ワークマンは2月23日、東京国際フォーラムで開催した2023年春夏新製品発表会を開催。衣料品やキャンプギア、ワーク製品、防災製品など422種類の春夏向け新製品を発表しました。
ここでは2023年2月に設立されたワークマンのコラボ推進組織「快適ワーク研究所」発の電動ファン付きウェアを中心に、家電系の注目アイテムを紹介しましょう。
ペルチェ素子で体を暖めたり冷やしたりできる「冷暖房服」
注目アイテムの1つ、パナソニック子会社Shiftallと提携して開発した、ペルチェ素子で体を暖めたり冷やしたりできるウェア「冷暖房服」。「快適ワーク研究所」コラボ商品第1弾として、2023年5月から、1万着を20,000円でテスト販売する予定です。
ワークマンでは以前から電動ファン付きウェアを販売していますが、ファン付きウェアは「空気を吸い込むためウェアが膨れて見栄えが悪い」「重さや動作性に課題がある(慣れれば気にならない程度)」「ファンの音がうるさい」「暖房にするには、別途ヒーター付きウェアが必要」などの課題があるといいます。
今回Shiftallと開発した「冷暖房服」は、ペルチェ素子で背中に備えたファン付きアルミ板を直冷直暖できるインナーベスト。作業服の下に着用できる薄さで膨らむことなく、冷却最大10度、温熱最大42度の冷暖房を1着でまかなえ、オールシーズン着られることが特徴です。音も電動ファン付きウェアと比べ抑えられています。
実際に温→冷の切り替え中にアルミプレートを触ってみましたが、手元のスイッチを切り替えると10秒ほどで、暖かかったプレートが冷たくなりました。プレート付近には、火傷を防ぐための温度検知機能も備えています。
電源は標準付属のモバイルバッテリー(5V、10,000mAh)で、ベストの胸部分にモバイルバッテリーを収納するポケット付き。モバイルバッテリーは一般販売品も動作保証外ながら利用できます。
氷水を循環させて上半身を冷やす「水冷服」
また、今季からの初登場品となる「水冷服」(アイスマンベスト)も展示されていました。背面に設けたタンク内の氷水を、ベスト裏面に広く這わせた細いホースで循環させ、上半身を冷やす熱中症対策アイテムです。1万着のテスト販売を開始します。
タンクに入れる氷水は、水150ml+凍ったペットボトルあるいは氷。バッテリー駆動するポンプで冷水を循環させる仕組みで、連続動作、20秒動作・45秒停止、20秒動作・1分30秒停止から動作モードが選択できます。
一見普通のミッキーマウス柄Tシャツ、実はファン付き
ワークマンでは作業着・普段着として電動ファン付きウェア「WindCore」シリーズを販売していますが、2023年春夏向けにWindCoreシリーズの新商品を発売します。2023年春夏新商品では機能性の高い電動ファン付きウェアのブラッシュアップ品のほか、よりカジュアルな利用を想定し、一見普通のTシャツのように見えるデザインの電動ファン付きウェアも用意されていました。
会場には新製品として、ファン付きウェアを気軽に試せる“エントリ―セット”と名付けられたミッキーマウス柄の電動ファン付きウェアが並んでいました。前から見ると普通のTシャツのような薄さ&デザインですが、裏にはしっかりファンやバッテリー収納ポケットを搭載。Tシャツとファン、モバイルバッテリー、ケーブルなどがバッグにまとめて同梱してあるパック製品です。
ファンやバッテリーを取り付けるとかなり重くなってしまいますが、“いかにもな作業服”ではない選択肢があることで、電動ファン付きウェアのすそ野が広がりそうです。
熱中対策やスリープテック商品も? 参考展示品をチェック
発表会場の「快適ワーク研究所」展示スペースではこのほか、既に企業から一般販売されている商品をベースに、ワークマンユーザー向けに調整すべくコラボ開発中の参考品がいくつか展示されていました(これらワークマンモデルの商品化は未定)。
「hamon band(ハモンバンド)」はミツフジと産業医科大学が開発した独自アルゴリズムで、脈波情報から深部体温の変化をとらえ、熱中症リスクをLEDと振動で通知するリストバンド型ウェアラブル機器です。IP67相当の防塵防水性能を持ち、農作業をする人などのほか、学校(児童)の利用を想定しています。
「e-skin EMStyle(イースキン エムスタイル)」は、Xenomaによるトレーニングスーツ。全身24カ所の筋肉にEMS(筋電気刺激)を与え、全身の筋肉を刺激しながら効率的に運動できるアイテムです。腰回りに付けたEMStyle Hubから電流を流し、8部位・100段階の負荷調整をスマホ向けアプリから設定します。サイズ展開はユニセックスで3サイズ。
「Sleep Tshirt」は、e-skin EMStyleと同じくXenomaによるスリープテック製品。12mm×56mm×44mmの小型デバイスを、Tシャツ型パジャマのポケットに入れて眠ることで、睡眠状態を可視化できます。
睡眠時にスマートウォッチを付けたくない人に向くほか、別売のスマートリモコンと組み合わせ、ポケットの温度センサーで測定したパジャマ内の温度変化にあわせてエアコンを自動で温度調節する、といった使い方も。睡眠状態は専用アプリで確認でき、睡眠改善アドバイスも表示されます。
2023年は「WORKMAN Colors」を出店、より高機能なアイテムも登場
ワークマンは2023年1月末現在、作業服を中心とした「WORKMAN」を482店舗、アウトドア、スポーツ、レインウエアの専門店「WORKMAN Plus」を472店舗、女性向け商品を集めた「#ワークマン女子」を25店舗展開しています。2023年、よりファッション性を高めた新店舗「WORKMAN Colors」を追加し、2023年9月に都内の中心地へ出店したいとしています。
WORKMAN Colorsは、タフ、ビビッド、トラベル、トレンド、サステナブルの5つのスタイルを用意。いずれも見た目やデザインを重視しつつも、WORKMANブランドで培った高い機能性を“ステルス”的に入れ込む――見た目はファッショナブルでも防水や防風など、求められる機能も当然のように備えている、といったアイテムを揃える予定です。
このほか、従来より高級な「WORKMAN Premium」ブランドも新たに展開。2023年秋冬に25アイテムを提供するといいます。「もう少し高くてもいいからデザイン・品質・機能のよいものが欲しい」という需要に応えるもので、この秋冬に「WORKMAN Premium」ロゴが付いている商品が店舗に並ぶことがあるとしました。