ソニーは2月1日、視覚に障害を持つロービジョン者に向けたコンパクトデジカメ「DSC-HX99 RNV kit」を発表した。カメラがとらえた映像を網膜に直接投影する特殊なファインダーを装着することで、撮影時のライブビュー映像や再生画面が見えるようにした。価格は109,800円で、ソニーストアのみで販売する。発売日は3月24日。2月23日から始まるカメラ展示会「CP+」でも展示する。

  • レーザーで網膜に映像を投影する仕組みを備えた、ロービジョン者向けのコンパクトデジカメ「DSC-HX99 RNV kit」

ソニーのコンパクトデジカメ「Cyber-shot DSC-HX99」に、QDレーザ社が開発した網膜投影型ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」が付属する網膜投影カメラキット。RETISSA NEOVIEWERをDSC-HX99に装着すると、カメラの映像をRGBの半導体レーザーで網膜に直接投影する仕組み。眼の前眼部やピント調整機能に障害がある人でも、映像が確認できる。

  • QDレーザ社が開発した網膜投影型ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」

メガネやコンタクトレンズを装着しても見えにくさを感じ、日常生活で不自由を感じているロービジョン者は世界で2億5000万人、日本では145万人いるとされる。そのような人にも撮影の楽しさを味わってもらい、作品を多くの人に見てもらって感動を分かち合えることを目的に開発した。ソニーが一部の費用を負担することで、低価格で購入できるようにした。

製品は、利用者本人が実際に体験したうえで購入する必要がある。ソニーの専用サイトで体験会を予約し、全国のソニーストア5店舗に来店して実機を体験し、見え方に納得できたら購入する。体験会は3月24日から実施する。購入可能な台数は、原則1人1台に限られる。

カメラは市販モデルのDSC-HX99と同じ。35mm判換算で24~720mmをカバーする光学30倍ズームレンズを搭載しており、遠くの被写体も大写しできる。

  • 光学30倍ズームレンズを搭載するDSC-HX99