米Microsoftがプレビュー提供中の新しい「Bing」のAIチャット機能に対話回数制限を設けた。1回のセッションの対話を5ターンまで、また1日の対話ターン数を最大50ターンに変更した。ユーザーの質問とBingからの応答の両方を含む会話のやりとりで1ターンに数える。
従来の検索では検索コマンドを使うような高度な検索でも、新しいBingでは「チャット」を使って対話型AIに言葉で説明することで、コマンドを知らない人でも目的の情報を効果的に探すことができる。また、アイディアをもらったり、コンテンツ作りのサポートをしてもらうといった使い方も可能。チャットは新しいBingの目玉機能であり、その新しい検索体験が大きな反響を呼んだ。その一方で、チャットボットのユーザーを困惑させるような応答やふるまいのフィードバックも寄せられていた。
原因の1つが対話セッションの積み重ねだ。セッションが長くなるとチャットボットの応答が繰り返しになったり、対話に複数の話題が含まれることから脱線してしまう傾向が確認された。その対策として、1セッションの対話数を5ターンまでとする。同社によると、大半のユーザーが5ターン以内で探している情報を見つけており、メッセージ数が50個を超える対話は1%未満とわずかだ。アップデート後は、1セッションの対話が5ターンを超えると新しい対話を開始するように促される。また新しい対話を開始するには、「新しいトピック」ボタンをクリックしてコンテキストをクリアする必要がある。それによって、前のセッションの内容をチャットボットが引きずって混乱するのを避けられる。
1日50ターンまでに制限する理由については明らかにしていない。AIによるコンテンツ生成は処理の負担が大きく、OpenAIの対話型AI「ChatGPT」は利用者が多くなると無料ユーザーの利用を制限している。Microsoftは今後数週間で新しいBingのプレビューを数百万規模に拡大する計画であり、快適な体験を維持しながらより多くにプレビューを広げるために、1ユーザーあたりの利用に上限を設けた可能性が考えられる。