方】
◆設定温度を変更する
冷蔵庫の内の温度は外気温(室温)の影響を受けるため、寒い冬は設定温度を「強」から「中または弱」に変更する事をおすすめします。
環境省の発表によると、冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」に変更するだけでも消費電力が年間で61.7kWh削減でき、金額にすると1,600円程度の節約に繋がるようです。
機能性の高い服を活用
寒い冬を乗り切るために暖房機器を使う事に目が行きがちですが、暖かく機能性の高い服を部屋着として活用することも節約につながります。
例えば、ユニクロのヒートテックは「特殊な繊維で体内から出る水蒸気(汗)を、吸着し熱に換えるという発熱の機能性」を持っています。
このような、機能性を持った服は沢山ありますので部屋着として活用してみても良いかもしれません。
また、暖かい機能性を持った服を素材で選ぶ場合「ウールや機能性ポリエステル、フェザー」などがおすすめです。生地で選ぶ場合は、表面が起毛加工されていて保湿・保温性が高い「フランネル地」や、毛羽だった綿繊維が熱を吸収してくれる「コットンパイル地」などを選ぶようにすると良いでしょう。
鍋料理を活用
寒い冬には暖かい鍋料理を活用して身体の中から温める事も、無駄に暖房機器などを使わないためにはおすすめです。
ぐつぐつと煮込む鍋から上がる湯気だけで室内温度は高くなりますし、更に食べる事で身体がポカポカと温まります。
冬に温まる鍋として「キムチ鍋や豆乳鍋」などが人気です。
肉や魚などのたんぱく質、ショウガなどに含まれるジンゲロンなどの成分は、身体温度を上げる効果があるので鍋の中の具材として取り入れてみると良いかもしれません。
家での楽しみを活用
寒さを乗り切る上では、家の中を快適に楽しく過ごせるように生活を工夫してみる事も活用してください。 おすすめの、冬の家での楽しみ方を紹介しますので参考にしてください。
【寒さを乗り切る家での楽しみ方】
〇暖かい飲みもの
朝起きた時、帰宅した時、夜寝る前、食後など自分が決めた時間に毎日暖かい飲み物(コーヒーやココアなど)を飲む習慣は、身体を温めるだけでなくリラックス効果も実感できます。
〇アロマやお香を焚く
自分の好きな匂いのアロマやお香を焚く事でリラックスする事が出来ます。
リラックスした状態は血行が良くなるため、比較的身体が温まりやすい状態といえるので、このような冬ならではの家での楽しみ方を見つけてください。
無理せず節約しよう
実際に暖房機器や冷蔵庫を効率的に使う事から、生活の中の工夫で寒さを乗り切る事まで多角的に節約術を紹介してきました。出来れば、今回紹介した方法の全てを試した方が良いですが無理をしてまで実践する必要はありません。 まず冬の寒さを健康な状態で乗り切る事を前提として、その中で取り入れる事ができる方法を自分自身で選択するようにしてください。無理をせず物価高と寒さが続く2023年の冬を節約術を使って乗り切りましょう。
この記事を執筆したカウンセラー紹介
小峰一真(こみねかずま)
所属:株式会社マネープランナーズ
大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。