嵐の松本潤が主演を務める大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で渡辺守綱役を演じている木村昴がこのほど、大河ドラマへの思いや本作での役作りなどについて語った。

渡辺守綱役の木村昴

第62作大河ドラマとなる本作は、江戸幕府を開いた徳川家康の生涯を新たな視点で描く物語。主人公・徳川家康を松本潤が演じ、『ALWAYS 三丁目の夕日』、『リーガル・ハイ』、『コンフィデンスマンJP』などで知られる古沢良太氏が脚本を手がけている。

木村が演じる渡辺守綱は、武芸で活躍する家系に生まれ、戦場では先鋒をつとめる大男。向こう見ずな性格で、槍をふりまわし、「槍半蔵」とも呼ばれる。普段は手よりも口が動かすのが得意なおしゃべり好き、信心深い優しい男でもあり、三河一向一揆では一揆側につき、家康に槍を向ける。本作では「槍(やり)もトークも一級品」とキャッチコピーがつけられている。

木村のコメントは以下の通り。

■大河ドラマ出演にあたって

昨年の「鎌倉殿の13人」に続き、2年連続で大河ドラマに出演させていただくことができ、大変光栄に嬉しく思っております。前作では、一話のみの出演でセリフも3行程だったので、今回も「わずかでもお力になれれば・・・」くらいの気持ちでいたのですが、台本を束でドーンと頂きまして、結構出てくる役なのだと悟りました。うれしい反面、「どうする昴?!」と思ったところからスタートしました。
大河ドラマへの思いを語ると、私が小学生の頃にさかのぼるんですけれども・・・僕の祖父は大河ドラマが大好きだったんです。当然毎年欠かさず見ていましたし、関連書籍やその歴史の文献も並行して読みながら見るくらい、それはもう熱烈なファンだったんです。ですから、僕もいつしか「大河ドラマかっこいいな」「いつか僕が出てる大河ドラマをおじいちゃんに見て欲しいな」という気持ちが自然と芽生えていきました。
実は小学生の頃に、子役として4作品くらい大河ドラマのオーディションに挑戦したことがあったんです。しかし、自分で言うのも変ですが、当時から日本人離れした顔立ちをしていたため、時代的にも時代劇にも合わないと言われなかなか役に恵まれなかったんです。ですが時代が周り、この顔でも大河ドラマに出られるようになりました!笑
昔挑戦した経験があるからこそ、こうして大人になって出演できることが本当にうれしいです。

■渡辺守綱の役づくり

渡辺守綱は槍の名手であったということで、豪快な立ち回りも見どころです。そして、性格としては「おおらか・女好きの一面もある・我が道を行くタイプ」だと最初に伺いました。
それを聞いてぱっと浮かんだのは、僕がずっと演じてきた、あの“ガキ大将”でした。豪快で自由奔放だけど、ここぞという時はすごく優しくて頼りになる。そうした部分が重なり、役のイメージは“ガキ大将”とも照らし合わせながら膨らませました。
そして今回、渡辺守綱を演じるにあたっては、オリジナリティーを出したいという思いもあり、あえて戦国時代っぽくないキャラクター作りをしようと努めています。もちろん考証の先生方がいらっしゃるので、所作から言葉遣いまで細かくご指導くださっています。でも、少しだけその枠を超えてみよう! という試みをしているところです。「どうする家康」という作品の中で、やや異色というか、視聴者の皆さんの想像をほんの少しだけ超えられるような役作りを頑張ってみたいと思っています。

■本證寺・寺内町でのシーンについて

本證寺の寺内町で印象に残っているシーンの一つに、南無阿弥陀仏・・・とお経を唱えながら、皆で大盛り上がりし踊るシーンがあります。多くの人はそれぞれ踊っているのですが、守綱だけは周りにいる女性たちを集めて、「一緒に踊ろう」と手を取るんです。考証の先生のお話では、人前で男性に手を握られることは、当時の女性にとって恥ずかしいこと。更に、手を引かれて腕が出てしまうと、それはより一層恥ずかしいことだったのだそうです。
しかし、守綱の性格を考えると、きっとテンションが上がると身体が勝手に動いて、気が付いたら女性の手を掴んで一緒に踊ってしまう勢いがあるのではないかなと。なんせ豪快な男ですから。笑 そうしているうちに女性の側も恥ずかしいなんて気持ちは吹き飛んでいき、楽しい雰囲気で一緒に踊り出す・・・という。守綱らしさを出しつつ、シーン全体の空気をつくっていけたらと思いながら演じましたので、注目していただければ幸いです!
視聴者の皆さんに物語を楽しんでいただくことを第一に考えつつも、時には時代背景にとらわれ過ぎず、“我が道を行く守綱”を意識して演じていけたらと思っています。いい塩梅を模索していきたいです。