西日本旅客鉄道(JR西日本)は、3月22日からAndroidスマートフォンでICカード乗車券「ICOCA」の機能が使える「モバイルICOCA」を提供開始する。
2020年10月に、「『モバイルICOCA(仮称)』を2023年春メドに開始する」と予告しており、今回提供開始時期が正式に決まったかたちだ。サービス開始に先立ち、「モバイルICOCA for Android」のプレサイトを2月22日にオープン。詳細の案内サイトは3月中旬掲載を予定している。
モバイルICOCAアプリの利用や会員登録は無料。自動改札機や店頭での支払いにおいて、スマホをタッチするだけで利用できるICOCAの便利さをそのままに、駅に行くことなくスマホアプリでチャージや定期券の購入が可能になる(高校生以下の通学定期券や2区間定期券など、一部の定期券は購入できない)。
ICOCAが利用できる全国の鉄道・バスやお店での買い物に使え、改札通過やお店での支払いのときに、アプリを起動したりログインしたりする必要はない。スマホ上でチャージ残額や利用履歴の確認も行える。
アプリはGoogle Play ストアからダウンロードできる。対応OSはAndroid 10.0 以上で、最新版の「おサイフケータイ」アプリのインストールも必要だ。1台のスマホに複数枚のICOCAを発行することもできるが、発行できる枚数はスマホによって異なるとのこと。対象機種については後日、モバイルICOCAのサイトで案内するという。
支払いにはクレジットカードの登録が必要。J-WESTカードを支払いカードして登録し、アプリでチャージ・定期券購入すると、WESTERポイントが最大3%たまる。モバイルICOCAの利用でもWESTERポイントがたまり、たまったWESTERポイントをチャージすることもできる。
クレジットカードはJ-WESTカードのほか、JCB、VISA、MasterCard、AMERICAN EXPRESSの各ブランドのものが使える。事前に各クレジットカード発行会社での本人認証サービス(3Dセキュア)の登録も必要だ。海外発行カードなど一部のカードは使えない。
このほかにも、モバイル端末対応の券売機や、店頭やセブン銀行ATMでのモバイルICOCAへの現金チャージに対応する。なお、自動改札機でのオートチャージには対応しない。
モバイルICOCAにはデポジット(カード発行預り金)はないが、新規発行時は初回チャージ額として1,000円以上をチャージする必要がある。ただし、定期券を購入する場合は初回チャージ額の入力は必要ない。そのほか、モバイルICOCAの再発行や、機種変更して別の機種でチャージ残額や定期券を継続利用することも可能。払い戻しもアプリ上で行える(所定の払戻手数料がかかる)。
なお、モバイルICOCAについてJR西日本の広報担当者に問い合わせたところ、iPhoneやApple Payへの対応は検討しているものの、「検討はしているが現時点では未定で、決まった情報はない」との回答だった。
また、利用にはモバイルICOCAアプリとおサイフケータイアプリを必要とするため、サービス開始当初は、Googleが提供するモバイル決済プラットフォーム「Google Pay」内でモバイルICOCAを発行し、利用することはできないという。このほか、手持ちのICOCAカードや他の交通系ICカードの移行(残額引き継ぎ)にも対応していないとのこと。