次期Microsoft Edge(以下、Edge)は分割表示をサポートする。1つのウィンドウで2つのWebページを表示する機能だ。2023年2月上旬からCanaryチャネル版Edgeサポートしてきたが、Windows 11のスナップレイアウトでウィンドウを分割すればこと足りると思い、検証しないままになっていた。
今回、安定版やベータチャネルのEdge(バージョン110)にもこの機能を提供し始めたと聞き、軽く動作を検証した。本機能は「試験段階の機能」で有効化する必要があるものの、手元の安定版およびベータ版チャネルではフラグが見当たらない。そこでDevチャネルのEdge(バージョン111)で有効化を試みた。
再起動したEdgeはツールバーに「ウィンドウの分割」ボタンが加わり、ウィンドウサイズに合わせた「2分の1」のページ表示領域が現れる。ここに表示するWebサイトは「お気に入りバー」や「その他のお気に入り」、既存ページのリンクをドラッグ&ドロップしても追加可能だ。
今回試して便利だったのは、動画サイトの2点表示。前述の通りスナップレイアウトを使えば済む話だが、一日中自宅(仕事場)にこもっていると、ニュース系コンテンツと同時に朗らかな動画コンテンツも見たくなる。左右(2つのページ)のバランスはウィンドウリサイズと同じく調整できるため、検索しながら情報収集する場面にも役立ちそうだ。有用なサイトはEdgeのコレクションに追加すれば、「その他のお気に入り」の増殖も抑えられる。ただし定期的なコレクションの整理は求められるが……。
分割表示は「必須ではないがあれば便利」な機能なのだが、操作に慣れるまでは一定の時間を要するだろう。分割表示はどちらか一方がアクティブウィンドウ(ページ)となり、「Ctrl」+「W」キー押下時は非アクティブウィンドウが閉じる仕組みだ。「お気に入りバー」も左ウィンドウの動作に引きずられる(設定による)。たとえば「お気に入りバーの表示」を「新しいタブ」としている場合、右ウィンドウが空欄でもお気に入りバーは現れない。
ほかにも、アドレスバーのレイアウトやタブに表示するサイト情報など、改善すべき箇所は少なくない。もっともMicrosoft 365ロードマップの開発スケジュールを確認すると、一般提供は2023年4月を予定している。今後は順当にバグ修正を加えながら、安定版Edgeユーザーの前に姿を現すだろう。
最近のEdgeはアグレッシブだ。PDFリーダーをJavaScriptベースからAdobe Acrobat Readerへと切り替える予定であることを発表し、OpenAIベースのMicrosoft Bing AIチャットも野心的な取り組みといえる。筆者もEdgeHTMLベースの旧Edge時代はGoogle Chromeと併用していたが、現在はEdge一本に切り替えた。Startcounterによれば、Webブラウザーの国内シェアは2022年時点でGoogle Chromeが49.2%、Edgeは13.96%と、遠くおよばない。機能強化だけでトリプルスコアを覆せるのか、Edgeを使い続けながら注視するつもりだ。