「心づもり」という言葉は、日常会話よりもビジネスシーンなどで使われる少し硬い表現です。ビジネスシーンでは、使い勝手のよい言葉として重宝されています。

この記事では「心づもり」の意味や、使い方・例文をご紹介。また、目上の人に使えるかどうかや、類語・言い換え表現、さらに英語表現などについても解説します。

「心づもり」の意味とは

  • 「心づもり」の意味とは

「心づもり」とは、「心の中で事前に考えておくこと」を意味する言葉です。あらかじめ自分の心の中で考えをまとめたり計画を立てたりすることをいいます。

「心積もり」との違いは?

「心づもり」を漢字で表記すると「心積もり」もしくは「心積り」になります。平仮名表記でも漢字表記でも意味合いに変化はなく、どちらも心の中で事前に考えることを表す言葉として使うことが可能です。

「心づもり」の使い方・例文

  • 「心づもり」の使い方・例文

心づもりという言葉は、どのような場面で使うことができるのでしょうか。「心づもり」の使い方や例文を紹介します。

心づもりをする

よく使われるのは「心づもりをする」という言い方です。以下で、例文を確認してみましょう。

・異動の噂を聞いていたので心づもりをしていた。
・万が一に備えて心づもりをしています。
・心づもりをすることができないまま今日を迎えてしまった。

そのほかの言い方

そのほかに、下記のような言い方でも使われます。

・何かあればすぐに駆けつける心づもりだ。
・今回限りで契約を打ち切られる心づもりでいた。
・恋人と生涯を添い遂げる心づもりはできています。

「心づもり」は目上の人に使える?

  • 「心づもり」は目上の人に使える?

「心づもり」という言葉はビジネスシーンで使うことが多い硬めの表現ですが、目上の人に使ってもいいのか迷う方もいるでしょう。

敬語ではないが使える

「心づもり」という言葉自体は敬語表現ではありませんが、目上の人に使っても特に問題はないとされています。

上司や取引先との会話の中で、自分の意思表明などをしたい場合は、「心づもりでおります」「心づもりでございます」といった言い方をすると、より丁寧な印象です。

あらかじめご了承くださいの方が丁寧な場合も

相手に心づもりを求める場合は、「お心づもりのほど、よろしくお願いいたします」と言っても問題ないですが、「あらかじめご了承ください」という言い方に変えてもいいでしょう。 「心の準備をしておいてください」というような直接的な言い方は不快に感じる人もいるため、丁寧で間接的な言い方をすることで角が立ちにくくなります。

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「心づもり」の類語や言い換え表現

  • 心づもりの類語や言い換え表現

「心づもり」には似たような意味を持つ類語や言い換え表現がいくつか存在します。今回はその中から「心構え」「心算」「気構え」「心の準備」を紹介していきます。

心構え

心構えには「物事に対する心の準備」や「覚悟」という意味があります。心づもりと同じように何かに対して備える心の状態を表しますが、「覚悟」という意味が含まれるため、より重大な決心をするイメージです。

心算

心算(しんさん)には「心の中の計画」という意味があります。

心づもりと同じように口に出していない計画を表しますが、心づもりよりも計算して行っている印象が強くなり、計画的であることが強調される点が特徴です。

気構え

気構えには、「物事に対する心の準備」に加えて「物事に取り組む意気込み」という意味があります。心づもりと同じような意味ですが、意欲があるというニュアンスを含めたい場合は気構えの方がよいでしょう。

心の準備

心づもりは少し堅い表現になるため、表現を和らげたい場合には「心の準備」と言い換えてもいいかもしれません。例えば部下に対し「明日、取引先に行くから心づもりしておけよ」を「明日、取引先に行くから心の準備しておけよ」と言い換えると印象が変わります。

「心づもり」の英語表現

  • 心づもりの英語表現

心づもりを英語で表現したい場合は、anticipation、expectation、plan、preparationなどを使うといいでしょう。

anticipationは直訳で「予想」や「心算」、「予期」など心の中で先のことを考える意味合いがあるため、心づもりの意味に近い英単語です。

expectationは直訳で「期待」を意味する単語なので、ややニュアンスは異なりますが、内容によっては使ってもいいでしょう。

また、planは直訳で「予定」となり、心の中で考えている計画について表現するときには使えます。

preparationは直訳では「準備」を表す単語です。使うときはニュアンスが変わってしまわないか気を付けながら、最適な単語を選びましょう。

「心づもり」の意味を理解して正しく使おう

「心づもり」は「心の中であらかじめ考えておくこと」を意味し、ビジネスシーンでよく使われる表現です。上司や目上の人から大事な予告をされたときは、「心づもりをしておきます」とスマートに返してみましょう。

「心づもり」は「心構え」や「心算」、「気構え」などの類語に言い換えることもできます。また、目上の人に対して心の準備をしておいてほしいことを伝えたいなら、「あらかじめご了承ください」という言い方もできるので、相手や状況にあわせて適切な言葉を選んでみてください。