4年ぶりの開催となるCP+ですが、その間にメーカーの勢力図が変わってきたものも少なくありません。そのひとつが三脚です。これまで三脚というと、日本と欧米のブランドが市場の大半を占めていましたが、このところ目覚ましい躍進を遂げているのが中国の三脚ブランドです。今回のCP+でも、いくつかの中国ブランドが出展して来場者の注目を集めていました。

  • 高精度のカーボン三脚で定評のある中国Leofotoのブース。プロ写真家やYouTuberなどが評価していることもあり、来場者の注目を集めていました

まずは「Leofoto」。脚に貼られた青いロゴのステッカーが目印の三脚で、現在多くのプロ写真家やインフルエンサーなどから圧倒的な支持を得ているメーカーです。特徴は、高い工作精度による仕上がりと、値ごろ感の高いプライスタグ。かつての中国製品に見られた“安かろう悪かろう”のイメージなど一切ありません。

  • Mr.Yシリーズのカラー展開は写真のレッドのほか、イエローとブルーも用意。カーボン製で軽量に仕上がっているのも特徴です

  • CP+に合わせて発表したLeofotoのジンバル雲台。価格は未定となっていました

  • 野鳥などを狙う大口径超望遠レンズのユーザーもターゲットとするLeofotoのビデオ雲台。こちらもCP+で初公開とのこと

  • 風景写真家の辰野清氏がプロデュースしたLeofotoのスペシャルモデル。さまざまな撮影条件に対応するよう作られているといいます。傘立てがユニーク

今回のCP+では、軽量コンパクトなカーボン三脚「Mr.Yシリーズ」や、大口径の超望遠レンズでの使用を考慮した大型の油圧雲台などの新製品を多数展示し、来場者の注目を集めていました。国内の代理店であるワイドトレードの上田晃央社長もブースに立ち、来場者の質問に答えている姿が印象的でした。

  • Leofotoの日本代理店であるワイドトレードの上田晃央社長。手にするのは、今回のCP+で発表した小型の雲台と、軽量コンパクトなカーボン三脚のMr.Yシリーズ

「SIRUI」は、早い時期から中国の三脚メーカーとして知られているブランド。国内では、常盤写真用品が2011年より取り扱っています。こちらも精度の高いつくりが魅力で、大小さまざまな三脚を展開。ブースでは、ところと狭しと多くの三脚を並べているのが特徴でした。また、今回のCP+に合わせて急遽開発したアイテムもあるといい、この展示会をいかに重要視しているかが分かりました。

  • おなじみSIRUIのブース。三脚のほか、ライティング用のスタンドや常盤写真用品の扱うシネマ用のレンズなども展示

  • 参考出品のタグを付けている三脚は、CP+に合わせて中国より急遽届いたもの。市場の変化に対してフットワーク軽く臨機応変に対応するのも、中国ブランドの特徴といえます

  • デジタルカモフラージュの施されたSIRUIのカーボン三脚CT-3204。野鳥をはじめとするネイチャー系のカメラマンは要注目といえます

3つ目が「BENRO」。このブランドも歴史が古く、設立は1995年。日本国内での展開もこれまで積極的に行っています。今回のCP+では、同ブランドの輸入代理店であるVANLINKSのブースの一角で展示していました。小規模ながらも、つくりの良さなどが感じられる展示となっていました。

  • BENROのコーナーがあるVANLINKSのブース。同社はBENROのほか、動画関連のアクセサリーなど扱っています

  • BENROのカーボン三脚TCBC15 FS20 PRO Cと、写真撮影とビデオ撮影の両方に対応する雲台FS20 PRO Cを組み合わせた状態。独特の雰囲気です

  • カーボンとアルミニウムのハイブリッドタイプの三脚TCBH15 N00P。堅牢でありながら軽量化も実現しているといいます

三脚以外では、角形フィルターも中国ブランドの躍進がこのところ目立ってきています。とどまるところを知らない勢いから、カメラアクセサリーは中国メーカー勢の動向から目が離せません。