公益財団法人通信文化協会は2月28日、第68回(令和4年度)の前島密賞の受賞者を決定した。モバイル通信関連では、MVNOの普及とモバイル市場の活性化に貢献した功績により、インターネットイニシアティブの佐々木太志氏が奨励賞を受賞している。
前島密賞は、逓信事業の創始者である前島密の功績を記念し、情報通信事業(郵政事業を含む)及び放送事業の進歩発展に著しい功績のあった者を表彰する賞。我が国の手紙等文字コミュニケーション文化と情報通信・放送文化の向上に寄与することを目的とする公益財団法人通信文化協会が贈呈している。
本賞である前島密賞は、「情報通信・放送分野において、長年に亘り多大な功績のあった者、先駆的な研究開発を行った者など」「通信・放送の提供や維持に貢献があった者、地域のインフラとして地域貢献に資する功績があった者など」に贈られる。また、第66回(令和2年度)から新たな表彰区分として奨励賞を設けており、「若手経営者として活躍している者、現場の第一線で活躍している者」「先駆的な研究開発を行った者」を対象としている。
第68回(令和4年度)の受賞者は、前島密賞が14件で24名・1団体、奨励賞が4件で4名。モバイル通信に関わりの深いところでは、KDDI/KDDI総合研究所の5名が「ネットワーク連動型モバイル端末トラヒック制御技術の開発」の共同研究により、radikoの2名が「ラジオ放送のIPサイマル配信の始動とradikoサービスの実用化に貢献」の共同行為により、それぞれ前島密賞を受賞している。
インターネットイニシアティブの佐々木太志氏は、同社でMVNO事業部 ビジネス開発部 担当部長の職にあると同時に一般社団法人 テレコムサービス協会にてMVNO委員会運営分科会の主査を務めており、「我が国におけるMVNOの普及とモバイル市場の競争活性化による低廉なサービスの環境整備に貢献」を功績として奨励賞を受賞することになった。
なおインターネットイニシアティブからは、同社代表取締役会長でありテレコムサービス協会会長を務めた鈴木幸一氏が、第66回(令和2年度)に「日本のインターネットサービスの先駆者として新しい通信インフラ市場を切り開く」を功績として、本賞である前島密賞を受賞している。